それでもマルチクラウドを夢見る管理者のための処方箋マルチクラウド神話を打ち砕く(後編)

マルチクラウドは幻想にすぎない。プロバイダーのうたい文句通りにはいかない。それでもマルチクラウドが必要なのであれば、次善策を検討しよう。

2018年02月05日 08時00分 公開
[Daniel RobinsonComputer Weekly]

 前編(Computer Weekly日本語版 1月10日号掲載)では、クラウドプロバイダーが主張するクラウド間のシステム(ワークロード)移行が容易なことではなく、現実的ではないことを解説した。

 後編では、それを踏まえてクラウド移植性を実現する方法を検討する。

Computer Weekly日本語版 1月24日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 1月24日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

クラウド移植性を実現する次善策

 機能やサービスはクラウドプラットフォームごとに異なるため、ワークロードが非常に単純かつ自己完結型でない限り、単純にワークロードを別のクラウドに移行するのは難しい。ただし、この困難を回避する方法が1つある。それは、PaaSなど、特定のクラウドプラットフォームに結び付いていないアプリケーション環境を利用する方法だ。アプリケーションに必要なサービスの多くはPaaS自体に多数用意されているため、クラウド間で環境全体を移行できる場合にはPaaSが移行に役立つ。

 Gartnerのテクノロジーおよびサービスプロバイダー調査グループでリサーチディレクターを務めるマシュー・チャン氏は、次のように説明する。

 「PaaSプロバイダーは、実のところIaaSに全く価値を見いだしていない。例えると、家全体を持ち上げて別の場所に移すようなものだ。基盤となるインフラが全てそろっていれば、それほど苦労はしない」(チャン氏)

 その顕著な例が、Red Hatの「OpenShift」だ。このプラットフォームでは、ユーザーがDockerコンテナを使ってアプリケーションを構築、導入できる。Dockerコンテナは、オンプレミス、Azure、AWS、GCPに導入可能なバージョンが用意されている。従って、理論上は先述した任意のプラットフォームにアプリケーションを移植できる。

 だが、ここでも依存関係に関する同じ注意点が当てはまる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...