モバイルアプリ開発とデスクトップアプリ開発は違う
「失敗ばかりで気がめいる……」 業務のモバイル化で失敗しないための4箇条
業務のモバイル化は、正しいアプローチによる開発で成功に導くことができる。成功するための4つのポイントを紹介する。
ビジネス機能のモバイル化プロジェクトの失敗ほど気がめいることはない。企業はモバイル化に費やした時間とリソースの見返りを期待するが、物事はそう簡単に行かない。
正しいアプローチを取るためには、何をやってはいけないかを知る必要がある。例えばモバイルアプリケーション開発の複雑さを甘く見たり、分析の機会を無視したり、過去の開発から学ぶことができなかったりしてはいけない。モバイル戦略を失敗させないために避けるべき4つの過ちを以下に挙げる。
1:モバイルアプリケーションとデスクトップアプリケーション開発の混同
多くの企業はアプリケーション開発を甘く見ていて、Web開発者の知識やツールや経験をモバイルアプリケーション開発に適用できると考えている。過去のWeb開発やデスクトップアプリケーション開発の経験は、確かに助けにはなるかもしれない。だが、モバイルアプリケーションはまったく別の生き物と考えていい。モバイルアプリケーション開発には
- モバイルアプリケーション開発スキル
- ベストプラクティスに導く力
- ユーザーの期待に対する理解
- アプリケーション開発ツールセットに対する知識
- セキュリティとコンプライアンスに関する知識
が必要となる。
そうした中、特にユーザーの期待について理解するために時間をかける必要がある。コンシューマー向けのモバイルアプリケーションはユーザーエクスペリアンスの水準が高く、ユーザーはエンタープライズモバイルアプリケーションに対しても同じような使いやすさを期待する。
モバイルアプリケーションとWebアプリケーションの開発は本質的に異なる。それでもIT部門は手持ちのツールの活用を試みる必要がある。例えば、もし社内にWebアプリケーション開発の経験が豊富な開発者がいる場合、その人が持つ技術を使ったツールでのモバイルアプリケーション構築、すなわちモバイルWebアプリケーションやハイブリッドアプリケーション(※)の開発に力を入れるといい。
※モバイルWebアプリケーションとネイティブアプリケーションの両方の要素を持っているアプリケーション
2:間違った指標の利用
どんなモバイルプロジェクトでも、企業は成功をどう定義するかを決定しなければならない。アプリケーションの利用状況を測定する手段の導入も、IT部門がやるべき仕事に含まれる。
アプリケーションを評価し、ユーザーのニーズを知り、ライフサイクルを通じた継続的な改良を促すためにIT部門が利用すべき分析技術は3種類ある。
モバイル端末とOSの情報
IT部門は従業員がどんな種類の端末を職場に持ち込んでいるのか、どのOSを使っているのか、さらにはOSのバージョンを使っているのかを知ることが大切だ。これはIT部門がどのOSに重点を置くべきかを知り、モバイルアプリケーション開発と管理のどこに力を入れるべきかを判断する助けになる。
インストールとアプリケーションの利用
IT部門はアプリケーションをダウンロードしてインストールした人数を把握する必要がある。さらに重要なことに、そのユーザーのうち何人が実際にアプリケーションを使ったかを把握しなければならない。同様に、そのアプリケーションをアンインストールした人数を知ることも重要だ。この情報からIT部門は、従業員がどんな種類のアプリケーションを好み、それをどう利用しているかを判断できる。もし特定のアプリケーションがアンインストールされる頻度が高ければ、IT部門が見直しを行い、どのようなアプリケーションがユーザーに好まれそうかを把握できる。
アプリケーションの機能評価
アプリケーションの機能評価は、ユーザーが実際にアプリケーションとどのようにかかわっているかを知る手掛かりになる。ここではどんな機能が生産性を高めているか、どれが改善を必要としているかを判断できる。
3:モバイルの課題の過小評価
多くの企業は、社内人材のスキルと情熱でモバイルプロジェクトを成功させることができる、あるいはモバイルとデスクトップ環境の間にそれほど大きな違いはないと考える。だがIT部門は、自信過剰になってはいけない。プロジェクトに取り掛かる前に、モバイルにおける自分たちの専門スキルの程度について、率直な自己評価を行う必要がある。
自分たちの欠点を認めるのは不本意かもしれないが、真の問題は限界を完全に無視することだ。リソースとスキルレベルを確認すれば、これからどんなツールが必要なのか、弱点分野を補うために社外のデベロッパーを探す必要があるのかどうかを見極められる。
経験が不十分なために、モバイル化のビジネスプロセスで何が課題になるかを予測できず、トラブルに見舞われる企業もある。そのような企業は、モバイル化の現実にどう対処すべきか分かっているコンサルティング企業やサービス事業者と良好な関係を確立することで恩恵を受けられる。そうした事業者には経験があり、現実的な目標の維持を支援できる。
4:過去の過ちから学ぶ
過去のモバイルプロジェクトから学ぶ価値はいくら振り返っても足りない。私たち全てに何らかの改善すべき点がある。従って、自分たちが見つけた教訓の評価や文書化、共有に時間を割くことが必要だ。IT部門はそうした前例をもとに次のプロジェクトを一層大きな成功に導くことができる。そうした教訓は企業的なベストプラクティスとなるものもあれば、モバイル化で避けるべきトラブルについて学ぶ材料にもなる。
モバイルプロジェクトが目標を達成できなければ、常に苦い思いを味わう。だが適切な計画を立てれば、成功を阻む障壁の多くは取り除くことができる。
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