米国IT業界の一部では、テレワークに否定的な見解を持ち、テレワーカーを“格下”だと見なす風潮がある。ただし専門家は「それでもテレワークを許容すべきだ」と主張する。なぜなのか。
ソースコード共有サービスを運営するGitHub社が2023年2月に従業員の1割削減を発表し、完全テレワークへの移行計画を表明。その直後、ソーシャルメディアでは「テレワーカーは人員削減の対象になりやすいのかどうか」について議論が起きた。専門家によれば、この議論の背景には、テレワーカーとオフィスワーカーの“格差”がある。どういうことなのか。
一部の企業はテレワーカーを、オフィスで働く従業員よりも一段下の存在だと見なしている――。ソフトウェアエンジニア紹介サイトを運営するSkillGigsのデジタル部門プレジデント、ブラッド・ヒル氏はこう指摘する。
GitHub社のCEOトーマス・ドームケ氏をはじめ、テレワークを許容する経営者がいる一方で、X社(旧Twitter社)CEOのイーロン・マスク氏など、テレワークを劣悪な施策だと見なす経営者がいる。マスク氏は「テレワーカーは働くふりをしているだけだ」と批判し、2022年6月にTwitter社のテレワークを終了した。その後、同社を退職する従業員が相次いだため、同氏は姿勢を軟化させた。
情報化時代には「必要な成果を生み出すために、どこでどのように仕事をするか」という問いの答えを、あらためて考えることになるというのが、ヒル氏の考えだ。「特定の労働者なら簡単に解雇できるという考え方は、人の能力に対する大きな誤解だ」とヒル氏は言う。
管理職や経営層は、テレワーク推進のトレンドにあらがうのではなく、受け入れるべきだとヒル氏は主張。「テレワークへの移行を批判することは、過去の強権的な考えや現状維持バイアス(変化よりも現状維持の方が有益だと考える心理作用)にしがみついていることになる」と言い添える。「ビジネスでの優位性を獲得するために企業は進化し、テレワーカーを職場で対等に扱うべきだと認識する必要がある」(同氏)
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