徹底解説:オブジェクトストレージが複雑なファイル構造をシンプルにできる理由ここが違う、従来型ストレージとオブジェクトストレージ【前編】

オブジェクトストレージアーキテクチャは大量の非構造化データを保存するのに理想的なファイル構造を提供する。この記事では2回に分けてオブジェクトストレージの特徴とメリットを解説する。

2017年06月27日 05時00分 公開
[Scott LoweTechTarget]
階層構造で管理する従来のファイルシステムは規模拡大に伴い複雑になりがちだ。オブジェクトストレージは“フラットな関係”でシンプルな管理を可能にする

 データは加速度的に増え続けている。そのような状況から、企業では以前にも増して、より多くのストレージ容量を迅速かつ定期的に必要としているのが実情だ。

 こうした傾向が2つの難題を生み出している。1つは、稼働状態を維持したままストレージ容量を増やすのが困難な場合があること。もう1つは、従来型のストレージシステムでは、一定レベルを超えると多くの場合でストレージの拡張が困難になることだ。オブジェクトストレージアーキテクチャでは、この2つの問題に対処できる。

 ストレージの追加では、拡張作業中にプライマリーストレージを取り外さなければならないことが多く、それが稼働しているシステムを停止する原因になる。また大抵の場合、ストレージを追加すると、システムを支える他のリソースに負荷が掛かる。例えばCPUやネットワークなどだ。こうしたリソースを利用することで、ストレージは許容できるパフォーマンスを維持している。

 従来型のストレージには、可用性に影響を及ぼす恐れのある制約が他にも内在している。最も重要なのはデータをバックアップする必要があることだろう。ストレージが停止した場合には、ストレージを復旧する手段が必要になる。

 しかし、このように問題発生後のデータ保護を用意する必要がある場合、データセットが大規模になるにつれて、そのニーズへの対応は途方もなく複雑になり、コストも高額になる恐れがある。データセットが増えると、バックアップウィンドウ中に無理なく対応できる量よりも取得されるデータの方が多くなる。データ保護に対処するには、リアルタイム性の高いアプローチが必要になる。そこで役に立つのがオブジェクトストレージテクノロジーだ。

オブジェクトストレージの基礎

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