AIOpsのメリットを引き出すには【前編】
人事アウトソーシング企業は「AIOps」でITリソース奪い合いをどうなくしたか
日々のIT運用を最適化する大きな可能性を秘めているという「AIOps」。人事・給与アウトソーシング企業のPaychexは、AIOpsでどのような成果を得たのか。
一見すると「AIOps」はITの流行語のように見える。だがIT運用に人工知能(AI)技術を活用する企業にとっては、AIOpsのメリットと課題は非常に現実的だ。
AIOpsとは、機械学習などのAI技術やビッグデータを使用し、インシデントに対処したり根本原因を解析したりして、IT運用の一般的な仕事の効率を上げることだ。まだAIOpsは誕生して間もない。だが企業はAIOpsに関心を向けている。
調査会社451 Researchのカール・ブルックス氏は「AIOpsは、運用の管理と導入の効率をさらに高めることができる唯一の方法だ」と語る。AIOpsのことを「DevOps(開発と運用の融合)をはじめとする自動化に大きな重点を置いたIT手法を導入した後の、理にかなった次の一手」だと感じている企業もある。
「当社にとって、AIOpsはアジャイル、DevOps、継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CD/CI)に転換する延長線のようなものだ。これら全ての要素を通じて自動化されたインフラを用意できるようになり、AIOpsが可能になる」。人事・給与のアウトソーシングサービスを手掛けるPaychexで、インフラおよびアーキテクチャ部門のシニアディレクターを務めるデビッド・ウィルソン氏はこう述べる。
AIOpsが必要十分なプロビジョニングを実現
企業はAIOps の取り組みを進めると、リソースの割り当てやキャパシティー管理の最適化を実現できる。PaychexもAIOpsによって、最適化したインフラリソースの組み合わせを、積極的かつ自動的にユーザー企業に割り当てている。同社はユーザー企業の要求に合わせて、自社のサービスを調整したいと考えていた。同社サービスのユーザー企業は、数人の従業員のために人事ソフトウェアや給与ソフトウェアを使う小規模企業から、複数拠点で活動する1000人以上の従業員を抱える企業まで幅広い。
今ではPaychex は、AIOpsを利用してインテリジェントかつリアルタイムにトラフィックのルーティングを実現できている。以前の同社はITインフラを過剰にプロビジョニング(配備)していた。同社のITインフラはオンプレミスとパブリッククラウド「Microsoft Azure」の両方にまたがっていた。その当時でさえ同社のIT部門は、ユーザー企業がリソースを奪い合うリスクを抱えていた。
Paychexは、Cisco Systems傘下のAppDynamicsが販売するアプリケーションパフォーマンス管理(APM)ツールを使用することで、ユーザー企業が実行するトランザクションの種類と規模に対する洞察を得ている。同社はこうして得たデータをカスタム構築した機械学習モデルで利用し、ユーザー企業に対して適切なCPUとメモリの組み合わせを動的に割り当てている。
「当社のインフラは一様に同じものに見えるだろう。インフラを均質的な方法で管理しているためだ。だがユーザー企業がシステムで作業をしているときは、そのユーザー企業がどこかを認識した上で処理している」(ウィルソン氏)
中編は、AIOpsが効果を発揮するもう一つの用途、解析や検出作業の自動化に焦点を当てて解説する。
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AIOpsのメリットを引き出すには
機械学習などのAI技術とビッグデータを使用して、IT運用の業務効率を高める「AIOps」。本連載は、AIOpsがどのような用途で効果を発揮するか、事例と共に紹介する。
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