部門別:Microsoftライセンス攻略(後編)
不要なMicrosoftライセンスの節約効果は数百万ドル!?
コンプライアンスの面からもライセンスの知識は不可欠だが、ライセンスを適切に管理することで無駄を省き、費用を大幅に節約することも可能になる。
「ライセンス管理」には、ソフトウェアの不正使用を防ぐといったコンプライアンス面の目的が強調されるが、費用の削減といったメリットもある。レイオフを検討する前に、無駄なライセンス契約の見直しをしてみる価値がある。
前編「システム管理者に要求されるMicrosoftライセンスの知識」に引き続き、IT管理部門、ソフトウェア資産管理部門、調達部および業務部、経営陣が知っておくべき事項について解説する。
IT管理部門
組織(ひいては組織のテクノロジー)の実際の機能に即してライセンスが考えられていることはほとんどないため、IT部門全体でソフトウェアライセンスについて多大な専門知識が必要になる。一般に、組織が大きくなって、IT部門のセクションが分化すればするほど、ライセンスの専門知識は重要になり、フルタイムの担当者が必要になる。ライセンス担当者は、以下の事項が求められる。
- ソフトウェアアーキテクトが、規約に準じたシステムを設計するようにする
- ヘルプデスクスタッフ、ITスタッフ、エンドユーザーのための文書を作成および更新する
- ソフトウェア申請が確実に完了しているようにする
- 可能であれば購入時期を選ぶか、適切なボリュームライセンスプログラムを使用して支出を抑える
- ライセンスや予算に影響する既存または計画中のITプロジェクトについて調達担当者にアドバイスする
これは見過ごされがちな点だが、開発用ソフトウェアや評価ソフトウェアの正しい用法についても、ライセンス担当者は熟知している必要がある。ソフトウェアの開発や評価を行う技術スタッフは、ライセンスの問題を考えることがあったとしても、後手に回ることが多いが、Microsoftの規約ではそれぞれに制限が規定されている。
ソフトウェア資産管理部門
ソフトウェアライフサイクルを効率よく管理することで、会社は大きな見返りを期待できる。余ったソフトウェアを再利用し、運用を中止したPCからライセンスを回収し、ベンダーからの監査要求にも迅速にお金を掛けずに対応できる。また、実際のソフトウェア使用状況を追跡して、過剰なライセンス購入を防止し、無駄なく必要なだけのソフトウェアを購入できる。
このような作業を通じて、資産管理は組織のライセンスインフラストラクチャのハブになる。これには、構成管理データベースの保守、IT部門による展開状態のトラッキングの支援、展開されているソフトウェアと購入されているライセンス間の不整合についての調達部門への連絡が含まれる。不整合がある場合、規約違反にならないようにライセンスを買い足すか、ライセンスが過剰にある場合はライセンスをキャンセルすることになる。ライセンスを買わずに済むように、資産管理によってタイミングよく規約に準じていないインストールソフトウェアを見つけられるのが理想だ。
(両者が一致することはほとんどないが)所有しているライセンスと実際に使用されているライセンスを知ることは、ソフトウェアベンダーとの交渉を有利に進めるためや、アップグレードまたは新しいITプロジェクトの予算を策定する場合にも非常に重要だ。「このソリューションを運用するためにアップグレードまたは入れ替えが必要なデスクトップPCは何台か?」といった事項を確認してほしい。
調達部および業務部
調達部のスタッフや、財務、契約管理担当者などの業務部のスタッフは、多数のベンダーに対応しなければならない。よって、Microsoftのライセンス規約を完全に理解していることを期待するのは非現実的な場合も多い。
規模の大きい組織では、通常、十分な人数の調達スタッフがいるため、主要ベンダー専任の担当者を確保できる。Microsoftの担当者は、ボリュームライセンスアグリーメントの交渉や、最適な購入パスの決定に関わることが多いため、同社のボリュームライセンスプログラムについて詳細な知識が必要だ。
調達担当者は、経営陣とIT管理部門と綿密にコミュニケーションを取る必要がある。経営陣とのコミュニケーションによって大枠の目標が決まり、IT管理部門とのコミュニケーションによって、その目標を達成するか、少なくともサポートするために必要なテクノロジーの構想を練ることができる。デスクトップPCのアップグレードやクラウドへの移行など、重要なITプロジェクトのタイミングを知っておくことは、ライセンス計画を立てて適切なソフトウェアをタイミングよく購入するためには必須だ。
業務スタッフには、ライセンスを基にビジネスプロセスを立てられるだけのライセンスの知識も必要になる。組織のソフトウェア資産の評価、予算策定、購入、配布、追跡、測定、再評価、記録のワークフローは、分かりやすくなければならない。ワークフローが明確なら、ライセンスについての疑問に対する単純明快な答えを必要とする従業員が、何時間もフラストレーションを抱えずに済む。
経営陣
ソフトウェアライセンスは、現在のほとんどのビジネスで必要な検討事項ではあるが、ビジネスリーダーの最優先課題である必要はない。
ただし、ビジネスリーダーは会社の方針を決め、ソフトウェアライセンスの管理者の採用に直接的または間接的に関わる。期待されるライセンス順守の状態を明示し、そのためのリソースを提供する必要がある。
優秀なライセンスチームは、収益を上げるグループにはならなくても、かなり効果的に費用削減を実現するチームになり得る。売上成長率が伸び悩む時代にあっても、ライセンスを適切に管理することで、収支にはプラスの効果が得られる。ライセンスチームの手腕次第で、レイオフや生産縮小、大幅なコスト増なしで、数百万ドルを節約できる。
従って、経営陣はソフトウェア管理の必要性を理解し、ライセンスの知識が育まれ、ソフトウェアライフサイクル管理の関係者全員がきちんとコミュニケーションを取れるようにするだけのリソースを提供するようにしてほしい。
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