サポート地獄に落ちないために
デスクトップアプリケーションの社内展開の準備
新しいアプリケーションを問題なく展開するための効果的な手順を紹介する。
インストールまでの11の手順
新しいデスクトップアプリケーションを企業内で展開するのは、DVDを挿入し、セットアップを実行するだけでは済まない複雑な作業だ。通常、その展開の成否が多くのことを左右することになるので、新しいアプリケーションを既存のハードウェアおよびソフトウェアと共存させるためには周到な準備をしなければならない。
悪夢のような状況が発生してサポートに追われることがないように、次の手順を踏んで新しいアプリケーションをインストールするとよい。
(1)製品を比較検討する
ほとんどのアプリケーションでは、同じタスクを実行できる製品が幾つかある。このため、欲しい製品が比較的はっきりしていても、製品の比較検討を十分に行うようにする。より安い製品や、自社のニーズをより満たす機能セットを備えた製品、ユーザーインタフェースがより使いやすい製品が見つかるかもしれない。
(2)ハードウェアとソフトウェアの要件を確認する
製品を選択したら、そのハードウェア要件とソフトウェア要件に関するベンダーの説明を調べる必要がある。これらの要件と自社のITインベントリを比較し、新しいアプリケーションが自社のデスクトップで使用できるかどうか確認する。一部のソフトウェアベンダーの説明は、ハードウェア要件が分かりにくいことで知られており、注意が必要だ。
(3)互換性や安定性の問題をチェックする
次のステップは、インターネットを検索し、そのアプリケーションで既存ユーザーがどのような問題を経験しているかを調べることだ。ただし、既存ユーザーから不満が出ているのが分かっても、だからといってそのアプリケーションの出来が悪いとは限らない。あらゆる人を完全に満足させるアプリケーションなど、わたしは見たことがない。
とはいえ、注意すべき危険な兆候もある。選択した製品について、修正されていない深刻なバグが広く報告されていたら、ほかの製品を考えるべきだろう。同様に、選択した製品を好意的に評価している人がほとんどいない場合も、競合製品を採用する方が得策だろう。
大抵の製品の場合、幾つかの問題が報告されているだろうが、重大な欠陥はないと見てよいだろう。報告されている問題は、テストフェーズで調べられるように整理しておく。
(4)試用版を入手する
新しいアプリケーションのライセンスをすぐに購入するのではなく、まず無料の試用版をダウンロードする。購入前にパイロット展開を行い、テストするためだ。ほとんどのソフトウェアベンダーは製品の試用版をWebサイトで提供している。無料試用版が公開されていなくても、電話でベンダーと交渉して入手できるかもしれない。ライセンスの大量購入を検討していると思わせることができれば、入手しやすいはずだ。ベンダーが無料試用版の提供に応じない場合は、何かを隠しているのかもしれないので、競合製品を検討した方がよさそうだ。
(5)パイロット展開のためにユーザーを選ぶ
パイロットプロジェクトのためにユーザーを選ぶのは、ある種芸術的な作業だ。スキルレベルがさまざまで、使っているデスクトップハードウェアもさまざまなユーザーの代表的なサンプルを選ばなければならないからだ。そうしたサンプルを選んでパイロット展開を行うことで、ユーザーが新しいアプリケーションにどのくらいなじめるか、新しいアプリケーションが既存ハードウェア上でどのようなパフォーマンスを発揮するかを的確に予想できる。ただし、パイロット展開のために基幹的な業務の担当者を選んではならない。破壊的な影響を及ぼしかねない互換性問題が、新しいアプリケーションでいつ何時発生するか分からないからだ。
(6)選ばれたデスクトップにアプリケーションを展開する
パイロット展開は多くの場合、小規模に行われるが、アプリケーションを手動でインストールするのではなく、デスクトップ管理ソフトウェアを使って展開する。最終的にアプリケーションの購入を決めたら、大規模に展開することになる。このため、アプリケーションに自動展開ツールを適用したときに問題がないかを確認しておくことが重要だ。
(7)テスト結果を評価する
パイロット展開を行ってアプリケーションをテストしたら、その結果を評価する。アプリケーションがどれだけニーズに合っていたかをエンドユーザーに聞き取り調査する。また、アプリケーションで経験した問題も尋ねる。
(8)アプリケーションを購入するかどうかを決める
ユーザーのフィードバックを検討し、アプリケーションを購入するかどうかを決める。購入しない場合は、試用版をアンインストールし、その痕跡をすべて削除する。購入を決めた場合は、試用版をアンインストールしなければならないか、あるいは正式版を試用版に上書きインストールできるかを、ベンダーに問い合わせる必要がある。
(9)サポートスタッフの研修を行う
次に、ヘルプデスクスタッフを対象に新しいアプリケーションの研修を行う。この研修の範囲は、アプリケーションの複雑さに左右される。研修形態は、15分間の説明から1週間にわたるオフサイト講習までさまざまなものがあり得る。フォーマルな研修が必要と考える場合は、アプリケーションの予算に研修コストを含める。
(10)必要なライセンスを購入する
アプリケーションのライセンスを購入したら、ライセンスメータリングソフトウェアを必ず更新し、使っているライセンス数を追跡できるようにする。
(11)アプリケーションを展開する
以上で、新しいアプリケーションをインストールする準備ができた。アプリケーションを展開してからは、一筋縄ではいかない問題に備え、パワーユーザーをランダムに選んで利用状況をチェックしていくとよいだろう。
新しいアプリケーションを導入する場合、その成否が多くのことを左右する。このため、適切な計画立案とテストを行うことが重要になる。以上の手順を踏むことで、良いスタートが切れるだろう。
本稿筆者のブライエン・M・ポージー氏はMCSE(マイクロソフト認定システムエンジニア)の資格を持ち、Windows Server、IIS、Exchange Serverに関する仕事でMicrosoft Most Valuable Professionalの認定を4回受けた。全米規模の病院/医療施設チェーンでCIOを務めた経験を持つほか、フォートノックス(ケンタッキー州にある米軍施設)でネットワーク管理者を務めたこともある。
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