タブレットはMicrosoftとAppleの次の主戦場?
どっちを選ぶ? 「Surface」と「iPad」を徹底比較
米Microsoftが自社製タブレット「Surface」を発表したことで、タブレット市場はさらに面白くなった。SurfaceはiPadの牙城を切り崩せるのか? まだ不明な点は多いが、分かる範囲内でSurfaceとiPadを比較してみた。
2012年6月に米Microsoftが発表したタブレット「Surface」と米Appleの「iPad」との比較は、避けては通れない。ただし、両者には多くの共通点があるとはいえ、比較に当ってはそれぞれが想定している使用イメージが全く異なることに注意が必要だ。
AppleはiPadをコンテンツ消費(ビュワー)端末として開発している。ユーザーはゆったりと椅子の背にもたれ、Webページを閲覧し、電子書籍やメールを読み、ビデオを鑑賞し、写真を眺める。そんな使い方が想定されている。
一方、Microsoftが描くSurfaceの使用イメージは非常に異なる。物理キーボードを提供し、Microsoft Officeを搭載する他、Intelモデルではアクティブペンをサポートする予定だ。Surfaceは明らかにコンテンツ作成を意図した端末で、ユーザーが前に身を乗り出してWord文書やスプレッドシートなどに入力するイメージだ。
ただし、AppleはiPadを「椅子の背にもたれながら使う」端末として位置付けていても、ユーザーの多くはそう考えていない。最も売れているiPadの周辺機器の1つは物理キーボードだ。ソフトウェアもOfficeファイルを操作できる製品が根強い人気を誇る。コンテンツ作成にiPadを使用しているユーザーが多いという事実がそのようなタブレット需要を物語っている。そしてMicrosoftはその需要に応えようとしている。
Surface vs. iPadを詳細比較
iPadとSurfaceがターゲットとする市場は異なるが、どちらもタブレットという同種の端末である以上、物理的に共通点が多い。それでも、幾つか目立った違いもある。とは言うものの、本稿執筆時点では、Surfaceについては最も重要でありながら詳細が明かされていない機能があるため、両タブレットの完全な比較は難しい。
CPUと画面サイズ、解像度
Surfaceは、ARMベースのNVIDIA Tegraプロセッサを採用したWindows RT搭載モデルと、x86 Core i5チップを採用したWindows 8 Pro搭載モデルの2機種で展開される。
「新しいiPad」は、OSがApple iOS 5.1(2012年7月現在)で、プロセッサにはApple独自のA5X CPUを採用している。A5XもARMベースのチップで、1GHzのデュアルコアCPUだ。Surfaceはどちらのモデルも正確なCPUクロック速度が発表されていないので、本稿執筆時点では比較できない。
Surfaceは両モデルとも10.6インチの画面を採用する。RT搭載モデルは「HD」ディスプレー(恐らく1280×720)になり、ProモデルはフルHD(1920×1080)ディスプレーになる予定だ。どちらも静電容量式タッチスクリーンで、少なくともPro搭載モデルではタッチペンをサポートする。
新iPadの画面は9.7インチ、解像度2048×1536の静電容量式タッチスクリーンなので、Surfaceよりもサイズは小さいが解像度は高い。
ストレージ&拡張機能
SurfaceのRT搭載モデルでは、内蔵ストレージのサイズが32Gバイトまたは64Gバイトの2種類が用意される。Pro搭載モデルでは、64Gバイトまたは128Gバイトのオンボードストレージが採用される予定だ。両モデルともmicroSDメモリーカードスロットが付くので、内蔵ストレージ以上の容量を利用できる。
iPadの内蔵ストレージは16Gバイト、32Gバイト、64Gバイトの3種類で、メモリカードスロットは付かない。ストレージに関しては、Surfaceに軍配が上がるだろう。
Surfaceでは、全機種にフルサイズのUSBポートが搭載されるので、キーボードやマウスなど、さまざまな周辺機器を接続できる
iPadは、周辺機器にワイヤレスで接続することを基本とした設計になっているため、USBポートはない。キーボードにはBluetooth対応キーボードを使い、外部モニターにはAirPlayを使って接続することが前提となっている。ユーザーの選択肢が広がるのはMicrosoftのソリューションの方だ。
対応アプリケーション
SurfaceのWindows 8 Pro搭載モデルは、Windows向けソフトウェアのほぼ全てを実行することができる。ただし、タッチスクリーン指向のタブレット端末で既存のソフトウェアが使いやすいかどうかは別の話だ。一方、Windows RT搭載モデルで利用できるアプリケーションは、ARMベースのタブレットでの実行を考えた機能縮小版になり、利用できるMetroインタフェース対応アプリケーションはぐっと少なくなる。Microsoftは以前、MetroスタイルアプリケーションはARM搭載タブレットとx86搭載タブレットの両方に対応すると発言しているため、Pro搭載モデルでもRT搭載モデルと同じMetroスタイルアプリを使用できるだろう。
iPad向けアプリケーションについては、iTunes App Storeで既に数十万種類が提供されている。iPad向けアプリケーションは、Windowsソフトウェアよりも簡素(で安価)なものが多い。アプリケーションについては、ビジネスユーザーであれば、SurfaceのWindows 8 Pro搭載モデルが有利だ。
ネットワーク
Surfaceはどちらのモデルでもインターネット接続はWi-Fiのみとなり、携帯電話のデータ通信サービスには対応しない。
iPadには、Wi-Fiだけでなく携帯電話キャリアのネットワークに接続できるバージョンもある。インターネット通信については、iPadが一歩先んじている。
カバー
画面カバーを比べてみよう。Surfaceでは、磁力で本体に取り付ける画面カバーは2種類用意され、1つは物理キーボードとトラックパッドを備える。
Appleはタブレット本体に磁力で取り付ける画面カバーの先駆者だが、物理キーボード付きのiPadカバーはない。ただし、サードパーティーの周辺機器メーカーからさまざまな製品が出されているため、画面カバーに関しては両者は互角だ。
バッテリー駆動時間
連続駆動時間は、Surfaceの各モデルについて公式に発表されていないが、米ITニュースサイト「Computerworld」は、幾つかの数字を基にWindows RT搭載モデルの連続駆動時間を7.5時間としている。これは、iPadよりも2.5時間短い。
価格は?
Surfaceの価格は明言されていない。Microsoftによれば、Windows RT搭載モデルは他社製のARMタブレットと戦える価格に設定するとのことで、例えば相手がSamsung GALAXY Tab 2 10.1ならば400ドル前後になる。Windows 8 Pro搭載モデルはUltrabook(2012年6月現在、600~1000ドル)と同程度になる見込みだ。
第3世代のApple iPadの価格は最低でも500ドルで、構成によっては最高で830ドルになる。
結論
本稿執筆時点では、依然としてMicrosoft Surfaceについて不明な点が多く、iPadと意味のある比較をすることはできない。せいぜい言えるのは、SurfaceとiPadのどちらかを選ぶ場合、それぞれに意図された用途を考慮しようということぐらいだ。本格的なコンテンツ生成端末が欲しいのなら、Windows搭載端末を検討する。一方、iPadは一般点なコンテンツ消費者に最適だろう。
もちろん、Surfaceに関する不明点が明らかになった時点で、このアドバイスは変わる可能性がある。連続駆動時間が短い、価格が高いなどのSurfaceに大きなマイナス要因が出てくれば、今後もiPadが最高のタブレットとして君臨するだろう。
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