モバイル向けアプリ開発の選択肢【後編】
モバイルアプリを開発する前に確認すべき6つの問題
モバイルアプリ開発に関して、ネイティブアプリか、クラウドアプリかを選択する場合、検討すべきはサポート端末、BYOD、セキュリティなど6つの問題だ。
前編記事「モバイルアプリ比較:ネイティブアプリとクラウドアプリはどちらが優位か」に続き、モバイルアプリ開発におけるネイティブアプリとモバイルクラウドアプリの選択について解説する。
ネイティブアプリの開発では、iOSやAndroidなどのモバイルアプリ開発プラットフォームごとに、それぞれ独自の開発プロセスがあり、独自のネイティブプログラミング言語が使われる。プログラミング言語にはJava(Android)、Objective-C(iOS)、Visual C++(Windows Phone)などがある。
また、ネイティブアプリの開発には一般的に、米AppleのiOSソフトウェア開発キット、米GoogleのAndroid開発ツール、米Microsoftの.NET Compact Frameworkといった開発ツールが使われる。他にもSybase(米Sybase)やPhoneGap(米Adobe Systems)といったネイティブアプリ向けの開発ツールもある。
一方、クラウドアプリの開発ツールはモバイル端末のOSとは結び付いていない。クラウドアプリはHTML5、CSS3、JavaScript、C++などのサーバサイド言語、あるいは開発者が選んだPHP、Ruby on Rails、PythonなどのWebアプリケーションフレームワークで開発される(参考記事:HTML5はスマートデバイス用アプリ開発に使えるか?)。
ネイティブアプリ、モバイルクラウドアプリともソフトウェア開発を支援するツールや、フレームワークが提供されている。
Appleの開発プラットフォームでは、ネイティブアプリの開発者がiOSの通知機能を使って、音声のアラートを出したり、画面上に視覚的なアラートやバナーを表示したりすることもできる。クラウドアプリは、モバイル端末の一部のネイティブ機能と情報にアクセスできる。このアクセスには通常、APIを利用する。
モバイルアプリで検討すべき問題
モバイルアプリを開発する前に検討すべき問題には以下の6つがある。
- どのモバイル端末プラットフォームをサポートするのか
- 私物端末の業務利用(BYOD(Bring Your Own Device))に関する方針があるのか
- 端末のハードウェア、ソフトウェア機能を使う必要があるか
- セキュリティはどの程度重要か
- アプリの目的は何か
- 他のシステムとのデータ統合はどの程度重要か
もしクロスプラットフォームの互換性が懸念されるなら(BYODのポリシーを導入している企業がこれを懸念するのは間違いない)、クラウドアプリを選んだ方が賢明だ。だが、端末に搭載されている機能を多数利用するビジネスアプリが必要な場合は、恐らくネイティブアプリを選ぶべきだろう。
セキュリティはモバイル端末の最大の弱点といえる(参考記事:AndroidのマルウェアがiOSよりも多い理由)。その携帯性とサイズ故に、紛失したり盗まれたりする可能性はノートPCよりも大きい。会社のデータにアクセスするとそのデータが端末に残るネイティブアプリは、もし端末を紛失したり盗まれたりした場合に大きなリスクをもたらす。これに対してクラウドアプリのデータは、クラウドに保存され、端末には保存されない。従って、紛失や盗難に対するクラウドアプリ利用端末のセキュリティ上のリスクは、ネイティブアプリを使う端末よりも低い。
社内利用や顧客に利用してもらうためのビジネス用のモバイルアプリを開発していて、多数のモバイル端末をサポートしなければならない場合は、クラウドアプリを選んだ方がいいだろう。一方、販売目的でモバイルアプリを開発するなら、ネイティブアプリを選んで、定期的にユーザーがアクセスしてくれるアプリストアに置いておけばよい。
ビジネス用のモバイルアプリでデータベースにアクセスする場合(ほとんどのビジネスモバイルアプリがこれに当てはまる)、アプリを稼働中の他のシステムと連係させる必要がある。これは、CRMやERPなどの製品を既存のシステムと統合するのと同様に、簡単ではない。データを統合する場合、会社の他のシステムがクラウドで動いているなら、クラウドアプリが最善の選択肢といえる。クラウドアプリなら会社の他のシステムとクラウド上で連係させることができるからだ。
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モバイル向けアプリ開発の選択肢
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