AI(人工知能)技術を使ってテキストや画像などを自動生成する生成AIツールが急速に普及するのと同時に、企業が人よりもAI技術を信頼するようになるのではないかという見方が浮上している。運用における人の介入を排除する「NoOps」の概念を打ち出したAIOps(AI技術を使ったシステム運用)ベンダーは、以前から同様の疑問を投げ掛けてきた。
だが現状、人よりもAI技術に信頼を置く企業はほとんどない。調査会社Constellation Researchでアナリストを務めるアンディ・トゥライ氏は、人とAI技術の力関係が入れ変わることはないとの見方を示す。ただしトゥライ氏の見解を、「AI技術が人に何の影響も及ぼさない」という意味で捉えてはいけない。
「生成AIは技術文書の生成や理解といった分野で、加速装置的な存在になるはずだ」とトゥライ氏は話す。例えば、AIベンダーAI21 Labsは、リライト(テキストの書き換え)ツール「Wordtune」や文章要約ツール「Wordtune Read」を提供する。こうしたツールを使うことで、人の作業は効率的になる。
AI専門家エリック・ブリニョルフソン氏は、米国のテレビ番組「Last Week Tonight with John Oliver」に出演した際に、ある発言をした。トゥライ氏によれば、それは次のような内容だった。「将来的に、AI技術が弁護士に取って代わる事態は起きない。AI技術を活用する弁護士が、AI技術を活用しない弁護士に取って代わるだけだ」。ブリニョルフソン氏は、スタンフォード大学(Stanford University)の研究所Stanford Digital Economy Labでディレクターを務める人物だ。
他にもトゥライ氏は、開発者やエンジニアをプロスポーツ選手に例えて次のように話す。「プロスポーツ選手が筋肉増強剤を使用するのと同じく、開発者やエンジニアはAI技術を活用することで、明確なアドバンテージを得ることができる」(トゥライ氏)
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