IT部門意思決定者を対象に行った調査によって、トランザクション型のリレーショナルデータベースの限界が浮き彫りとなった。
IT部門でデジタル変革構想に携わる上級意思決定者450人に実施した調査によると、これまで使われてきたデータベースがデジタルプロジェクトの障害になっていることが明らかになった。
市場調査会社Vanson BourneがCouchbaseの委託を受けて実施した調査によると、94%の企業が依然として「Oracle Database」や「Microsoft SQL Server」などの従来型リレーショナルデータベースを使用しているが、こうしたデータベースはデジタルプロジェクトには不適切だと考えられている。
調査に答えたIT部門意思決定者の41%が、リレーショナルデータベースがニーズを満たさなかったために失敗したデジタルプロジェクトがあることを認めている。
また、リレーショナルデータベースの変更にコストがかさみ、プロジェクトの規模縮小を余儀なくされたという回答が29%、プロジェクトを大幅に延期せざるを得なかったという回答が14%を占めた。これに対し、リレーショナルデータベースでも問題はないという回答は16%にとどまっている。
多くの企業が抱える課題は、既存のリレーショナルデータベースがトランザクション形式のデータを収集するように設計されている点にある。トランザクション方式のデータベース管理システム(DBMS)などがその例だ。
ユーザーを巻き込む新しいアプリケーションをリレーショナルデータベースでサポートしようとすると、アプリケーションのパフォーマンスは低下する。実に、IT部門意思決定者の74%がこのことに気付いている。
新しいアプリケーションが利用するデータは、複雑で、相互に結び付きがあり、変化に富んでいるものが多い。Couchbaseが既存のリレーショナルデータベースは不適切だと考える理由はここにある。
優れた顧客エクスペリエンスには、リアルタイムの応答が求められる。そのため、これまでのリレーショナルデータベースの限界は恐らくさらに顕著になるだろうと同社は語る。
データ管理の将来について扱った記事(訳注)で、Quocircaのアナリスト、バーント・オステルガルド氏が次のように記述している。
訳注:Computer Weekly日本語版 9月20日号に掲載。
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