IP電話の“生命線”、呼制御とQoSとは?知ってるつもり? IP電話AtoZ(4)

データと同じIPネットワークを利用するIP電話間の通話には、音声を正しく伝え、品質を一定に保つための仕組みが必要になる。今回はIP電話のキモとなるSIPなどの呼制御プロトコルとQoSを説明する。

2011年03月08日 11時00分 公開
[荒牧大樹,ネットワンシステムズ]

 今回は、通話の手順を決める「呼制御プロトコル」と、音声品質を保つための技術「QoS」について解説する。

キーワード解説(1) 呼制御プロトコル

 呼制御プロトコルとは、電話をかけたり通話の終了後に電話を切ったりといったIP電話端末の制御や、IP-PBX間の接続をするためのプロトコル(通信規約)である。一般的には、SIP(Session Initiation Protocol)やH.323が使用される。さらに、ゲートウェイを制御するプロトコルとしてMGCP(Media Gateway Control Protocol)が使われる場合もある。

 また、音声をIP化する場合には、符号化方式としてG.711・G.722・G.729などの音声プロトコルが使われ、それぞれ帯域、音質、品質保持の面で特徴を持っている。ビデオにも同様にさまざまな符号化方式があり、H.261・H.263・H.264などが利用される。

技術トレンド

 従来、呼制御によく使われるプロトコルはH.323である。サーバを必要としない構成が可能なため、ビデオ端末やゲートウェイなどで採用された。しかしH.323は、プロトコルの構造が複雑で実装が難しいため、現在はビデオも含めて実装が容易なSIPが使われるようになっている。ただしSIPは、H.323と違いサーバを必要とし、またゲートウェイ用にはMGCPが呼制御装置間で使われていることもある。SIP・H.323共にメーカーで独自に拡張している場合があるので、複数メーカー間を接続する際は事前の動作確認が必要になる。

関連ホワイトペーパー

IP電話 | 無線LAN | Skype | ビデオ会議


ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...