「テレプレゼンスの時間貸し」で企業の出張コスト削減に貢献するリージャスビデオ会議システム導入事例

企業向けにレンタルオフィスを提供するリージャスは、会議室に臨場感に優れるテレプレゼンスを導入。グローバル企業がビジネスコミュニケーションの壁を乗り越えるツールとして位置付ける。

2010年11月04日 08時00分 公開
[井上猛雄]

 リージャスグループは、各国のさまざまな企業向けに、レンタルオフィスや会議室などを提供する「ワークスペースソリューション」を用意している。同グループは、21年前にベルギーのブリュッセルで1号店をオープンして以来、現在に至るまでに世界85カ国500都市、1100拠点にネットワークを広げ、まさにワールドワイドな展開を行うグローバル企業になった。大手顧客としては、ノキア、グーグル、マイクロソフトなど、世界に名だたる企業も多い。

 リージャスのワークスペースソリューションとは、簡潔にいえば広い意味での「仕事場」という概念を含んだサービス付きオフィスのこと。いわゆる「貸しオフィス」とは異なり、敷金、礼金、保証人も不要で、インターネット、多機能電話、秘書サービス、データセンターまでオプションで完備している。必要なサービスを必要な期間だけ任意に選び、コストを最小限に抑えることが可能だ。できるだけ資産を持たず、身軽な状態で事業を展開したいという最近の企業ニーズにマッチするビジネスモデルといえる。同社の事業は国内でも順調に推移し、現時点(2010年10月現在)で東京(14拠点)、横浜、大阪、神戸、名古屋、福岡、広島、仙台などの主要都市を含む国内23拠点においてサービスを展開している。

画像 大手町にあるリージャスのビジネスセンター。最大約200人まで収容する大小さまざまなオフィスをユーザーが必要な期間だけ契約できる

 前述のように、リージャスではオフィス以外に会議室の短期利用型サービスも提供しており、全世界のビジネスセンターにおいて既にビデオ会議システムを完備している。以前から複数拠点で音声・映像を利用した遠隔会議を行いたいという顧客ニーズがあったからだ。加えて、特にリーマンショック以降はどの企業も大幅な経費削減を迫られ、出張を抑えつつ生産性を高める手段を模索しており、利用が大幅に増えたという。

画像 テレプレゼンス導入の恩恵を語る日本リージャスの呉氏

 ビデオ会議システムは、フェース・ツー・フェースでの会話と同様の効果が得られ、タイムリーな報告業務や定期的な面接などで重宝されるケースが多い。とはいえ、あらゆる状況に適しているわけではないようだ。「例えば、研修などのトレーニングで長時間利用する場合には、通常のビデオ会議システムが最適とはいえない。画面サイズ、画質、回線品質などを考慮すると、ビデオ会議の長時間利用は厳しいと感じていた」と語るのは、日本リージャス会長・北アジア地区担当の呉 偉(くれたかし)氏だ。

 そこで同社は、2010年3月から東京・大手町のビジネスセンターに、ビデオ会議システムよりも先進的な「テレプレゼンス技術」を利用した専用会議室を導入し、東京、シドニー、シンガポールの3拠点を結ぶサービスを開始。現在これらの拠点に加え、上海、パリ、フランクフルト、香港、ムンバイ、モスクワ、ロンドン、マンチェスター、シカゴ、ロサンジェルス、ニューヨークなど14拠点にテレプレゼンスルームを拡大し、数多くの企業ユーザーに対して新しいサービスを提供している。

ITmedia マーケティング新着記事

news079.jpg

狙うは「銀髪経済」 中国でアクティブシニア事業を展開する企業とマイクロアドが合弁会社を設立
マイクロアドは中国の上海東犁と合弁会社を設立。中国ビジネスの拡大を狙う日本企業のプ...

news068.jpg

社会人1年目と2年目の意識調査2024 「出世したいと思わない」社会人1年生は44%、2年生は53%
ソニー生命保険が毎年実施している「社会人1年目と2年目の意識調査」の2024年版の結果です。

news202.jpg

KARTEに欲しい機能をAIの支援の下で開発 プレイドが「KARTE Craft」の一般提供を開始
サーバレスでKARTEに欲しい機能を、AIの支援の下で開発できる。