OpenAIの「ChatGPT」をはじめとする「ジェネレーティブAI」の普及は、ITの世界を急速に変化させた。この風景は“あの時”と重なる。そう、あの「iPhone」が登場した時だ。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が始まった当初、ビジネスのアジリティ(俊敏性)が話題の中心になったことを覚えているだろうか。パンデミックの発生直後、企業がビジネスの進め方を直ちに変更する必要に迫られたことが、その背景にある。
在宅勤務などのテレワークを可能にするために、企業はコミュニケーションツールやセキュリティツールの導入に急ピッチで取り組んだ。こうした変化に伴うインフラ運用の複雑さを解消するために、企業はオンプレミスシステムからクラウドサービスへの移行を進めた。
パンデミックの中、企業は新技術を迅速に導入して、新たなビジネスを確立させながら、変化による混乱を最小限に抑えようとした。こうした経験から得たアジリティの教訓を基に、企業はできる限りの速さで、ある新技術を導入しようとしている。テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「ジェネレーティブAI」(生成型AI)がそれだ。
ベンダーはこぞって、関心とリソースをジェネレーティブAIに向け始めた。Appleによるスマートフォン「iPhone」の発明と同様、ジェネレーティブAIはITに新しい変化をもたらしている。
AIベンダーOpenAIが提供するAIチャットbot(AI技術を活用したチャットbot)「ChatGPT」の登場により、ジェネレーティブAI市場は急速に活発化した。ChatGPTに対抗し、Googleの「Bard」といった競合のAIチャットbotが相次いで登場。AIチャットbotの中核要素である大規模言語モデル(LLM)についても、ChatGPTが採用する「GPT-3.5」「GPT-4.0」に加えて、Meta Platformsの「LLaMA」やNVIDIAの「NeMo」などが生まれている。MicrosoftとOpenAIの提携など、ジェネレーティブAIに関するベンダー間の関係強化も進む。
忘れてはいけないのは、ジェネレーティブAIそのものは以前から存在していたことだ。誕生した当初はそれほど“優秀”ではなかったものの、急速な技術進化により、世界が注目するようになった。ジェネレーティブAIほどの速さで、特定の技術が普及することはめったにない。
次回は、企業がジェネレーティブAIに投資すべき理由と、活用の注意点を整理する。
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