AWS、Azure、GCPの「SaaS連携ツール」の違い【前編】
「Amazon AppFlow」「Amazon EventBridge」の基礎 AWSの2大SaaS連携ツール
各クラウドベンダーは、複数のSaaS間でデータを送受信するためのSaaS連携ツールを提供している。その中からAWSの「Amazon AppFlow」「Amazon EventBridge」を説明する。
複数のSaaS(Software as a Service)を利用する企業は、複数のSaaS間でデータを安全に転送し、資格情報を管理して、それぞれのSaaSが生成して保存するデータを確認できる状態にする必要がある。自社のアプリケーションをIaaS(Infrastructure as a Service)でホストする企業は、このような外部のSaaSと連携するイベントの自動処理にも取り組まなければならない。これらの用途に利用できるのが、SaaS連携ツールだ。
クラウドベンダー各社は複数のSaaSを連携させ、データを一元管理するために、SaaS連携ツールを提供している。ツールによって解決できる問題や用途、対象ユーザー企業が異なる。ソフトウェア開発者向けのツールからITの専門知識を持たないユーザー向けのツールまで多岐にわたる。前中後編にわたり、Amazon Web Services(AWS)とMicrosoft、Google、サードパーティーが提供するSaaS連携ツールを紹介する。
AWSのSaaS連携ツール
AWSは自社のIaaSにアプリケーションをホストするユーザー企業向けに、「Amazon AppFlow」と「Amazon EventBridge」という2つのSaaS連携ツールを提供している。
Amazon AppFlowはSalesforce(salesforce.com)のSaaS群やSlack Technologiesのビジネスチャットツール「Slack」など対象SaaSのデータを、「Amazon Redshift」「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)といったAWSサービスに転送する。転送したデータは、バックアップや監査のために変換や分析、保管ができる。
IT管理者はAmazon AppFlowを使うことで、「Amazon Redshift Spectrum」「Amazon Athena」「Amazon EMR」などのデータ処理サービスを使って、SaaSのデータを処理できるようになる。
Amazon EventBridgeはZendeskの同名ナレッジベースサービスや、Auth0の同名認証サービスなど、対象のSaaSで発生したイベントを他のSaaSやAWSサービスに転送する。Amazon EventBridgeは取り込んだイベントに応じて、IT管理者があらかじめ設定した処理を実行する。例えば以下のような処理ができる。
- イベント駆動型コード実行サービス「AWS Lambda」の関数を呼び出す
- プッシュ通知サービス「Amazon Simple Notification Service」(Amazon SNS)やメッセージキューサービス「Amazon Simple Queue Service」(Amazon SQS)にメッセージを送信する
- バッチ処理サービス「AWS Batch」のジョブを開始する
- コンテナオーケストレーションサービス「Amazon Elastic Container Service」(Amazon ECS)でタスクを実行する
- 関数オーケストレーションサービス「AWS Step Functions」のワークフローを開始する
イベント駆動型の機能やアプリケーション単位のタスクを自動化するといった用途に、Amazon EventBridgeは適している。
中編は、MicrosoftとGoogleのSaaS連携ツールを説明する。
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