携帯電話料金との比較も用意
スマートフォンIP電話サービスのコストを比較する
どのサービスが一番安いのか。携帯電話と比べた場合のコスト削減効果は。本稿は、スマートフォンIP電話サービスのコストを比較する。
スマートフォンでIP電話が利用できる「スマートフォンIP電話サービス」は、通話コストの大幅な削減が売りだ。本稿は、サービス間のコストの違いや携帯電話と比べた場合にどれぐらい通話コストが抑えられるかなどをまとめた。
具体的な導入効果やトレンドは「導入効果を知る! スマートフォンIP電話サービス」で解説しているので、一読いただきたい。
サービス料金を比較
主要なスマートフォンIP電話サービス6種の料金を表にまとめた。参考として、携帯電話事業者が提供する標準的な料金プラン(NTTドコモ「タイプMバリュー」、KDDI「プランMシンプル」、ソフトバンクモバイル「ホワイトプラン、ホワイトプラン(i)」)と、長時間通話向け料金プラン(NTTドコモ「タイプLLバリュー」、KDDI「プランLLシンプル」)も併せて記載した。
■スマートフォンIP電話サービスの利用料金
| サービス名 | R-sky | 050 plus for Biz | エスモビ | CTC 050モバイル | 楽天モバイル for Business | BlueSIPフォン BIZ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ベンダー | アールストリーム | NTTコミュニケーションズ | ソフィアモバイル | 中部テレコミュニケーション | フュージョン・コミュニケーションズ | ブルーシップコミュニケーションズ |
| 初期費用 | 3150円 | 1050円 | 3150円 | 1050円 | 2100円 | 1050円、法人登録設定料2万1000円 |
| 月額基本料金 | 4980円 | 525円 | 5960円(2年契約の場合4200円) | 315円 | 2310円 | 635.25円、法人基本契約料5250円(100番号まで) |
| 国内固定電話への発信料金 (1分当たり) |
8円 | 2.8円(課金は3分単位:8.4円/3分) | 6円 | 2.8円(課金は3分単位:8.4円/3分) | 2.8円(課金は3分単位:8.4円/3分) | 21円 |
| 国内携帯電話への発信料金 (1分当たり) |
18円 | 16.8円 | 17円 | CTCモバイル、KDDIへの発信:16.254円、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルへの発信:16.821円 | 16.695円 | 21円 |
| 米国(本土)への発信料金 (1分当たり) |
5円 | 9円 | 3円 | 8円 | 8円 | 8円 |
| 中国への発信料金 (1分当たり) |
5円 | 29円 | 3円 | 30円 | 30円 | 30円 |
| 無料通話 | サービス加入者同士や国内固定電話への通話は180分間無料、180分以降は8円/分 | サービス加入者同士、同社「ひかりライン」「OCNドットフォン オフィス」「.Phone IP Centrex」の契約電話への通話 | サービス加入者同士 | サービス加入者同士、同社「CTC 光電話プラス」「CTC IPセントレックス」「コミュファ光電話」「コミュファ・光電話オフィスプラス」の契約電話への通話 | サービス加入者同士、同社「FUSION IP-Phone」、ウィルコムPHS、提携事業者の契約電話への通話 | サービス加入者同士、フュージョン・コミュニケーションズ「FUSION IP-Phone」の契約電話への通話 |
| 利用可能端末 | 同社の「RstreamA1」(参考価格:2万9800円~) | 市販のAndroid/iOS端末 | 同社の「IDEOS X5」(参考価格:2万9800円~)と「IDEOS X5 Pro」(参考価格:3万6000円~) | 市販のAndroid/iOS端末 | ウィルコムのPHS端末 | 市販のAndroid端末 |
■(参考)携帯電話事業者の料金プラン
| プラン名 | タイプMバリュー | タイプLLバリュー | プランMシンプル | プランLLシンプル | ホワイトプラン、ホワイトプラン(i) |
|---|---|---|---|---|---|
| ベンダー | NTTドコモ | NTTドコモ | KDDI | KDDI | ソフトバンクモバイル |
| 初期費用 | 3150円 | 3150円 | 3150円 | 3150円 | 3150円 |
| 月額基本料金 | 5250円 | 1万3650円 | 5250円 | 1万4070円 | 980円 |
| 国内固定電話への発信料金 (1分当たり) |
29.4円(課金は30秒単位:14.7円/30秒) | 15.75円(課金は30秒単位:7.875円/30秒) | 29.4円(課金は30秒単位:14.7円/30秒) | 15.75円 | 42円(課金は30秒単位:21円/30秒) |
| 国内携帯電話への発信料金 (1分当たり) |
29.4円(課金は30秒単位:14.7円/30秒) | 15.75円(課金は30秒単位:7.875円/30秒) | 29.4円(課金は30秒単位:14.7円/30秒) | 15.75円 | 42円(課金は30秒単位:21円/30秒) |
| 米国(本土)への発信料金 (1分当たり) |
