新しい働き方の概念【前編】
もうやめられない“テレワークの真実”「静かな休暇」とは?
ある調査によると、8人に1人が「静かな休暇」を取得する計画だ。静かな休暇とは、休暇を取得することではない。着実に広がりつつある、静かな休暇とは何か。
「静かな休暇」(クワイエットバケーショニング)――。これは休暇を取得することではない。テレワークやハイブリッドワーク(テレワークとオフィスワークの組み合わせ)が定着する中で広がりつつある、“テレワークの亜流”とも言える概念だ。後述する調査では、8人に1人が静かな休暇を計画している。静かな休暇とはどのようなものなのか。
もうやめられない? テレワークの真実「静かな休暇」とは
静かな休暇とは、従業員が直属の上司を含む誰にも知らせずに休暇を過ごすことだ。どこからでも仕事ができる時代では、休暇を取りながら必要な仕事を全てこなすことは難しいことではない。
休暇を過ごしながら仕事をこなす概念はあった。静かな休暇は、例えば以下の概念に似ている。
- ワーケーション(ワークとバケーションを組み合わせた造語)
- 自宅や勤務先以外の場所に滞在しながら業務を実施すること
- ハッシュトリップ
- 勤務先で休暇申請を取らず、旅先で業務を実施すること
- ブレジャートラベル(ビジネスとレジャーを組み合わせた造語)
- 出張先で滞在期間を延長してレジャーを楽しむこと
履歴書作成ツールを提供するWebサイト「ResumeBuilder.com」を運営するBOLDが2024年6月に公開した調査結果によると、回答者の8人に1人が「2024年夏に静かな休暇を計画している」と答えた。同調査は2024年5月、ResumeBuilder.comの委託で調査会社Pollfishがオンラインで調査を実施し1050人が回答した。
調査会社The Harris Pollが2024年6月に公開した調査レポートでは、米国の独立記念日に当たる7月4日の週には、調査回答者の約半数が静かな休暇を過ごしたことがあると回答した。同調査は2024年5月31日~6月2日、米国で働く労働者1274人を含む18歳以上の成人2117人が回答した結果に基づく。
静かな休暇を過ごす従業員は有給休暇を申請しない。上司は、従業員が通常通り業務を遂行していると思っている。静かな休暇を過ごす従業員は、“働いている感”を醸し出すための工夫をしている。例えば以下の行動だ。
- Web会議のバーチャル背景を変える
- 時折キーボードを操作して、働いているように見せかける
- 同僚に協力を求め、通常業務を代行してもらう
静かな休暇は、業務を実施しているよりは休暇を取っている状態に重きを置いている。静かな休暇中の従業員にとって業務を終わらせたり生産性を維持させたりすることはそれほど重要ではなく、最低限の業務をこなして体裁を保つ。
中編は、従業員が静かな休暇をあえて選択する背景や、静かな休暇を取る傾向にある従業員の世代について紹介する。
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