Webブラウザのイノベーションが加速か
「Edge」レガシー版終了へ Chromium版への移行で起こる“破壊的な変化”とは?
Microsoftはレガシー版の「Microsoft Edge」を一掃し、「Chromium」ベースの新しいEdgeにリプレースする計画だ。これはレガシー版EdgeユーザーやWebブラウザ市場にどのような変化をもたらすのか。
Microsoftは間もなく「Windows 10」からWebブラウザ「Microsoft Edge」のレガシー版を締め出し、Googleが開発を支援するオープンソースWebブラウザ「Chromium」をベースにしたバージョンのEdgeにリプレースする。同社によると、2021年4月13日に提供が始まるWindows 10の月例セキュリティ更新プログラムは、同社独自のレンダリングエンジン「EdgeHTML」をベースにしたレガシー版Edgeをアンインストールし、Chromiumベースの新しいEdgeに置き換える。
併せて読みたいお薦め記事
「Microsoft Edge」についてもっと詳しく
「Internet Explorer」も終了へ
この変更において、例えばタスクバーにピン留めしたレガシー版Edgeは、新Edgeに切り替わる。レガシー版Edgeで設定したお気に入りとパスワードも、新Edgeに引き継がれる。この月例更新プログラムは、最新バージョンのEdgeがインストール済みのWindows 10では、レガシー版Edgeの削除のみを実行する。
気になる“破壊的な変化”とは
レガシー版Edgeをキオスクモードで使っている組織は、2021年4月の月例セキュリティ更新プログラムを適用する前に新Edgeをインストールし、キオスクモードをセットアップしておく必要があるとMicrosoftは説明している。キオスクモードは、図書館やホテルのような公共の場所における不特定多数の利用を想定し、使える機能を制限したコンピュータをセットアップすることを目的としている。
Microsoftは2020年1月にChromiumベースの新Edgeを提供開始し、従来の標準Webブラウザ「Internet Explorer 11」(IE 11)やレガシー版Edgeを使用する企業に、新Edgeへの移行を呼び掛けてきた。2021年3月には、レガシー版Edgeの最後のセキュリティ更新プログラムを提供する。サブスクリプション形式の製品/サービス群「Microsoft 365」に含まれるユニファイドコミュニケーション(UC)ツール「Microsoft Teams」について、IE 11での動作保証を既に終了しており、他のMicrosoft 365ツールも2021年8月17日をもって、IE 11での動作保証を終了する計画だ。
月例更新プログラムによるレガシー版Edgeから新Edgeへのリプレースは、レガシー版Edgeを使っている組織にとっては、破壊的な変化となる可能性がある。だがMicrosoftにとっては「このリプレースによってWebブラウザの改良に集中できるようになる」と、調査会社Constellation Researchのアナリスト、ホルガー・ミュラー氏は語る。「長期的に見るとMicrosoftは浮いたリソースを活用して、Webブラウザのイノベーションを実現していくだろう」(ミュラー氏)
新Edgeは利用を広げてはいるが、その規模は主流のWebブラウザに遠く及ばない。インターネットの利用動向分析を手掛けるStatCounterによると、2021年1月の世界Webブラウザ市場で新Edgeのシェア(インターネットを流れるデータ量ベース)は3.23%、IEとレガシー版Edgeはそれぞれ0.81%、0.32%にとどまる。これに対して新Edgeと同じくChromiumベースのGoogle「Chrome」が63.54%、Appleの「Safari」が19.45%と大きな勢力を誇っている。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ファインディ株式会社] AI利用率だけでは説明できない成果 開発組織の競争力を生む「開発資本」とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] AI活用を成功へ導く、シンプルで費用対効果に優れたクラウド基盤とは? -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] マネージドKubernetesには限界も――メリットをフル活用する新たな選択肢とは? -
技術文書・技術解説
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 決断の日が迫る「vSphere 8」サポート終了問題 考慮すべきリスクと選択肢は? -
製品資料
[サイバーソリューションズ株式会社] メール誤送信対策のルールが肥大化 苦しむ情シスはどうすれば救われるのか?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
2
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
3
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
4
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
5
「恥を知るべきだ」 AIデータセンター反対運動を招いた事業者の秘密主義
-
6
Copilot導入で陥る“目的化”の落とし穴 定着の鍵は「作り込まない」こと
-
7
kintoneで実践 製造業のための「見積もり管理」改善のヒント
-
8
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
9
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
10
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
4
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
7
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
10
マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー