プライバシーポリシー作成の3大ポイントも解説
今更聞けない、「セキュリティ」と「プライバシー」は何が違うのか
セキュリティ問題がプライバシーの侵害につながることもあるものの、セキュリティとプライバシーは厳密には別物だ。両者の違いをあらためて整理する。
「プライバシー」「セキュリティ」は互いに同等な用語であり、セキュリティの課題はプライバシーにも同じような影響を及ぼすと、多くの人は考えるかもしれない。だが厳密には、それは真実ではない。
セキュリティは、モバイルだけでなくIT全体にとっても、真に解決不可能な問題のように思える。セキュリティ問題の完全解決は、ITの中で誰も成し遂げたことのない分野だ。新たな脅威が絶えず浮上し、また今日のITシステムは根本的に複雑であることから、センシティブなデータの流出につながりかねない潜在的な脆弱性が増えている。
プライバシーとセキュリティの交差点
データ暗号化、認証、権限付与、モバイルコンテンツ管理(MCM)に加えて、問題が大きくなる前に発見できる分析ツールなど、セキュリティ問題に対応するための効果的な技術はある。それでも組織がセキュリティの分野で成功するためには、絶え間ない警戒という代償を払わなければならない。
プライバシー全般はセキュリティから分岐したものだと見なすこともできるが、実際の対策は大きく異なる。セキュリティ対策の主眼は、情報とIT資産を守ることにある。一方のプライバシーはそれよりも、その組織に何らかの形で関わる従業員や顧客、パートナーといった個人の権利、そしてその個人が持つ情報に関係する。
米Sony Pictures Entertainmentのデータ侵害問題など、最近になって相次いで報じられた情報流出や個人情報の盗難で浮き彫りになったように、セキュリティは根本的に、そして恐らく必然的に、プライバシーの領域と重なる。過去の例を見ても、IT資産のセキュリティと完全性を確立し、維持することの困難さのために、結果としてプライバシーが傷つけられてきた。個人を守るための対策の強化を求める声は今後も強まると予想され、いずれ法制化など法的な対応につながるのは必至だ。
プライバシーポリシーのポイント
従って、組織内で既存のセキュリティ文化を補う者としては、プライバシー文化を醸成しておくことが望ましい。その手始めとなるプライバシーポリシーの明文化は、以下のポイントが基本となる。
ポイント1:どうしても必要な情報のみを収集
収集した情報は、他の重要資産と同様に保護する。いいかげんな態度や問題を深刻なものだと受け止めない意識は改め、役に立たないソリューションは洗い出し、禁止しなければならない。
ポイント2:プライバシーポリシーの公表とエンドユーザーの同意
最近のプライバシーポリシーは長過ぎるものが多く、複雑で独断的なものもある。そうしたポリシーはエンドユーザーに誤解されたり、反発されたり、無視されたりする公算が非常に大きい。シンプルかつ、IT部門とエンドユーザー双方のことを考えたものにすることが不可欠だ。
ポイント3:法務との連携
米憲法修正第4条(不当な捜索や押収の禁止)はプライバシー権を保証していない。憲法は国民と政府の関係を規定するものであって、個人と企業の関係を規定するものではない。この関係に対処すべく既に制定された法律もあれば、明らかに制定が必要な法律もあり、範囲が広がるのは確実だ。どんなケースについても米連邦法と州法、さらには国際法も考慮する必要がある。
全てのIT部門はプライバシーチェックリストを用意し、プライバシーポリシーが徹底されていること、組織に対する法的(および財務的)影響が最低限に抑えられていることを保証する必要がある。プライバシーという分野が総合的に発展し続けることも忘れてはならない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] 複雑化しがちな「SASE運用」 IT・医療・金融などの事例に見る導入成功の秘訣 -
製品資料
[フォーティネットジャパン合同会社] 「SD-WAN」導入で失敗しないための5つの重要事項 -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] VPNの代替候補「ZTNA」を理解できるようになる“3大要素”とは? -
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] すぐ分かる「SD-WAN」選定のポイント 成功企業はどんな成果を出した? -
製品資料
[SCSK株式会社] 「Dropbox」管理・運用の困りごと解決ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
みずほ証券が「液冷サーバ」を採用 1日3.6億件の計算を支えるための要件
-
4
Microsoft月例パッチ1400件超で過去最多 「限界点」を迎えたパッチ管理
-
5
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
6
いまIBM iエンジニアが直面する「5つの技術的課題」とその解決策
-
7
Microsoft 365の「テナント統合・分離」問題 手戻りのない道を選ぶ秘訣とは?
-
8
「身代金を支払う」以外のランサムウェア対策は本当にあるのか?
-
9
SAP導入後も残る“Excel依存” 京急電鉄は「kintone」でどう解消した?
-
10
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー