ArangoSearchとGeoJSONサポート
マルチモデルデータベース「ArangoDB」に要注目
数あるNoSQLデータベースの中で特異な位置を占めるのが、複数のデータモデルをサポートする「ArangoDB」だ。
ArangoDBはネイティブマルチモデルデータベースだ。「ArangoDB Community Edition」はC++でコーディングされており、オープンソースライセンス(Apache License 2.0)で利用できる。本稿では、開発者向けトランザクションデータベースとしてのコアバージョン3.4に注目する。このリリースは開発者にとってどのようなものなのか。
このソフトウェアエンジニアリングの役割は、1つのテクノロジーと1つのクエリ言語を使って「複数のデータモデル」を操作する手段を提供することだ。
「ArangoDB 3.4」で強化されたのが「ArangoSearch」だ。ArangoDB独自のクエリ言語「AQL」を使って、この機能をトラバーサルや結合(join)と組み合わせると、ArangoDBが「データ」の取得ツールから「情報」の取得ツールへと変わる。
では、マルチモデルデータベースとは一体何だろう。
TechTargetは以下のように説明している。
「マルチモデルデータベースはスコープを広げたデータ処理プラットフォームで、データベース内の情報を編成して並べ替える方法についてのパラメーターを定義できる。複数のモデルを1つのデータベースに組み込めるため、複数のデータベースシステムを導入する必要なく、アプリケーションのさまざまな要件を満たせる」(訳注)
訳注:ArangoDBに限定すると、3つのデータモデル(ドキュメント、キーバリュー、グラフ)をサポートするNoSQLデータベースであるという意味。「MongoDB」ならドキュメント、「Neo4j」ならグラフのように、NoSQLデータベースは一般的に単一のデータモデルに特化している。
ArangoSearchは、ブール型の検索モデルと汎用(はんよう)ランキング検索モデル(ベクトル空間モデルなど)を組み合わせる。ArangoSearchは、検索エンジンと統合レイヤーの2つのコンポーネントで構成されている。検索エンジンはインデックスの管理、クエリ、スコアリングを担当する。統合レイヤーはエンドユーザーに使いやすい検索機能を提供する。
開発元によると、ArangoSearchはArangoDBの3つのデータモデル全てと組み合わせることができるという。グラフデータベース機能と連携して使用すると、検索結果を利用して、例えば詐欺防止の強化、個人に合わせたレコメンデーション、精密医療の簡素化などが可能になる。
このソフトウェアのリリースノートには次のように記載されている。「特殊な実体化ビューを使用して、複数のコレクションに対する全文検索を一度に実行できる。ビュー定義内では、コレクション全体または個別のフィールドを指定できる。こうした指定は、一般的なテキストアナライザーを一つまたは複数使って転置インデックスで対応する必要がある。AQLで表現する検索クエリは、複数のスコアラー(TFIDFやBM25)を組み合わせて結果をランク付けできる」
ユーザーは、関連性に基づくマッチング、フレーズとプレフィックスによるマッチング、複雑なブール式による検索、クエリ時間関連のチューニングを実行し、複雑なトラバーサル、ジオクエリなどのアクセスパターンを情報検索技法と組み合わせることができる。
ArangoDB 3.4は、「GeoJSON」と非空間属性をフルサポートする。GeoJSONとは、シンプルな地理機能を表すために設計されたオープンスタンダードフォーマットだ。このサポートには、マルチポリゴンやマルチラインストリングなど、全てのジオプリミティブが含まれている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly日本語版
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
-
6
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
9
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
10
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー