徹底比較! GoogleとAmazonのコンテンツ力【前編】
比べて分かる、Nexus 7がKindle Fireより「買い」な理由
米Googleの「Nexus 7」と米Amazon.comの「Kindle Fire」は、どちらが買いなのか? 本稿では、満足度を左右する主要因のコンテンツに焦点を当て、両者を徹底比較する。
米Amazon.com(以下、Amazon)の「Kindle Fire」と米Googleの「Nexus 7」には多くの共通点がある。どちらも200ドルという低価格の手頃なタブレットであり、ディスプレーのサイズはいずれも7インチだ(関連記事:タブレットの画面サイズ、7インチと10インチどちらがベスト?)。さらに重要なことに、どちらの端末もそれぞれのブランドのコンテンツサービスに合わせて開発されている。では、AmazonとGoogle、どちらの「エコシステム」が優れているのだろうか?
数字も重要ではあるが、それだけで優劣は決められない。そこで本稿では、コンテンツの質や排他性、構成に加え、ユーザーが享受できるさまざまな特典を考慮に入れて徹底的に比較する。断っておくが、AmazonとGoogleから入手できるアプリケーションの全てがKindle FireやNexus 7で利用できるわけではない。とはいえ、Kindle FireとNexus 7は、それぞれのコンテンツサービスに合わせて作られたものだ。であれば、コンテンツサービスを比較することは、各自が自分に最適なタブレットを見極めるためにも意味のあることになるだろう。
コンテンツの品ぞろえ
純粋に量だけでいえば、Googleのアプリケーションストア「Google Play」が、Amazonの「Amazon Appstore for Android(以下、Amazon Appstore)」を大差で引き離している。Google Playには60万本以上のアプリケーションが登録されているが、Amazon Appstoreには約4万7000本しか登録されていないようだ(Amazonは正式な数字を公表していないが、本稿執筆時点で登録されているアプリケーションを合計すると、4万7639本だった)。
テレビ番組や映画といった動画の品ぞろえに関しては、両社の差はそこまで大きくないようだ。Amazonは「Amazon Instant Video」ライブラリで10万本以上のタイトルを提供しており、GoogleもGoogle Playで数千本を提供しているという。
ただし、Amazon Instant Videoには無料でストリーミング視聴できるコンテンツがあるのに対し、Google Playには購入してダウンロードする選択肢しかない。ただし、Amazon Instant Videoの「無料」は条件付きだ。Amazon Instant Videoの一部コンテンツを無料でストリーミング視聴できるのは、年間79ドルの有料サービス「Amazon Prime」の会員に限られる。
残念ながらAmazon Appstoreには、Google Playと比べて特に注目に値するような独占的なコンテンツはない。SkypeやTwitterなど、主要なAndroidアプリケーションの多くはどちらのストアでも入手できる。ただし、Google Playには、Instagramなど、Amazon Appstoreでは入手できない人気のアプリケーションが幾つかある。
となると、次のような疑問が浮かぶのも当然だ。Google PlayにはAmazon Appstoreと同じコンテンツに加えて、さらにそれ以上のコンテンツが用意されている。にもかかわらず、なぜAmazon Appstoreを選びたがるユーザーがいるのだろうか?
なぜなら、「どの端末がGoogle Playを利用できるかについては、Googleが決定権を持っている。自分のAndroid端末が運悪くGoogle Playに対応していない場合、ユーザーには選択の余地がない」というのが、その答えだ。Google Playにはある程度の排他性があり、全ての端末がGoogle Playへアクセスできるわけではない。当然、Kindle Fireは非対応端末のリストに入っている。一方、Amazon Appstoreは、ありとあらゆるAndroid端末にダウンロードできる。
こうした排他性は、Google Playにとってマイナスに作用する面もあるだろう。だが一方では、「Kindle FireよりもNexus 7を購入すべき」という主張を支持する論拠にもなる。なぜなら、Nexus 7のユーザーは、Google Playを利用できるだけでなく、必要性を感じればAmazon Appstoreをダウンロードして両方のサービスを活用できるからだ。一方で前述の通り、Kindle FireはAmazon Appstoreにしかアクセスできない。
Kindle FireからはAmazon Instant Videoのライブラリを利用できるが(Nexus 7では利用できない)、これは大したメリットではない。Amazon Instant Videoで提供されている動画の大半は、米Netflixの「Netflix」(オンラインストリーミング用のアプリケーション。どのAndroid端末へもダウンロードできる)でも提供されているからだ。
さらに、Amazonは先頃、iOS端末からもAmazon Instant Videoを利用できるようにした。Kindle Fire以外のAndroid端末でAmazon Instant Videoを利用できるようになるのも、もはや時間の問題だ。いずれNexus 7ユーザーも、Amazon Instant Videoを利用できるようになるだろう。
コンテンツの購入方法
Googleのサービスでは、「Google Play Movies & TV」「Google Play Music」「Play Books」など、ユーザーはそれぞれ別個のアプリケーションを使って各種のコンテンツにアクセスする必要がある。ただし、ショッピングという点では、Googleのコンテンツは全て1箇所にまとめられている。アプリケーション、音楽、雑誌、映画、テレビ番組、書籍など、Googleから購入できるコンテンツは、全てGoogle Playからアクセスできる。
一方、Amazonの場合は、コンテンツの種類によって購入場所が分かれる。Amazon Appstoreは、その名の通りアプリケーションのためのストアだ。書籍や雑誌は「Kindle Store」、音楽や映画やテレビ番組はAmazon Instant Videoで扱っている。
AmazonとGoogleのどちらのサービスでも、ユーザーは、購入したコンテンツを複数の端末で同期できる。例えば、デスクトップPCからAmazon AppstoreかGoogle Play経由でアプリケーションを購入した場合、タブレットなど手持ちの端末からも、同じサービスを介して直ちにそのアプリケーションを利用できる。いずれかの端末を使って購入したコンテンツは、他のどの端末でも利用できる。
大した不便ではないが、コンテンツは全て1箇所で購入できる方が望ましいのは確かだ。その点では、Googleのエコシステムが勝ちである。Googleのサービスの場合は、Google Playだけで購入を済ますことができるのに対し、Amazonの場合は購入場所が複数に分かれている。
後編「どちらがお得? Google PlayとAmazon Appstore」は、アプリケーションの無償提供や試用といったコンテンツに関連するサービスを中心に、GoogleとAmazonのコンテンツ提供力を比較する。
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