コンバージドデータセンター市場の鍵を握るシステム管理ツール(後編)
システム管理ツールを制するものがデータセンター市場を制す
多くのベンダーがひしめき合うデータセンターIT市場。IT専門家たちは、こうした状況をどう見ているのだろうか?
前編の「混戦状態のシステム管理市場の覇権を握るのは?」に続き、激化するデータセンターIT市場のシェア争いを紹介する。覇権を争うベンダーの中には、CAやBMC、IBM、HPといったレガシーシステム管理プレーヤー4社(ビッグ4)はもちろん、多くの管理ソリューション提供ベンダーが含まれている。
全てを単一のハードウェアとシステム管理ベンダーに依存する方法は、大手ITベンダーたちが得意とする「絞め上げる首は1つだけ」という売り文句に集約される。ただ、多くの顧客がそうした考えを受け入れるかは疑問だ。データセンターの設備やサポート、サービスを単一のベンダーに委ねる考え方を好む人々も、一部にはいるだろう。しかし、多くの人は否定的だ。そのシナリオでは価格交渉やサポート面で、特定のベンダーに有利な立場を与えかねないからだ。
調査会社APMExpertsのCEO、バーンド・ハーゾグ氏は、HP、Cisco、その他のベンダーはそれぞれのダイナミックな環境の管理にもっと力を注ぐべきだと話す。そこにチャンスがあるからに他ならない。「しかし、広範なシステム管理の世界で成功してきたベンダーの将来が必ずしも明るいとはいえない。どこかのメーカーのハードウェアを管理するために、他のハードウェアメーカーを信頼する人など決していないからだ」
CAはNimsoftを買収したり、メインフレームレガシーをアップデートするなどして、クラウドコンピューティング向けに製品ラインを刷新することに成功した。
それでもITコミュニティーでは、多くの人々がいまだ古い「パレートの法則」を信じている。彼らの見解はこうだ。データセンターハードウェアに組み込まれた管理機能は、サードパーティーのシステム管理製品に膨大なコストを掛けなくても、顧客のニーズの大部分をカバーしてくれるだろう。そうした考えは、システム管理に特化した専業ベンダーに致命的な打撃を与えかねない。
システム管理:“もう1つ”のカテゴリー
VMwareは、この市場で巨大なシェアを握るもう1社のビッグプレーヤーだ。同社は、仮想化を進める全ての顧客の“唯一の”システム管理プロバイダーになろうとしている。そして、この世界にはVeeam、Quest、Zenoss、vKernelなど、もう1つのインフラストラクチャ管理技術を売り物にするサードパーティーの一群がひしめき合っている。彼らの上には、さらに多くのアプリケーション管理ベンダー群が存在する。さまざまにオーバーラップする多様な機能を提供するこの一団は、市場に混乱をもたらす一方で、その地平を熟知する「アナリストやコンサルタントに“完全雇用”を提供している」と、あるアナリストは冗談を飛ばす。
業界オブザーバーによると、大規模異機種環境におけるWindows管理には、Microsoftの「Systems Management Server」製品群が最適だが、同ツールは一般にはデータセンター管理製品と見なされていないという。そうであっても、Windowsの存在は巨大であり、Microsoftはここにきて非Windowsソフトウェアの存在も認めようとしている。MicrosoftはOpalisを買収して非Windowsの領域に足を進めるとともに、2011年版の管理製品でクロスプラットフォーム対応をさらに強化する方針だ。これらの製品のβ版は2011年3月にリリースされる。
例えば、Systems Center Virtual Machine Manager(SCVMM)はVMwareの管理を可能にする。「これにより、Microsoftはクロスプラットフォーム管理に向けて一歩踏み出す」と語るのは、Windows専門MSP、Evolve Technologiesのデイブ・ソベルCEOだ。
ただし、外観的にはあくまでMicrosoftのシステム管理ツールであり、同社の全てのデスクトップツールがより大きくなった包括的なシステム管理製品に管理情報を供給する仕組みは変わらない。IT専門家たちは、データセンター製品の機能強化が進む中、こうした熱い戦いを今後も注意深く見守っていくことになるだろう。ニューイングランドの大手インテグレーター副社長は、ベンダーや顧客にとって最終的には「システム管理を制するものが顧客を制す」が真理になると話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
なぜワンキャリアは障害復旧を3時間から1時間以内に短縮できたのか -
製品資料
自社のDevSecOpsはどこまで進んでいる? 進捗を測る指針“成熟度モデル”とは -
製品資料
実際に悪用される脆弱性は4%前後 優先的に対処すべき脆弱性を把握するには? -
事例
三菱ケミカルが脆弱性への迅速な対応フローを実現した方法とは? -
技術文書・技術解説
MDMだけでは防げない? Appleデバイスに潜む5つのセキュリティギャップ
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
IT人材の42%が転職予備軍 辞めさせない組織の4つの共通
-
2
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
-
3
「HDD終了」は本当か 巨大クラウド2社が下した大容量フラッシュへの決断
-
4
契約作成からKYCまでAIが完結 独金融大手が3000人を削減してまで狙う破壊的効率化
-
5
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
6
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
7
AI投資が無駄に終わる 「データセンター人材の枯渇」が招く最悪のシナリオ
-
8
【漫画付き】"RAG導入失敗3例"と処方箋 「入れても使われない」を終わらせる
-
9
GitHub Copilotを使いこなす第一歩 初めてのプロンプト6つのコツ
-
10
ただで使い「12時間以内の復旧」を迫る 無償OSSを商用扱いする日本企業の末路
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
属人化や仕様バグはなぜ起きる? AI時代に必須のドキュメント文化の作り方
-
2
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
中小企業必見、Microsoft 365でゼロトラストセキュリティを実現する方法
-
6
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
7
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
8
5分で分かる「AI駆動開発エージェント」 要件定義から設計・実装・テストまで
-
9
動画で知るランサムウェア被害企業のリアル、会計データが無事だった理由とは
-
10
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー