「一発完治」を支援する新eラーニング
「トヨタマン」はどういうシステムで学んでいるのか?
欧州のToyota Motor Europeでは、eラーニングシステムを導入し、技術者や整備士の技術教育と認定プログラムを管理している。同社の「一発完治」を支える重要なトレーニングプログラムである。
トヨタ自動車の欧州事業拠点であるToyota Motor Europeでは、eラーニングシステムを導入し、同社ディーラー網における1万8000人以上の技術者や整備士の技術教育と認定プログラムを管理している。
同社では、技術者のスキルと認定プログラムを最新に保つためのプロジェクトを進めており、今回のシステム更改はその一環である。従来、多くの時間を要し、販売店各社に負担を強いていた認定プログラムの更新作業が必要なくなる。
同社の既存教育プログラムをより小さく分割することで、技術者の教育期間短縮につながる、とToyota Motor Europeで技術教育担当マネジャーを務めるジュースト・セヘルス氏は語る。
「販売店にとって、より一層管理しやすくなっている」と同氏はComputer Weeklyのインタビューで述べた。「技術者が研修を受けていると、販売店は利益を上げられないし、教育費用も掛かる」
50カ国以上の地域でeラーニング環境を提供
同社では2005年以来、「Toyota Connect」と呼ばれる学習管理システム(Learning Management System:LMS)を導入し、整備技術者および販売スタッフに、eラーニングツールを提供してきた。2013年8月には米Inforの協力を得てシステムを刷新した。
最新のシステムでは、トヨタ販売店の技術者およびその他のスタッフは、スキルを継続的に最新の状態に保つことが可能になり、認定の期限切れによる再認定を受ける必要がなくなる。
「(従来のシステムは)若干、非論理的な部分があった。つまり、人というのはあらゆることを忘れ、退歩するため、再認定する必要があると想定していたのだ」とセヘルス氏は話す。
このシステムは現在、30社の販売代理店と50カ国以上に及ぶ数百店の販売店に学習教材を提供している。150件の学習コース、3000画面相当の情報をトヨタの認定技術スタッフ向けに用意している。なお、同システムはクラウドではなく、トヨタの自社サーバで運用されている。
また、東西欧州およびアジアの一部地域におけるトヨタの販売代理店および販売店で働く非技術スタッフ、2万人以上に向けてもトレーニングコースを提供している。
「一発完治」を支える重要なプロジェクト
トヨタでは現在、8カ国でこの継続的なトレーニングプログラムを展開している。2014年3月までに、約56カ国に配備し、このプロジェクトを完了する計画だ。
「Team 21」と呼ばれる同社の技術トレーニングプログラムは、「初回修理での完治(一発完治)」というトヨタの車両修理戦略を支える重要な役割を担っている、とセヘルス氏は述べる。
「弊社では、技術者らが理解し、取り扱うべき技術が絶え間なく増え続けている。技術者が十分に教育され、業務に必要な情報を全て網羅して初めて、『一発完治』が実現する」(同氏)
Toyota Motor Europeでは現在、学習教材のさらなるモジュラー化を進めている。加えて、同社の販売代理店および販売店が使用する17種類の言語に教材を翻訳する作業も進めている。
セヘルス氏によると、販売店と販売代理店は、コース教材の追加や内容の変更、独自画像/アニメーションの追加など、必要に応じて学習教材を改変できるという。
技術者の認定資格を標準化
この学習管理システムにより、トヨタでは欧州における技術者の認定資格を標準化することができた。システム導入以前は販売代理店が独自の教育教材を作成しており、その多くが重複していた、とセヘルス氏は述べる。
「弊社の学習教材を集中管理するシステムを開発することで、より一層の合理化を進めることができた」(セヘルス氏)
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