仮想化管理ツールのトップ10(後編)
仮想化の高度な管理で役に立つ、無料/有料ツール5選
携帯電話によるWebインタフェースを使った、物理/仮想サーバを監視、管理できるツールや、ローカルストレージを共有ストレージに転用し、iSCSIでアクセスすることができるツールなどを紹介する。
前回の記事「標準ツールを超える、仮想化の運用管理ツール5選」に続いて仮想化管理ツールのトップ10(順不同)を紹介する。以下の5つは、いずれも前回の5つと同様に必携のツールだ。
6.VMware vCenter Converter(無料)、NovellのPlateSpin Migrate(有料)
米VMwareが無料で提供しているVMware vCenter Converterは、VMware環境用の基本的な仮想化管理アプリケーションだ。管理者はこのアプリケーションにより、物理マシンから仮想マシン(VM)への変換や、VMからVMへの変換を行える。有料の変換アプリケーションの一部ほど堅固ではないが、VMware vCenter Converterは適切な変換処理が可能であり、使いやすい。
米NovellのPlateSpin Migrateは、物理サーバから任意のハイパーバイザーのVMフォーマット(Citrix XenServer、VMware ESX/ESXi、Virtual Ironなど、各種のイメージフォーマット)へ変換(P2V)を行う有料アプリケーションだ。だが、P2V変換だけでなく、VMからVMへの変換(V2V)、VMから物理マシンへの変換(V2P)もサポートしている。Norton Ghost、LiveState、CommVaultといった各種イメージフォーマットへの変換や、これらのフォーマットからの変換も行う。
仮想環境でアプリケーションに問題が発生した場合に、物理環境で問題を再現することをアプリケーションベンダーから要求されるのであれば、V2P変換が行えることが重要になる。PlateSpin Migrateは、変換のスケジューリングや自動化、レプリケーション、カットオーバー前のサーバ同期など、多くの高度な機能も備えている。
7.オープンソースのOpenFiler(無料)、StarWind SoftwareのiSCSI SANソフトウェア(有料)
管理者がVMwareのVMware vMotionやVMware HAのような高度な機能を利用したい場合、仮想環境に共有ストレージを用意しなければならない。だが、共有ストレージはコストが高くつくことがあり、誰もが用意できるとは限らない。しかし、仮想SAN(Storage Area Network)ソフトウェアにより、ローカルストレージデバイスを、仮想ホストとともに共有iSCSIストレージや共有NFS(Network File System)ストレージとして使える。
OpenFilerは優れたオープンソースアプリケーションだ。物理サーバにインストールするか、VMとしてインストールすることで、ホストのあまり使われていないローカルディスクを共有ストレージに転用し、NFSやiSCSIでアクセスできる。
StarWindの有料iSCSI SANソフトウェアでも、ローカルストレージを共有ストレージに転用し、iSCSIでアクセスすることが可能だ。StarWindのこの仮想化管理ツールは、高度な機能も豊富に備えている。例えば、シンプロビジョニング、レプリケーション、高可用性、ミラーリングなどだ。Citrix XenServer、Hyper-V、VMware ESX/ESXiをサポートするStarWindの仮想化管理ツールにより、管理者は仮想SANを手ごろなコストで構築できる。安価に手に入るローカルストレージをSANストレージとして使えるからだ。
8.VMware vCenter Mobile Access(無料)
VMware管理者はVMware vCenter Mobile Access(vCMA)により、携帯電話の画面に最適化されたWebインタフェースを使って、ホストとVMを監視、管理できる。ホストとVMの情報、アラーム、イベントの表示や、インベントリ検索、VMware vMotionの開始、VMの電源状態の変更、スナップショットの管理を行える。
呼び出し待機中の管理者や、仮想インフラから離れた場所にいる管理者にとって、vCMAは、ノートPCを持ち歩かなくても問題を処理したり、仮想環境をチェックしたりできる便利なアプリケーションだ。構築済みの仮想アプライアンスとして展開でき、管理者はこれを使って、携帯電話で仮想環境を管理できる。
9.Veeam Backup and Replication(有料)
米Veeam SoftwareのVeeam Backup and Replicationは、VMware vStorage APIを利用したVMware vSphereのさまざまな新機能にいち早く対応し、VMのバックアップ効率を向上させた。どのような環境でも、バックアップは仮想化の管理をする上で不可欠であり、仮想化向けに設計、最適化された優れたバックアップアプリケーションを使うことが重要だ。
必要に応じてデータをリストアできることも同じように重要だ。Veeam Softwareが最近発表したSureBackup機能により、ユーザーは本番環境に影響を与えることなく、VMのリストアを簡単に試せる。
10.ハーコ・バン・ブルーグ氏のESX Deployment Appliance(無料)
VMware ESXに対応するESX Deployment Appliance(EDA)は、大規模環境に必須の仮想化管理ツールだ。このツールにより、新しいVMware ESXホストを、あらかじめ定義した構成で簡単に展開できるからだ。このツールは、PXE(Preboot eXecution Environment)によるネットワークブートに対応しており、このツールで提供されるWebインタフェースを使えば、多数のVMware ESXホストを数分で構成、展開できる。
また、EDAには、VMware ESXホストの構成後の作業を自動化するためのスクリプトビルダが用意されている。EDAを利用することで、VMware ESXホストの構築にかかる時間が大幅に短縮され、全てのホストが標準の構成で展開される。
仮想ツール vs. 物理ツール
仮想環境向けに設計されたツールが数多く出回っている。だが、こうしたツールには1つ難点がある。これらは仮想環境では大抵非常に役立つが、その多くは物理環境を管理できないことだ。逆に、物理サーバ向けに設計されたツールは、仮想マシン(VM)を効果的に管理できないことが多い。仮想化レイヤーを認識しないからだ。
このため、管理者が環境全体を適切に管理するには、仮想環境用と物理環境用の2セットのアプリケーションが必要になる。このところ仮想化が急速に普及していることから、アプリケーションを仮想環境に対応させるベンダーが多くなっている。
仮想環境と物理環境の両方を管理できるアプリケーションもある。例えば、MicrosoftのSystem Centerがそうだ。SymantecのNetBackupも、仮想化レイヤーでのVMのバックアップをサポートするように進化している。しかし、仮想化を導入する企業が増える中(全面的な仮想化を目指す企業もある)、物理サーバを管理できるツールの必要性は低下し、VMに対応するツールがますます必要とされるだろう。
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