「内蔵カメラ禁止」「Siri無効」も可能
「iPhone」「iPad」管理に生かさない手はない、iOS構成プロファイルの利用方法
「iOS」の構成プロファイルはデバイス管理の長期的な解決策にはならないかもしれないが、現在のところIT部門がAppleデバイスを管理する際に多くの利便性を提供してくれる。
米Appleの「iOS」の「構成プロファイル」は、さまざまなユーザー設定を管理して従業員の「iPhone」や「iPad」に展開する方法を提供する。
IT担当者はこの機能に精通しなければならない。さまざまな職場環境で利用できるからだ。
構成プロファイル作成までの3つのワークフロー
iOS構成プロファイルとは端的に言うと、電子メール設定やネットワークアクセス情報など各種の設定データを、手間をかけずに非常に多数のデバイスに配布するためのXMLファイルだ。
IT担当者は通常、Appleの「構成ユーティリティ」を使ってiOS構成プロファイルを作成する。XMLをハードコーディングしないで済むことを除けば、このユーティリティの最も重要な機能は、以下のような3つの異なるワークフローを実行することだ。
準備
iOSデバイスを企業で使えるようにセットアップする。このワークフローでは、選択されたデバイスがどのバージョンのiOSを搭載していても適切にサポートされるようにし、必要に応じて更新を適用するなどの作業を行う。IT担当者はこのワークフローの一環として、ビジネスアプリの展開や更新を行うこともできる。
管理
デバイスを特定のグループに分け、それぞれのグループに使用可能な機能セットを定義する。IT担当者は個々のデバイスに管理用の名前を設定し、特定のデバイスについて、許可されていないコンピュータとの同期を禁止することもできる。
割り当て
特定の操作を実行するのに必要な情報を「Open Directory」または「Active Directory」から抽出する(これによって時間が大幅に節約され、ミスが発生する可能性が最小限に抑えられる)。また、ユーザー間のデバイス共有も管理でき、カレンダーなど幾つかの機能の設定をインポート、エクスポート、管理することが可能。さまざまなセキュリティ管理機能も利用できる。例えば、資格情報管理のための証明書の保存や、アクセス制限、VPNの有効化などだ。
内蔵カメラの使用制限や特定アプリのインストール禁止などが可能
IT担当者は構成ユーティリティを使ってiOS構成プロファイルを展開できるが、このプロファイルの展開は、無線接続、Webページ、さらには電子メール添付ファイルのいずれを使っても行える。
注意しなくてはならないのは、iOS構成プロファイルおよび関連する構成ユーティリティでは、完全なモバイルデバイス管理(MDM)戦略は構築できないことだ。実のところ、多くの企業ではiOS構成プロファイルを、導入したMDM製品やサービスに個々のiOSデバイスを登録する(接続する)ための手段として使っている。
それでも、IT担当者がデバイス固有の膨大な低レベルの設定をiOS構成プロファイルで管理できることに変わりはない。このため、MDMの観点から見て、このプロファイルにはやはり大きな価値がある。例えば、「内蔵カメラの使用を制限する」「アプリのインストールを禁止する」「Siriを無効にする」は、iOS構成プロファイルでできることのごく一部にすぎない。
こうした機能を最大限に活用するには、幾つかの重要なステップを踏む必要がある。まず第1に、常に私物端末の業務利用(BYOD)の最新のポリシーおよび取り決めを使用することだ。技術に詳しいユーザーが一部の制限を回避したり、構成プロファイルに使われるXMLファイルを偽造したりすることもあり得るため、全てのユーザーがローカルのiOS構成プロファイルの役割を理解し、受け入れることが必要になる。このことは、企業支給のデバイスでも同じように重要だ。これらのデバイスは通常、BYODデバイスよりもはるかに厳しく監視され、管理される。
次に、エンタープライズモビリティ管理(EMM)戦略全体を徹底的に考えなければならない。前述したように、構成プロファイルによる管理では、モバイルデバイス、アプリケーション、コンテンツ管理の代わりにはならない。戦略によっては、構成プロファイルが全く不要になる可能性もある。EMMは本質的にクロスプラットフォームだが、iOS構成プロファイルは間違いなくそうではないからだ。
最後に、プロファイルの使用状況を監視し、社内ネットワークで意図しない結果が発生したり、誤った構成が適用されたり、さらには不正なプロファイルが使われたりすることがないようにする必要がある。ネットワーク管理者の仕事に終わりはない。今回取り上げたような新しいツールは時間を節約してくれるが、問題が起こると、深刻な事態を招く恐れもある。
EMMはまだ急速に進化を続けている分野であるため、iOS構成プロファイルは、暫定的なソリューションと考えるのが適切だ。それでも、IT部門が検討するに値する有益なソリューションであることに変わりはない。Appleは今後もこのプロファイルの機能を進化させていくだろう。EMM業界全体で進んでいる製品やサービスの機能向上により、Appleが既に提供している管理方法に加え、興味深い管理方法が利用できるようになるのは確かだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] 複雑化しがちな「SASE運用」 IT・医療・金融などの事例に見る導入成功の秘訣 -
製品資料
[フォーティネットジャパン合同会社] 「SD-WAN」導入で失敗しないための5つの重要事項 -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] VPNの代替候補「ZTNA」を理解できるようになる“3大要素”とは? -
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] すぐ分かる「SD-WAN」選定のポイント 成功企業はどんな成果を出した? -
製品資料
[SCSK株式会社] 「Dropbox」管理・運用の困りごと解決ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
Microsoft月例パッチ1400件超で過去最多 「限界点」を迎えたパッチ管理
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
5
「エージェントを作るな、スキルを作れ?」 Anthropicが提唱するAI運用の勘所
-
6
RAGで「データをAIに送る」運用が限界を迎えている理由
-
7
なぜ人はいるのにDXが進まない? ライオンも直面した“老害”レガシーシステム
-
8
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
9
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
10
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー