AIOpsのメリットを引き出すには【中編】
事例で探る 「AIOps」はなぜ多過ぎるアラートを減らせるのか?
リソースの割り当てやキャパシティー管理の最適化だけが「AIOps」の用途ではない。解析や検出作業の自動化にAIOpsを活用すれば、IT監視ツールの多過ぎるアラートへの対処を効率化できる。
「AIOps」とは、機械学習などの人工知能(AI)技術やビッグデータを使用して、IT運用の一般的な仕事の効率を上げることだ。AIOpsはリソースの割り当てやキャパシティー管理の最適化に役立つ。ただし用途はそれだけではない。前編「人事アウトソーシング企業は『AIOps』でITリソース奪い合いをどうなくしたか」に続き、本稿はAIOpsが効果を発揮する、解析や検出作業の自動化に焦点を当てて解説する。
検出作業
ネットワークセキュリティ企業Barracuda Networksのエンジニアリングチームは、デプロイ(利用可能な状態にすること)に最新技術を取り入れるために、AIOpsを活用した。目的はイベントの相関付けと根本原因解析の自動化だ。
BarracudaはパブリッククラウドのAmazon Web Services(AWS)を利用してコンテナを導入し、システム開発アプローチとして複数の独立した小規模サービスを組み合わせる「マイクロサービスアーキテクチャ」を採用した。こうして同社のIT部門は、複雑な依存関係を含む動的な環境を運用・監視することになった。
Barracudaでメール保護サービスに関するエンジニアリング部門の統括責任者を務めるリア・ガビッシュ氏は次のように語る。「監視の点からは少しばかりノイズが多い。同じ点に対して7つの異なるアラートを受け取る場合がある。連鎖的に反応するためだ」
AIOpsが“アラート疲れ”を解消
“アラート疲れ”を軽減し、根本原因をより素早く特定するために、BarracudaはNew Relic(注1)のAIOpsツールを導入した。イベント同士の相関関係を基に、根本原因の解析を自動化することで、生成されるアラートに優先順位を付けるとともにその数を減らすことが目的だ。
※注1 旧SignifAI。SignifAIは2019年にNew Relicに買収された。
New RelicのAIOpsツールのおかげで、BarracudaはIT監視環境の設定を簡略化できたとガビッシュ氏は述べる。このAIOpsツールは他の監視システムをはじめ、60個を超えるオープンソースや商用のシステムと連携できる。しかもITチームが連携やアラートの構成を手動で調整する必要はない。
このAIOpsツールは基本的にこれらの全てのシステムに接続してデータを積極的に取得する。「特定の指標や情報ソースそれぞれについてダッシュボードを設定する必要はない。インフラに追加した全ての要素をAIOpsツールが自動的に追跡する」(ガビッシュ氏)
迅速に監視データの意味を理解してイベントの相関関係を把握できることが、信用調査会社Experian Information SolutionsがAIOpsツールを導入した主な理由だ。同社はDynatraceの同名アプリケーションパフォーマンス管理(APM)ツールを使用して、ハイブリッドクラウドインフラの監視、依存関係の検出、問題の原因特定をしている。Dynatraceの監視データは、ServiceNow 同名ITサービスマネジメントツールに供給される。その後、これらのデータがインシデントレベルに至ると、運用担当者が対処する。
ExperianでグローバルITサービスエクセレンス部門の統括責任者を務めるジョナサン・ヘイズ氏は次のように述べる。「前の環境では、実際にどこに問題があるかを見つけ出し、それから犯人を突き止めようとしていた。それが今は、犯人が分かっていて、データの意味も理解しているため、即座に対処できるようになった」
後編は、AIOpsで効率向上を目指す際に直面する課題について考察する。
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AIOpsのメリットを引き出すには
機械学習などのAI技術とビッグデータを使用して、IT運用の業務効率を高める「AIOps」。本連載は、AIOpsがどのような用途で効果を発揮するか、事例と共に紹介する。
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