販売管理製品紹介:日立情報システムズ
卸売業の販売・在庫管理を1システムで解決する「TENSUITE for Wholesale」
部門や拠点ごとにシステムが分断しているために差異やミスが発生し、結果在庫が合わない。そんな卸売業が抱える課題を解決し、海外取引の効率化までも支援する卸売業向け販売管理製品を紹介する。
業務効率の向上とスピーディーな経営判断を実現
2006年2月、日立情報システムズが統合ブランドとして新設した基幹業務パッケージ「TENSUITE」シリーズは、シリーズ累計で約3000システム以上の導入実績を誇る。このTENSUITEの中でも、販売管理を中心として卸売業向けに提供されているのが「TENSUITE for Wholesale」だ。
TENSUITE for Wholesaleは、販売・購買・倉庫・保守などの卸売業の各部門の一元化を図ることで、業務の効率化と精度向上を実現する製品だ。年商10億~500億円規模の卸売企業をターゲットとしたこの製品は、一般機械器具をはじめ電気機械や輸送機械、精密・医療機器など幅広い業態の企業に対応している。卸売業で最も重視される販売および在庫管理を中心に、基幹業務システム全体の統合管理を実現できる。
同社 アプリケーションパッケージ事業部 第三本部 第一開発部 第1グループ 主任技師の中島義博氏は、「多くの企業では販売管理と在庫管理が別々のシステムで構築されており、データの分断を原因とする不具合が発生しています」と、卸売業が抱える課題を語る。システムが販売管理と在庫管理に分かれた状況では、当然ながら各システム内だけでデータ処理が完結してしまう。そこで連結部分をデータ連携機能や手入力で補うわけだが、作業の手間が増えるだけでなく、入力ミスやデータ重複など深刻なトラブルが発生するのである。また、データを一連の流れでとらえられないため、経営判断のスピードに及ぼす影響も大きいといえるだろう。
TENSUITE for Wholesaleは、こうした卸売業の課題解決を目指した製品だ。販売管理と在庫管理を1つのシステムで網羅しているため、データ連携に掛かる手間は一切不要。業務効率の大幅な向上に加えて、スピーディーな経営判断を実現してくれる。
進ちょく確認機能で業務の「見える化」を支援
TENSUITE for Wholesaleでまず注目したいのが、業務の「見える化」を支援するための機能だ。分散した在庫データを一元管理できるのはもちろん、標準装備されている進ちょく確認機能では、受発注に加えて仕入や出荷までの進ちょく状況を一貫した流れの中で把握することが可能だ。例えば、納期に猶予はあるが未納品の項目を黄色(注意)、既に遅延が発生している項目を赤(警告)で表示するなど、配色の違いから業務の流れと進ちょく状況を視覚的に判断できる。設定に関しても、色分けの基準となる日数を変えられたり、受注だけでなく発注を起点にしたりと自由度が高い。また、進ちょく状況の表示画面からドリルダウンして詳細情報を確認できるため、迅速な原因分析につなげられるのも大きなメリットといえるだろう。
内部統制から輸出入管理まで幅広く対応
特徴的な機能としては、上場企業の必須条件である内部統制への標準対応が挙げられる。例えば、不良債権を防止する与信管理機能では、受注・売上伝票の入力で与信限度を上回った際にアラームを出すことが可能。与信限度は当月売り上げ・入金、受取手形残、受注残といった項目をフレキシブルに指定できる。
そのほか、誰が・いつ・どのような内容の修正・入力を行ったかが分かるアクセス履歴、見積・受注・発注処理に関して最大5段階のルート承認が可能な上長承認機能などを採用。変わったところでは、返品理由の明確化を義務付けられる「理由コード」の定義機能も搭載。「なぜ返品が起きたのかを分析・特定することで、返品率を減らしていくための改善が行えます」(中島氏)
また、多角的な分析を要する現代ビジネスにおいて、TENSUITE for Wholesaleに標準搭載されたBI(Business Intelligence)機能も企業にとって大きな魅力だろう。このBI機能では44種類の豊富なメニューにより、例えば売り上げを地域別・ロット別・月別に表示するといった多角的な分析が行える。実際の操作は、メニューを実行するとMicrosoft Office Excel(以下、Excel)が開き、あらかじめ設定されたフィールドリストの項目から自由に集計キーを選択できる。また、縦軸と横軸をドラッグ操作で入れ替えられるなど、簡単かつスピーディーに実績集計ができるのも魅力だ。
