貴重な情報を失わないために
災害対策の基本、データセンターを正しく停止させるためのチェックリスト(1/2 ページ)
データセンターを停止させる場合に備えたチェックリストを作っておけば、電源を落として貴重な情報が失われる前に、ITチームがバックアップとテスト、システム確認を重点的に行う一助となる。
現代のITにとってポリシーとプロセスは不可欠だが、データセンター管理者は電源を落とす必要性が生じた場合の備えができていないことがある。それは台風接近といった緊迫した状況の場合もあれば、単なる地方自治体の電力供給網のアップグレードのような場合もある。設備の停止を想定した備えと対応次第で、多額の損害を助長することもあれば、それを防ぐこともできる。
入念に計画され、テストされたデータセンター停止の手順は、事業継続計画において重要な役割を果たす。計画ではアプリケーションの移行や停止、貴重なデータの保護、物理的なシステムの電源停止、そして事後にうまく再起動させるためのベストプロセスを定義する。基本的な停止の手順について定めた文書の主な要素を以下に挙げる。
システム文書の確認と更新
データセンターの停止は全て、いずれ再起動することを前提としている。従って障害期間が経過した後に無事再起動させるためには、適切な準備が鍵となる。包括的とは言わないまでも、最低でも現状を網羅した文書セットを作成して、各システムの容量、OS、アプリケーション設定を記録し、再起動の過程で意図せず変更される可能性のある項目には特に注意する必要がある。この文書を作成できるツールは無数にあり、最新の管理ツールを使えばシステム状態の把握とレポートができる。ネットワーキング機器やストレージアレイの設定の把握や記録も忘れてはいけない。
準備の過程ではデータセンター内のさまざまな依存関係も見極めておく必要がある。依存関係を文書化しておけば、IT担当者がシステムとサービス、アプリケーションを適切な順序で再起動し、障害を起こさずに済む。再起動に余分な時間を浪費することもない。例えばサーバに依存するストレージアレイは、サーバより前に起動しておくことが望ましい。
バックアップの実行と確認
どんなデータセンターでもバックアップは重要なプロセスだが、計画的な設備障害の前には確実なバックアップが欠かせない。停止に入る前に定期的なバックアップが完了しているか確認し、定期的なバックアップが行われていないシステムがある場合や、リカバリポイントから停止に入るまでの期間が長い場合は手作業でバックアップを行う。
従来的なバックアップのアプローチでは、各サーバのOSの状態を、SANに保存したデータなど個々のデータバックアップと併せてキャプチャしようとする場合もある。仮想化されたデータセンターでは、スナップショットやリモート複製といった、もっと近代的なVM認識バックアップも選択できる。これ1つあれば十分という方法は存在しない。そのプロセスや基盤となるツールは、各社の要件に適していなければならない。そして、全てがバックアップされたことを確認し、テストして完全性と復旧可能性を確認することが肝心だ。
準備時間が限られている場合は、ミッションクリティカルなバックアップに集中せざるを得ない。しかし、バックアップされていないシステムやデータは、アプリケーションやビジネスをリスクにさらしかねない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
製品資料
[株式会社ウェーブスプリッタ・ジャパン] 100Gbps対応の光トランシーバーはどう選ぶ? 10分で分かる選定のポイント
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
2
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
3
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
4
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
5
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
6
AWS障害でも補償ゼロの衝撃 サイバー保険で情シスが見落とす「細則の壁」
-
7
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
8
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
9
マンガで解説:採択率は3割台? デジタル化・AI導入補助金申請の落とし穴
-
10
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー