無線LAN市場の今【後編】
無線LAN市場はCiscoとArubaがリード、大穴はUbiquiti?
2018年の無線LAN市場では、Cisco Systemsが大きなシェアを持った他、Aruba Networksも数字を伸ばした。こうした無線LAN機器ベンダーの動きを、IDCのアナリストが解説する。
前編「『IEEE 802.11ac』が無線LAN市場を席巻 新規格『IEEE 802.11ax』との違いは」では、調査会社IDCの無線LAN市場に関する四半期報告書「Worldwide Quarterly Wireless LAN Tracker」を基に、市場の現在および将来について説明した。後編では、同社で企業向けネットワーク担当上級調査アナリストを務めるブランドン・バトラー氏が、主な無線LAN機器ベンダーの動きを解説する。
大手が中堅ベンダーの動きに追随
企業向け無線LAN市場には、さまざまな戦略を持つ複数のベンダーがある。
Cisco Systems
Cisco Systemsの無線LAN関連製品には、ネットワーク管理ソフトウェア「Cisco DNA Center」や、クラウド管理型無線LANの「Cisco Meraki」などがある。バトラー氏によると、最近はこの2つの製品・サービスが企業の注目を集めているという。Cisco Systemsは2019年4月、標準化完了前(ドラフト段階)の無線LAN規格「IEEE 802.11ax」(以下、802.11ax)に準拠する新世代のスイッチ「Cisco Catalyst 9600」と、無線LANアクセスポイント(AP)の「Cisco Catalyst 9115/9117/9120」「Cisco Meraki MR45/MR55」も発表した。
標準化団体Wi-Fi Allianceによる、802.11ax準拠製品の認定プログラムの名称が「Wi-Fi 6」だ。「Cisco Systemsの無線LAN市場への参入によって、2019年から2020年にかけてWi-Fi 6の普及に向けた道が真に開かれた。主要ベンダーはWi-Fi 6製品を投入している」(バトラー氏)
Aruba Networks
Hewlett Packard Enterprise傘下のAruba Networksが2018年11月に提供開始したAP「Aruba 510」シリーズと、スイッチ「Aruba 2930M」は、ドラフト版の802.11axに準拠する。同社はクラウドベースAP「Aruba IAP」で中堅・中小企業市場にも力を入れており、「これが同社の成長に貢献した公算が大きい」とバトラー氏はみている。
「Aruba Networksはここ数年でイノベーションを加速させている」とバトラー氏は説明する。無線LANのAPと、それに搭載する管理システムを発展させ、スイッチを刷新することで、企業の無線LAN環境構築を包括的に支援する。
それよりも規模の小さい無線LAN機器ベンダーも、市場の成長に貢献してきた。Ubiquiti Networksは中堅企業を対象とした無線LAN市場で一定の成功を収めている。こうした成功は大手にも影響を与えている。同社に倣い、大手法人顧客が求めるフルグレード機能を省き、導入や管理の簡略化を図った製品やサービスを、大手ベンダー各社が投入しているという。「Cisco SystemsやAruba Networksのようなベンダーは、他社が中堅市場で成功する様子を見て、『われわれも参入できる』と考えている」とバトラー氏は指摘する。
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無線LAN市場の今
「IEEE 802.11ac」準拠製品が大多数を占めた2018年の無線LAN市場は、新規格「IEEE 802.11ax」の台頭とともにどう変化するのか。無線LAN市場の現状と展望についてIDCのアナリストが語る。
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