さらにTENSUITE for Wholesaleは、オプションで国内の販売・購買管理と連動した輸出入管理にも対応している。まず輸入管理に関しては、オーダー登録から輸入諸掛計上・輸入仕入計上、外貨ベースでの支払処理、輸入諸賭の原価計上など一連の機能をサポート。国内・海外受注データの引用が行えるほか、仮金額ベースで月次締めに合わせて運用できる輸入諸掛の案分機能、オーダーレートと計上レートの個別登録、複数の支払い方法対応といった機能を備えている。一方の輸出管理についても、時系列で一覧表示できる見積もりの変更履歴管理、標準単価や取引先別掛率単価をはじめ多彩な単価算出方法への対応、輸出関連帳票の作成機能などが採用されている。
TENSUITE for Wholesale導入事例ハイライト
株式会社バンノ
ゴム成形品や樹脂成形品の卸販売を手掛けるバンノは、小型の樹脂部品から海洋機材類まで幅広い製品を調達・製造している。従来は小物と大物を取り扱う2つの事業所がシステム的に分離されていたため、集計作業における人為的ミス、経営情報の不明りょう化、在庫の不整合、輸出入業務の負担増大といった問題を抱えていた。そこで、現行システムの良い部分を継承しつつ、機能改善が図れることを導入根拠にTENSUITE for Wholesaleを採用。2つの事業所でシームレスなデータ共有と見える化を実現したのはもちろん、正確かつリアルタイムな経営情報の把握、システム在庫の明確化、さらには輸出入業務の省力化が可能になったという。
株式会社ヴァンパッシオン
ワイン輸入卸売業を行うヴァンパッシオンは、ベンチャーとして2004年に創業以来、急成長を遂げている企業だ。同社では当時、売上規模拡大に伴う作業効率の向上の必要性だけでなく、的確な販売データの分析、株式公開に向けた経営の透明化という目的もあり、本格的なシステムの導入に踏み切った。そこで、売り上げが50億円規模の出荷量やデータに対応する、月次の正確な損益が簡単に算出できる、内部統制やセキュリティ強化にも対応するといった観点からTENSUITE for Wholesaleを採用。販売管理のシステム化で作業効率が改善されたほか、販売業務に活用できる詳細かつ正確なデータの蓄積・分析、迅速なIR情報の開示と経営の透明化を実現している。
各企業の“強み”を最大限に引き出す柔軟なカスタマイズ性
TENSUITE for Wholesaleでは、これまで培った技術やノウハウから卸売業のベストプラクティスとなる標準フローを採用している。一方で、1987年にオフコン用の販売管理システム「OFIS-Ace Un」をリリース以降、20年以上にわたって「天成」「天商」「Web天成」といった製品に受け継がれてきたカスタマイズ性も注目すべきポイントだ。中島氏は「各企業が持つ“強み”を最大限に引き出し、競合他社への優位性を確保するには、どうしても細かい部分で独自の業務処理方法に対応させる必要が出てきます。そこで活躍するのが、ユーザー企業自身で手軽に各種項目を変更できるカスタマイズ機能です」と語る。
画面レイアウトや帳票の項目を変更する場合、ユーザーが有償でベンダーにプログラム修正を依頼する方法が一般的だろう。そんな中、ユーザー自身が簡単に使えるカスタマイズ機能を提供する理由を、中島氏は「近年では規模の拡大に合わせて業務が複雑化・多重化している企業が多く、フレキシブルさを追求した結果がこのカスタマイズ機能なのです」と語る。本体のバージョンアップ時にはカスタマイズ内容が引き継がれるため、再変更作業や動作確認が不要という点も魅力といえる。
また、上記のユーザーカスタマイズ機能のほか、売掛残集計単位や売掛残の消費税管理をはじめ、約400項目が業務ルールに応じて変えられる「ビジネスパラメータ」と、項目けた数や画面レイアウトなどを自由に変更できる「専用カスタマイズツール」が用意されている。これらを使えばセミオーダー感覚で、プログラム品質を維持したまま短期間かつ低コストで独自システムの構築が行えるわけだ。
このようにTENSUITE for Wholesaleは、販売管理と在庫管理だけでなく、輸出入管理や内部統制を一本化できる利便性、そして豊富なカスタマイズ機能までも兼ね備えた基幹業務統合ソリューションだ。データ連携の悩みを抱える企業にとって、非常に心強い製品といえるだろう。
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