世界初?
Nokiaが楽天モバイルの5Gネットワークバックボーン構築に貢献
フィンランドのNokiaは最近、2つの大プロジェクトを抱えていた。アイルランド航空局のネットワークアップグレードと楽天モバイルのバックボーンとなる光ネットワークの構築だ。
フィンランドのNokiaは2つの難局を抱えている。一つは、アイルランド航空局(IAA)が航空管制通信ネットワークをアップグレードし、レガシーサービスからの移行をサポートするようNokiaに依頼したこと。もう一つは、日本の通信事業者である楽天モバイルが4Gと5Gネットワーク向けにNokiaのフォトニックメッシュ型モバイルバックホールネットワークを導入することだ。
IAAのネットワークをアップグレード
Nokiaは西アイルランドに新設する同社の災害復旧センターにIAAの次世代航空管制ネットワークを導入することに成功したと発表した。NokiaはIP/MPLSネットワーク製品も供給する。同製品は、このレベルのミッションクリティカルなアプリケーションを明確な対象として設計されている。
北大西洋空域(その大半がIAAの管轄下)は世界有数の混雑空域の一つで、航空量の増大に伴いIAAはキャパシティーの増加を迫られている。事実、全世界の航空量は2030年までに2倍になると予測されている。最新のATC管理アプリケーションは需要に応じるスケーラビリティを備えているが、IAAはIPに基づく異なる種類のネットワーク接続を必要としていた。
新しい高帯域幅IP/MPLSネットワークはキャパシティーを増やし、需要が多い新しい航空管制アプリケーションの円滑な運用を保証する。レーダー基地間のエンドツーエンド通信など、IP以外を利用するレガシーアプリケーションもサポートする。
ネットワークデザイン、アーキテクチャ、統合、デプロイを提供する専門サービスについてもIAAとNokiaは連携する。2019年初頭、まずネットワークを導入し、重要な音声サービスとレーダーサービスが管制官に提供された。Nokiaはこれに続き長期サポートとメンテナンスサービスをIAAに提供する予定だ。
楽天モバイルの4G/5Gネットワーク構築
楽天モバイルは日本で最も新しい移動体通信事業者だ。同社は世界初(と楽天モバイルが主張する)のエンドツーエンド完全仮想化クラウドネイティブ5Gモバイルネットワークを立ち上げる。このモバイルネットワークは全国規模の光インフラに構築される。日本全国47都道府県をカバーし、バックホールとデータセンター相互接続(DCI)アプリケーションをサポートする予定だ。
長距離と都市近郊の両方の光ネットワークにNokiaの光コンポーネントと波長ルーティング技術である「Nokia 1830 Photonic Service Switch」を使用して、フォトニックメッシュを作成する予定だ。これはモバイルバックホールネットワークとしてはNokia初の種類になるという。Nokiaは楽天モバイルの仮想コアネットワークの運用を担い、総所有コストも管理する。
楽天モバイルのバックボーンネットワークは、Nokiaのスーパーコヒーレントチップセット「Photonic Service Engine 3」(PSE-3)とCバンドとLバンドの超広帯域波長ルーティングによって容量を最大化し、1bit当たりのコストを最低限に抑えるよう最適化される。
Nokiaによると、モバイルデータトラフィックの急増や革新的な新世代顧客サービスのサポートが必要になっても、今回のデプロイによって楽天モバイルは4Gサービスと5Gサービス両方の迅速な展開に向けてネットワーク帯域幅を拡張できるようになるという。
楽天モバイルでCTO(最高技術責任者)を務めるタレック・アミン氏は次のように話す。「当社は世界初のエンドツーエンド完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを構築し、前例のない機敏性と画期的な経済性をエンドユーザーに提供する。NokiaのコヒーレントチップセットPhotonic Service Engine 3と統合ROADM技術(訳注)により、4Gと5Gのモバイルネットワークを構築する上で、これまでにないレベルの統合とパフォーマンスを実現する」
訳注:Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer。高速・大容量ネットワークを効率的に運用する技術。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly日本語版
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
「身代金を支払う」以外のランサムウェア対策は本当にあるのか?
-
6
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
7
肥大化した「SFA」の沼 4カ月でBigQuery×AppSheetの新システムを構築した方法
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
ネットワールド、ICカード認証対応のシンクライアント構築アプライアンスを販売
-
10
次世代RPA「ハイパーオートメーション」が急成長か Gartnerが予測
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
4
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
10
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー