Windows Virtual Desktopに最適なシンクライアントの選び方【中編】
Windows Virtual Desktopが使えるシンクライアントの本命は? 5社の違いを比較
シンクライアントの代表的なベンダーにはDellとHP、IGEL Technology、NComputing、Stratodeskがある。これらの主要ベンダーが提供するシンクライアントの特徴を説明する。
仮想デスクトップを利用するためのクライアント端末として、必要最小限のスペックと機能を備えた「シンクライアント」を選択するユーザー企業は少なくない。シンクライアントは原則として内部にデータを残さないため通常のクライアント端末と比べて安全で、導入コストを抑えられる傾向がある。
MicrosoftのDaaS(Desktop as a Service)「Windows Virtual Desktop」(WVD)用のシンクライアントは、DellとHP、IGEL Technology、NComputing、Stratodeskが主要ベンダーとなる。前編「Windows Virtual Desktopは『シンクライアント』で使うべき納得の理由」に続く本稿は、これら5社のシンクライアントの特徴を説明する。
Dell
Dellが提供するシンクライアントは、必要最低限の機能のみを備えたモデルから機能豊富なモデルまで幅広い。通常の「Windows 10」や組み込み端末向けWindows 10「Windows 10 IoT Enterprise」搭載のクライアント端末でWVDの仮想デスクトップを利用するなら、同社のシンクライアントの中でもデスクトップ型の「Wyse 5070」シリーズが最善の選択になる可能性がある。モニター一体型シンクライアント「Wyse 5470 All-in-One」を選ぶこともできる。
HP
HPのシンクライアントは、ローカルのOSやストレージを備えないクライアント端末である「ゼロクライアント」に加えて、ノート型やデスクトップ型などのシンクライアントから幅広く選べる。HPのゼロクライアント「HP t310 Zero Client」にはローカルOSは付属しないが、ノート型とデスクトップ型シンクライアントにはWindows 10 IoT Enterpriseのライセンスが付属する。ノート型シンクライアントには「HP mt46 Mobile Thin Client」「HP mt45 Mobile Thin Client」「HP mt22 Mobile Thin Client」「HP mt21 Mobile Thin Client」などがあり、デスクトップ型シンクライアントには「HP t740 Thin Client」「HP t430 Thin Client」などがある。
IGEL
IGELはシンクライアント事業においてハードウェアよりもソフトウェアに重点を置いており、必ずしも企業にハードウェアの購入を求めない。同社が提供する主要なソフトウェアは、「Linux」ベースのシンクライアント用OS「IGEL OS」だ。IT管理者はシステム管理ツールや同社の「UD Pocket」を使用して、IGEL OSを一元的に導入できる。UD Pocketは既存のクライアント端末に差し込むUSB端末だ。
エンドユーザーはUD Pocketを使うことで、手元のクライアント端末で既存のOSとIGEL OSを使い分けることができるようになる。例えば会社のオフィスから仮想デスクトップを利用するテレワークへと移行した従業員は、UD PocketをPCに差し込むだけで仕事を始めることができる。
IGELは一般的なシンクライアントも提供している。エントリー機種の「IGEL UD2」やハイエンド機種の「IGEL UD7」などをそろえる。
NComputing
複数のシンクライアントを提供し、その中から選べるようにしているのがNComputingだ。同社のシンクライアントは、WVDやCitrix SystemsのVDI(仮想デスクトップインフラ)製品の「Citrix Virtual Apps and Desktops」など、特定の仮想デスクトップ製品/サービスが利用できるように構築されている。
NComputingのシンクライアント「RX420(RDP)」「RX-RDP+」はWVDの仮想デスクトップが動作する。ただし「RX-RDP」はWVDの動作を保証しない。「RX」シリーズのシンクライアントはRaspberry Pi Foundationのコンピュータ「Raspberry Pi」がベースとなっており、RX420とRX-RDP+は5GHz帯の無線LAN通信が利用できる。
Stratodesk
StratodeskはIGELと同様、各種クライアント端末をシンクライアント化するOS「NoTouch OS」を用意する。NoTouch OSは通常のクライアント端末や他ベンダーのシンクライアントで動作し、WVDに加えてCitrixやVMwareのVDI製品で稼働する仮想デスクトップを利用できる。
後編は、豊富なシンクライアントの中から自社に最適な機種を選ぶ方法を説明する。
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