タスク機能で伝達漏れを無くす
Skype英会話のレアジョブが「社内Skype」をやめた理由(1/2 ページ)
オンライン英会話サービスを提供するレアジョブ。開発部門を中心に、社内のコミュニケーションツールを「Skype」から「ChatWork」へ移行した。移行のいきさつと社内がどのように変わったかを紹介する。
変更履歴(2015年10月28日10:45)
掲載当初、アブストラクトにて「社内のコミュニケーションツールを『Skype』から『ChatWork』へ移行した」と記載しておりましたが、ChatWorkへ移行したのは開発部門が中心であることを明確にするため、「開発部門を中心に」と明記いたしました。また、本文2段落目も同様の理由で「開発部門を中心に」と追記いたしました。
2007年に創業したレアジョブは、オンライン英会話サービスを提供する企業だ。2015年9月現在の累計登録ユーザー数は37万人。200人のフィリピン人講師を抱え、1日当たりのレッスン数は1万4000回と、国内でもトップレベルの規模を誇る。連結子会社としてフィリピンにRareJob Philippinesを2008年に設立しており、2014年6月にはオンライン英会話を提供する企業として初めて東京証券取引所マザーズ市場への上場も果たしている。
そのレアジョブが、開発部門を中心に社内のコミュニケーションツールとして導入したのが「ChatWork」である。それまで同社は、英会話サービスの提供にも利用している日本マイクロソフトの「Skype」を社内のチャットツールとしても活用していた。そんな同社が、2015年1月にチャットツールを変更すべく検討に入り、2月にChatWorkの導入に至った。
導入前に抱えていた課題やツール選定のいきさつなどについて、レアジョブ システム部 Product Orientedチーム チームリーダー プロダクト企画部 プロダクト企画チームの菊地 徹氏と、同システム部 Product Orientedチーム アシスタントチームリーダーの山田雅人氏に聞いた。
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コミュニケーションがうまくいかない
Skypeを利用していた当時の状況について、山田氏は「必要な人に正しい情報が伝わっていないことが多いと感じました」と語る。事業部側で製品に関する企画を立て、仕様書に基づいてエンジニアが開発に入る。だが開発開始後に仕様書に変更があってもエンジニアには伝わっておらず、手戻りが発生する――そんなことが度々あったという。「1つの情報を全員に伝える方法が定まっておらず、情報がバラバラになっていました」と山田氏は当時の状況を説明する。
同社のビジネスを取り巻く環境は変化が早く、新しい企画やアイデアは次々と出ていたが、それがエンジニアには伝わらない。仕様書は事業部内のクローズドな環境でやりとりしていたため、変更が生じても開発側で正確に状況を把握できていなかったのだ。「企画段階からエンジニアにも情報共有されていれば解決できたと思えるような問題が数多くありました」と山田氏は言う。
一方、菊地氏は「情報が正確に伝わっているかどうか、抜け漏れを防ぐためのミーティングが頻繁に行われていました」と話す。情報共有がうまくいっていないことが一因だが、時間や場所が固定されるミーティングの数が多い現場は仕事が非効率になりがちだ。
しかも、リアルなミーティングが多いにもかかわらず、菊地氏は「静かでコミュニケーションの少ない職場だ」と感じたという。Skypeのグループチャット(複数人で同時チャットができる機能)でも頻繁に会話が交わされることもない上に、職場でも会話が少なく、ミーティングをしてもコミュニケーションミスが発生することが多かったという。
Skype自体の機能的な制限もあった。Skypeのグループチャットでは、特定の人を指定して連絡することができず、通知もされない。そのため、グループチャットで会話が交わされても、自分にとって重要な情報はその履歴の中から探す必要があり、見逃す可能性も高かった。もちろん、Skypeでは1対1のコミュニケーションも可能だ。だが同じ議題にもかかわらず、連絡したい内容によってグループチャットと1対1のやりとりを使い分けるのは、効率的とはいえなかった。
実は、山田氏は2014年12月入社、菊地氏は2015年1月入社。両氏共に入社後すぐにこうしたコミュニケーションに関する課題を感じたという。そもそも会話が少ないといった人的な課題もあったものの、両氏はまずツールの課題に着目。開発メンバーが20人を超え、主に1対1のコミュニケーションツールとして発展してきたSkypeではグループ間での情報共有に限界があるのではないかと両氏は考えた。そこで、新たなツールの導入に向けた検討に入ったのだ。
タスク機能が便利なChatWork
新たな情報共有ツールとして候補に挙がったのは、ChatWorkの他、「HipChat」「Slack」などのチャットツールがあった。Skypeも併用し、新ツールがうまくいかなければSkypeにとどまる選択肢も残していたという。
ChatWorkを選定したのは、菊地氏も山田氏も前職でChatWorkを既に利用しており、その使いやすさを実感していたことが大きかった。
中でも、選定の大きな決め手となったのはタスク機能だという。「例えば、月末に経費精算をするようスタッフに促すなど、必ずやってほしいことや読んでほしいことに対してタスク機能を使っていました。プロジェクト管理ツールとして使用していた『Redmine』を使うほどではない場合、この機能が本当に便利です」と菊地氏は言う。
「ChatWorkのタスク機能を使えば、タスクを済ませた段階で各自が完了ボタンを押すことになるので、誰がタスクを完了していて誰が未完了かといった進行状況が簡単に確認できるのです。タスクについては伝達ミスが多かったので、以前も使っていたこの機能があれば便利になることは分かっていました」(同氏)
もう1つの候補Slackについては、「他のシステムと連係できることがSlackの強みですが、われわれの場合、あまり他のシステムと連係させることはありません」と山田氏は話す。また、Slackは主に開発者向けのツールであり、「レアジョブでは開発者以外の事業部ともやりとりすることが前提だったので、ChatWorkの方が適していると感じました」と同氏は説明する。またChatWorkは国産ツールなので日本語で問題なくチャットができること、さらに英語でのチャットも可能なのでフィリピンでも利用できることが、採用を後押しした。
こうして、システム部から試験的に導入が始まったChatWorkは、その後仕様書を担当するメンバーにも利用を拡大。2015年9月現在ではフィリピンの従業員も含め95人が利用しているという。
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