リソース抽象化とオーケストレーション抽象化
マルチクラウド管理の複雑さを解消する2つの方法(1/2 ページ)
管理の効率を上げ、マルチクラウドモデルの複雑さを減らすため、企業はリソースとオーケストレーションという2つの抽象化技法を利用できる。
クラウドは、基本的には個別のホスティングリソースの大きな集合体だ。こうした集合体は管理を難しくする。クラウドプロバイダーやプラットフォームを複数利用すれば管理はより難しくなる。マルチクラウド管理の複雑さを最小限に抑える最善の方法は抽象化を利用することだ。抽象化することで、異なるクラウドプラットフォームを1つのクラウドや1つのホストのように見せることができる。
マルチクラウドを抽象化するアプローチは主に2つある。1つはリソース抽象化だ。つまり、複数のクラウドリソースとクラウドプロバイダーの上位にレイヤーを作り、1つのリソース、または、1つのホストのように見せるアプローチだ。もう1つはオーケストレーションベースの抽象化だ。全てのホストでアプリケーションライフサイクルの各プロセスを同じ方法で運用できるという条件は付くが、この抽象化によって、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによる違いを、マルチクラウド環境全体で吸収できる。マルチクラウド管理にどちらのアプローチを選ぶかは、各企業の全体的なITインフラと戦略、そしてクラウドアプリケーションの性質によって決まる。
リソース抽象化
リソースの抽象化はシンプルな理論に基づく。それは、全てのアプリケーションホストが同じに見えれば、1つの単純なツールセットを使って、マルチクラウド環境にアプリケーションを導入して管理できるという考え方だ。マルチクラウドアプリケーションでは、リソース抽象化によって全てのパブリッククラウドプラットフォームを1つのクラウドのように見せ、プライベートクラウド内のデータセンターリソースを抽象化する。抽象化するリソースの範囲が広いほど、クラウドプロバイダー同士、またはパブリッククラウドとデータセンターの境界の重要性は少なくなる。
「OpenStack」などのクラウドコンピューティングソフトウェアや、Dockerの「Docker」、CoreOSの「rkt」などのコンテナソフトウェアは基本的なリソース抽象化を提供する。こうしたソフトウェアは、抽象化リソースのプールを明示的にサポートすることが抽象化の不可欠な要素であることを示している。こうしたリソースプールは、クラスタやスウォームと呼ばれることもある。リソースをクラスタに編成することは、オーケストレーションの考え方に近い。これは、リソース抽象化とオーケストレーション抽象化を同じツールで行うのが一般的であることを意味する。
実際、ある程度のオーケストレーションを取り入れることが、リソース抽象化の最善の戦略になる。この例が、「Apache Mesos」とMesosphereの「Datacenter Operating System」(DCOS)、Univaの「Univa Grid Engine」と「Navops Launch」の2つだ。どちらの組み合わせも、使用するそれぞれのクラウドプラットフォーム内にクラスタを作成し、そのクラスタを上位方向に抽象化して、柔軟なホスティングに利用できるスーパークラスタを形成する。つまり、マルチクラウドのリソース抽象化では、使用するクラウドプロバイダーごとに具体的な仮想化サポートを用意することが重要になる。
リソース抽象化ツールを使用すれば、特定のクラウドプラットフォームに固有の機能のデプロイと接続を定義できる。例えば、Univa Grid Engineは、「Amazon Web Services」(AWS)での高度なデプロイ機能を提供する。だが、アプリケーションから異なるプラットフォームの独自の機能やWebサービスを利用する場合、マルチクラウドのデプロイ間で同じイメージを拡張したり、再デプロイしたりすることはできない。このような場合に役立つのが、もう1つのオーケストレーション抽象化だ。
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