ゼロトラストセキュリティを導入すべき理由【前編】
「ゼロトラストセキュリティ」が今必要な理由は? 実現の鍵を握る技術とは
企業が現状利用するセキュリティ対策では防ぎ切れない脅威が登場している。その問題を解決し得る新たなセキュリティの概念が「ゼロトラストセキュリティ」だ。なぜゼロトラストセキュリティは有効なのか。
レガシーなセキュリティ対策に伴う課題を克服する手段となり得るのが「ゼロトラストセキュリティ」だ。ゼロトラストセキュリティは、信頼できないエンドユーザーが境界の内外に存在することを想定する。
なぜゼロトラストセキュリティが必要なのか
併せて読みたいお薦め記事
ゼロトラストセキュリティの重要さ
既存技術とゼロトラストセキュリティ
現状、企業のゼロトラストセキュリティ導入はあまり進んでいない。企業はまず、ゼロトラストセキュリティが重要な理由を理解する必要がある。従来のセキュリティ対策では、LANなどの社内ネットワークと、インターネットなどの社外ネットワークのそれぞれで発生するトラフィック(データの流れ)を分離するため、ネットワークのセグメント化(細かい区分への分割)をしていた。このネットワーク構造では、境界を突破した攻撃者が社内ネットワークにあるデータを改ざんしたり、不正に取得したりできてしまう恐れがある。
分析と事後調査によって、ある傾向が明らかになった。深刻なデータ侵害の大半は、攻撃者が社内ネットワークへの足掛かりを築いたときに発生していることだ。攻撃者は標的システムの脆弱(ぜいじゃく)性の悪用、システムやネットワークへのアクセス権限の奪取などによって社内ネットワークに侵入する。侵入に成功すれば、それ以降は検出されることなく他の社内システムに移動できる。
この事実から分かるのは、企業が模索すべき対策は、攻撃者が社内ネットワークを移動するのを制限する手段だということだ。ネットワークのセグメント化や、エンドユーザーのアクセス権限を最小限にするだけでは十分な対策にはならない。SaaS(Software as a Service)をはじめとするクラウドサービスが普及した結果、重要なデータが通常のネットワーク境界の外に存在するようになったからだ。
こうした状況で力を発揮するのがゼロトラストセキュリティだ。ゼロトラストセキュリティは「社内外の全てのものは信頼できない」ことを前提とする。社内業務システムへの接続を試みるデバイスやエンドユーザーは全て、アクセス権限を与える前に検証しなければならない。
ゼロトラストセキュリティでは、エンドユーザーに必要最低限のアクセス権限を付与するポリシーが必要になる。これを実現するには、以下をはじめとする複数の技術が利用できる。
- 多要素認証(MFA)
- IDおよびアクセス管理(IAM)
- ネットワークアクセスコントロール(NAC)
- セキュリティ水準を満たすデバイスにのみアクセス権限を与える技術。検疫ネットワークとも。
- 通信内容暗号化
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] 複雑化しがちな「SASE運用」 IT・医療・金融などの事例に見る導入成功の秘訣 -
製品資料
[フォーティネットジャパン合同会社] 「SD-WAN」導入で失敗しないための5つの重要事項 -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] VPNの代替候補「ZTNA」を理解できるようになる“3大要素”とは? -
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] すぐ分かる「SD-WAN」選定のポイント 成功企業はどんな成果を出した? -
製品資料
[SCSK株式会社] 「Dropbox」管理・運用の困りごと解決ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
みずほ証券が「液冷サーバ」を採用 1日3.6億件の計算を支えるための要件
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
5
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
6
Microsoft月例パッチ1400件超で過去最多 「限界点」を迎えたパッチ管理
-
7
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
8
RAGで「データをAIに送る」運用が限界を迎えている理由
-
9
SAP導入後も残る“Excel依存” 京急電鉄は「kintone」でどう解消した?
-
10
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー