クラウドメッセージングサービスの時代 前編
電話よりも「Slack」、チームコラボレーションの主役交代はもう間近
メッセージングサービスは、企業におけるコミュニケーションの定番となっている。このサービスのおかげで、いつでもどこからでもプロジェクトに簡単に参加できるからだ。
今日のビジネスワーカーは、同僚や顧客、パートナーと密接につながらなければならない。だが、技術の進化とともに、顔を合わせてミーティングを実施する必要性はほとんどなくなっている。企業がコミュニケーションやコラボレーションを効率化する方法として、チームコラボレーションツール、とりわけクラウドメッセージングサービスの導入を進めているからだ。
チームコラボレーションプラットフォームには、次のようなものが含まれる。
- 音声
- ビデオ会議
- 電子メール統合
- メッセージング
- ソーシャルネットワーク
- オンラインミーティング
- コンテンツ管理
企業にとって最も有益なコラボレーションツールは主に、ビジネスやエンドユーザーと、そのサポートを担当するIT管理者が抱える要件によって決まる。いずれにしても、クラウドメッセージングサービスは、こうしたツールによるユニファイドコミュニケーションおよびコラボレーション戦略の構築に不可欠な役割を果たす。
以下では、エンタープライズコラボレーション戦略のメッセージングの部分に焦点を当てる。だが、他のツールについても、企業の個別ニーズを満たすコラボレーションプラットフォームの選択という文脈で取り上げる。
メッセージング中心のコラボレーションツール
では、なぜクラウドメッセージングサービスに焦点を当てるのか。われわれはモバイルデバイスを使って、ボーダーレスなデジタル化された世界でビジネスを行っている。そこでは音声やビデオ会議はもはや影が薄くなってきているのだ。これらの技術は、ユーザーが所定の日時に集まらなければならない。また、効果を発揮するには静かな環境にアクセスする必要があった。だが、多くの場合、そうした条件はなかなか成立しない。
メッセージングアプリは、企業がさまざまなメンバーによる多くのプロジェクトを管理するのに役立つ。アイデアや概念、コンテンツをグループ内で、デスクトップ、タブレット、スマートフォンなど任意のデバイスで簡単に共有できる。こうしたチームコラボレーションツールでは、メンバーが指定された日時にミーティングを行う必要はない。代わりに、特定のトピックや対話に関連するコンテンツが、ユーザーの判断で自由に追加される。これにより、モバイルユーザーやリモートユーザーも場所やタイムゾーンにかかわらず、プロジェクトに簡単に参加できる。
メッセージング中心のツールがどのようにチームコラボレーションの主流の方法になったのかをよく理解するために、エンタープライズコラボレーションのこれまでの進化の過程を振り返ってみよう。
チームコラボレーションツールの進化
以前は、ミーティング参加者は同じ時間に1カ所に集まっていた。そこで課題について議論し、意思決定を行い、指定された担当者が議事録を作成し、配布した。
技術の進歩とともに、ミーティングの物理的な場所の制約が緩和され、電話会議やテレビ会議が一般化した。電子メールやプロジェクト管理ソフトウェアのようなツールも、ミーティングのプロセスの効率化と利便性の向上に役立った。だが、こうした進化にもかかわらず、従業員はチームコラボレーションツールにより多くを求めた。
コラボレーション技術のアーリーアダプターは、こうした要望を背景にツールの導入を進めるあまり、ツールが乱立する状況を招いてしまった。個々のチームコラボレーションツールは、それ自体としては便利なものの、他のツールと連携が取れておらず、ツールが多いせいで目的のメッセージが見つけにくいなどの弊害が生じた。また、オンプレミスコラボレーションツールの実装は、部署によって大幅に異なることがあった。そのために多くの企業で、各ツールの適切な使い方について混乱が生じてしまった。
さらに、多くの企業が一部のチームコラボレーションツールを寿命以上に長く使い続けたことも、コラボレーションツールの乱立に拍車を掛けた。新しいコラボレーションツールが導入されても、それらは、大昔に導入されてまだ現役のレガシーツールと互換性がなかった。
幸い、クラウドコラボレーションサービスの登場に伴い、コラボレーションツールの乱立による苦労は解消されている。企業は、利用したいさまざまなサービスのために、オンプレミスコラボレーションサーバを購入し、維持管理をする必要がなくなった。
また、コラボレーションサービスプロバイダーは、さまざまなツールを1つのプラットフォームに統合しているため、それらは円滑に相互運用できる。そのおかげで企業は、従業員や部門が必要とするツールを全て兼ね備え、更新が同期される、統合型でクロスプラットフォームのデスクトップおよびモバイルコラボレーションシステムを利用できるようになっている。企業のIT部門は、自社で管理しているレガシーオンプレミスコラボレーションプラットフォームには、こうした有益なメリットがないことを痛感している(後編へ続く)。
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