68円(課金は30秒単位:34円/30秒) | 68円(課金は30秒単位:34円/30秒) | 44円 | 44円 | 78円(課金は30秒単位:39円/30秒) |
| 中国への発信料金 (1分当たり) |
114円(課金は30秒単位:57円/30秒) | 114円(課金は30秒単位:57円/30秒) | 74円 | 74円 | 198円(課金は30秒単位:99円/30秒) |
| 無料通話 | 4200円 | 1万1550円 | 4252円 | 1万2600円 | ソフトバンクモバイルの契約電話への通話は13~21時まで無料 |
スマートフォンIP電話サービスコスト比較表のダウンロード
- 今回紹介した6サービスのコストをより見やすくまとめた比較表をPDFで提供しています。「スマートフォンIP電話サービスのコスト比較表」からダウンロードしてください。
国内固定電話向け:最安は1分当たり2.8円、携帯電話と比べて大幅なコスト減
スマートフォンIP電話サービスの国内固定電話への発信料金は1分当たり2.8円(3分当たり8.4円)が最安値だ。NTTコミュニケーションズの「050 plus for Biz」と中部テレコミュニケーションの「CTC 050モバイル」、フュージョン・コミュニケーションズの「楽天モバイル for Business」が該当する。
注意すべきなのは、上記3サービスとも課金が3分単位であることだ。3分以下の通話の場合でも8.4円が掛かることになる。1分以下の通話の場合、1分当たり6円のソフィアモバイル「エスモビ」や1分当たり8円のアールストリーム「R-sky」の方が上記3サービスよりも安価となる。
携帯電話事業者の料金プランと比較すると、NTTドコモの「タイプLLバリュー」やKDDIの「プランLLシンプル」といった長時間通話向けの料金プランは1分当たり15.75円。ブルーシップコミュニケーションズの「BlueSIPフォン BIZ」を除き、スマートフォンIP電話サービスの通話料金の方が安い。
月額基本料金や無料通話分も含めて1カ月に掛かるコストをトータルで比較した場合でも、BlueSIPフォン Bizを除く5サービスは、通話時間にかかわらずNTTドコモのタイプLLバリューやKDDIのプランLLシンプルより安くなる。BlueSIPフォン Bizは通話時間370分程度まではタイプLLバリューやプランLLシンプルよりも安いが、それ以上の通話の場合は高くなる。
国内携帯電話向け:携帯事業者の長時間通話プランの方が割安の場合も
国内携帯電話向けの通話料金が最も安いのは、中部テレコミュニケーション「CTC 050モバイル」の1分当たり16.254円だ。これはCTCモバイルとKDDIの携帯電話への発信の場合で、NTTドコモやソフトバンクモバイル、イー・モバイルの携帯電話への発信は1分当たり16.821円となる。NTTコミュニケーションズの「050 plus for Biz」は、携帯電話事業者を問わず1分当たり16.8円だ。NTTドコモやソフトバンクモバイル、イー・モバイルの携帯電話向けの発信が多い場合は、CTC 050モバイルよりも050 plus for Bizの方が安くなる。
実は国内携帯電話向けの場合、携帯電話事業者の長時間電話プランの方が通話料金が安価になるケースがある。NTTドコモのタイプLLバリューとKDDIのプランLLシンプルは1分当たり15.75円であり、1分当たり16.254円のCTC 050モバイルよりも安い。
国際電話:米国への通話は1分当たり3~9円
携帯電話と比べて圧倒的に低コストとなるのは国際電話である。特に米国に電話をかける場合、ソフィアモバイルのエスモビであれば1分当たり3円で通話できる。米国宛ての通話料金が最も高いNTTコミュニケーションズの050 plus for Bizでも1分当たり9円であり、1分当たり44円~78円である携帯電話事業者の通話料金と比べてかなりの安価になる。
中国への通話料金はエスモビが1分当たり3円と最安で、アールストリームのR-skyが5円と次に安い。他のサービスは1分当たり29~30円と高めだが、74~198円掛かる携帯電話事業者の料金プランに比べると安く抑えることができる。
コスト比較の際に確認すべき項目
パケット通信サービスの有無
アールストリームのR-skyとソフィアモバイルのエスモビは、IP電話に加えてパケット通信サービスを標準で利用することができる。両サービスの月額基本料金は、R-skyが4980円、エスモビが5960円。エスモビの月額基本料金は2年契約の場合、4200円になる。携帯電話事業者が提供するスマートフォン向けパケット定額サービスは5460円程度が主流であることを考えると、通話料金とパケット通信料金を併せて抑えることができる。
他のサービスは、携帯電話事業者などが提供するパケット通信サービスを利用する必要がある。
サービスの契約・利用条件
単独で申し込むことができないサービスがあることに注意したい。例えば中部テレコミュニケーションのCTC 050モバイルは、同社のネットワークサービス「CTC EtherLINK」「CTC EtherDIVE」「CTC Etherコミュファ」のいずれかと、有償オプション「CTC光電話プラス」の契約が必要になる。
利用できる端末の制限があるケースもある。アールストリームのR-skyとソフィアモバイルのエスモビは自社が提供する端末のみ。ソフィアモバイルはIP電話アプリケーションのみを提供することで、市販のAndroid端末で利用可能にした「エスモビトーク」も提供する。
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