コンバージドデータセンター市場の鍵を握るシステム管理ツール(前編)
混戦状態のシステム管理市場の覇権を握るのは?
現在、多くのベンダーがデータセンターIT市場のシェアを奪い合っている。激しい争いの中から、一歩抜け出して生き残るために各社が取り組んでいることとは何だろうか。
Cisco SystemsやHewlett-Packard(HP)、その他のハードウェア大手は現在、高度なコンバージド(集中型)ハードウェアでデータセンターIT市場のシェアを奪い合っている。だが、目に見えない本当の戦いは、システム管理ソフトウェアで繰り広げられている。
ハードウェアベンダーは(ストレージ大手のEMCも含め)現在、データセンター向けハードウェアに統合システム管理の多様な機能を組み込みつつある。
もっとも、サーバやネットワーキング製品、ストレージなどに管理機能の「トロイの木馬」を忍ばせることは、取り立てて目新しい話ではない。だが、企業がデータセンターの効率化やクラウドコンピューティング対応を強化する流れの中で、そのスケールは次第に大掛かりになり、ベンダーが手にする利益も増大しつつある。
これまでデータセンターでは、ストレージやサーバ、ルータなどのコンポーネントの寿命が来れば順次アップデートしてきたものだが、ここにきて多くの企業がコンバージドハードウェアを検討するようになった。このプロセスでは、バンドルされたシステム管理機能が重要な要因になる。そう指摘するのは、業界各社と関係があるため名前は明かせないが、米中西部にある大手ITインテグレーターの幹部だ。
しかし、どのコンバージドプラットフォームが主流になるか、現時点ではまだ分からない(Ciscoの「Unified Compute System」やHPの「Matrix」は登場してまだ2年もたっていない)。だが多くの企業がそうした製品、特に統合システム管理関連製品に注目している。
「それらの多くは管理ソフトウェアに集約されつつある。例えば、CiscoのUCS ManagerやHP Systems Insight Manager、あるいはIBMのTivoli製品などは非常に人気がある」と同氏。顧客は、それらをレガシーシステムの管理製品ではなく、より新しいネットワーク型の製品として見ているという。
このインテグレーターは最近、大手顧客向けのRFP(提案依頼書)を完成させたが、主に管理ソフトの面からHP、IBM、Ciscoを提案し、Cisco UCSの採用が決まった。
HPは「OpenView」(現在はHP BTOソリューションに組み込まれている)以来、システム管理の古参プレーヤーだが、重要な点は、同社が販売する膨大な数のサーバ全てに「Insight Manager」をバンドルしていることだ。一方、EMCはストレージで「lonix」をプッシュしている。VCE連合の「vBlocks」はlonixの「Unified Infrastructure Manager(UIM)」を搭載している。Cisco UCSは、Cisco UCS ManagerなしにはUCSになり得ない。
「つまり、管理こそ本当の戦場なのだ。これらのベンダーは、あらゆる“もの”を管理するために競争している」と語るのは、サンディエゴのHPパートナー、Nth Generationのソリューションズアーキテクトマネジャー、レイ・カーペンター氏だ。
混戦状態のシステム管理市場に今後さらに多くのベンダーが参入するだろうと同氏は予測する。「Oracle、VMware、BMC、CA、HPなどがそれぞれ管理製品の強化を進めている。そこに標準化の主導権を握るチャンスがあるからだ。人々はいま、単一のウィンドウから全てを管理できる仕組みを求めている」
ビッグ4の動向は?
ビッグ4、すなわちCA、BMC、IBM(Tivoli)、そしてHP(BTO)のレガシーシステム管理プレーヤー4社が、この分野に深く足を踏み込んでいることは間違いない。その中でも、ハードウェア部門を持たない2社、CAとBMCに大きな注目が集まっている。
一部には、両社がハードウェアを持たないことをアドバンテージと見る向きもある。なぜなら、この先も自分たちの“ハードウェア不可知論”を前面に押し出すことができるからだ。
今後も、恐らくハードウェアごとにさまざまな管理製品が出荷されるだろう。しかし、「データセンターの全体的な複雑さは一向に解消せず、BMCやCAの世界の扉が閉ざされる」と話すのは、Enterprise Management Associatesの副社長、デニス・ドログセス氏だ。
「一般的に、よりダイナミックでクロスドメインなインフラストラクチャハードウェアの革新は、よりよいサービス管理への要求を加速する。それゆえに、CAやBMCなどのベンダーの存在は、IBMやHPと同様、ますます重要になる」と同氏。さらに、「全てのシステム管理をインフラストラクチャ(ハードウェア)に組み込んだと誰かが主張したとしても、それは単なる勘違いにすぎない。活発なインフラは活発な子どもと同じように、際限なく問題を起こすものだ」
次回は、ビッグプレーヤーのそれぞれの最新動向を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
2
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
3
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
4
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
5
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
6
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
7
10年かけてBIを再構築したアマノの一手 「権限がない」「予算がない」でもDXは動かせる
-
8
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
9
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
10
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー