AIOpsツールは、次の3つのメリットを企業にもたらす。
1.日常業務を自動化する
IT担当者の日常業務には、エンドユーザーの需要に応じたシステムのリソース確保や、重要性の低いシステムのアラートへの対処などがある。IT担当者はAIOpsツールを使うと、例えばシステムへのアクセス量が増大した際のリソース拡張を自動化できる。
2.深刻な問題を人間よりも迅速かつ正確に認識する
マルウェア攻撃やシステムの怪しい挙動に、IT担当者が気付かないことがある。重要なシステムの挙動が通常の動作から外れる場合、AIOpsツールはサイバー攻撃やマルウェア感染の可能性があると捉え、優先的に問題の解決に当たる。
3.データセンターのグループ間やチーム間のやりとりの効率を上げる
AIOpsツールは各システムから取得したデータを監視、分析し、IT部門の各チームに適切な情報を表示する。それぞれのチームは情報の共有や解析のために会議を実施したり、関連データを手作業で送信したりする手間を減らすことができる。
主なAIOps製品
AIOpsツールには、以下のような製品が挙げられる。
- Splunkの「Splunk IT Service Intelligence」(ITSI)
- BMC Softwareの「TrueSight」
- Cisco Systemsの「Cisco Crosswork Situation Manager」
- Moogsoftの同名ツール
- HCL Technologiesの「DRYiCE」
既存のインフラ監視ツールにAIOpsの機能が含まれている場合もある。New Relicの「Applied Intelligence」(NRAI)は同社のインフラ監視ツール「Digital Intelligence Platform」で利用できるAIOps機能で、発生したアラートの対処を自動化する。