2013 Japan IT Week 春リポート(ストレージ編)
SSD導入のジレンマを解消するストレージ最新トレンド
IT関連の総合展示会「2013 Japan IT Week 春」。本稿は同イベントの中から、企業採用が進むSSD対応ストレージの出展内容を紹介する。
東京ビッグサイトで2013年5月8日~10日の3日間開催されたIT関連の総合展示会「2013 Japan IT Week 春」。本稿では、専門展示会「第15回 データストレージEXPO」「第4回 クラウドコンピューティングEXPO」の出展の中から、SSD(ソリッドステートドライブ)関連のストレージ製品を中心に紹介する。
SSD導入の懸念点を解消する「EMC XtremIO」
EMCジャパンは、正式発表間近といわれているオールフラッシュストレージ「XtremIO」を展示。XtremIOは米EMCが2012年に買収した米XtremIOの技術に基づいている。EMCジャパンは「SSDの概念を変えるストレージ」とうたい、「SSDの有効性を理解しながらも導入に踏み切れない企業の3つの懸念点を解消できる」と説明する。
SSDの懸念点とは「寿命」「コスト」「パフォーマンス」の3つ。一般に、SSDの平均書き込み寿命はeMLC(エンタープライズマルチレベルセル)で3万回程度といわれている。また、HDDと比較して容量単価が高い他、特定のセルがホットスポットとなりアプリケーションのパフォーマンスが劣化する場合もあるため、「SSDを追加したにもかかわらず、ROI(投資対効果)が低下することがある」という(関連記事:NAND型フラッシュメモリの次を見据えるメーカーの思惑)。
XtremIOは、インライン重複排除や4キロバイト単位の分散書き込みなどが特徴。データを書き込む前に重複排除を行うインライン重複排除によって、書き込み回数が減ることでSSDの寿命も延びる。「データ量が増えるほどデータの重複は増えて重複排除率が高まるため、データ書き込み処理のパフォーマンスの向上が期待できる他、データ保存量も削減できる」という。
また、4キロバイト単位でシステム全体に分散してデータを書き込むため、セルへのアクセスを平準化。特定のセルがボトルネックとなる劣化を防いでホットスポットを解消する。遅延レベルの一貫性を保ち、ディスクを追加してもパフォーマンスを損なうことなくリニアにスケールアウトするため、最大100万IOPSを実現できるという(関連記事:SSD導入では「ウェアレベリング」と「データの整合性」に注意すべし)。
EMCジャパンは「SSDとHDDを組み合わせた階層型ストレージでは、データベースなど高度なランダムI/Oが断続的に発生する場合にパフォーマンスを十分に発揮できないこともある。オールフラッシュシステムに置き換えることで、高度なランダムアクセスにおいても高いパフォーマンスを維持できる」と説明。また、XtremIOの効果がより期待できる分野として「データベースシステムのOLTP環境」「デスクトップ仮想環境」の2つを挙げている。例えば、同じOSやデータイメージを展開することが多いデスクトップ仮想環境はデータの重複率が高く、インライン重複排除のメリットが生かせるとしている。
NexSanのミッドレンジ向け統合型ストレージ
伊藤忠ケーブルシステムは、米NexSanのミッドレンジ向けストレージ「NEXSAN NST5000」(以下、NST5000)とSAN(Storge Area Network)ストレージ「NEXSAN Eシリーズ」(以下、Eシリーズ)を展示。NST5000は、数百Tバイト規模までのデータを持つミッドレンジ層に向けたNAS(Network Attached Storage)ヘッダ製品。Eシリーズは、同一筐体内でSAS/SATA/SSDディスクの混在が可能で、最大ストレージ容量は249Tバイト。NST5000とEシリーズを組み合わせることで、NAS/SANに対応する統合ストレージ環境を構築できる。
NST5000はSSD技術を用いた「FASTier」機能を搭載し、VMwareやHyper-V、Xen環境などおけるランダムI/Oのパフォーマンスを高速化。また、ドライブを引き出し型で格納する「Active Drawer Technology」規格によって搭載ディスクの高密度化やホットスワップによる交換に対応。さらに筺体内の排熱を効率化する冷却性能を効率化する「Cool Drive technology」機能や、アクセスがないディスクの回転数を5段階で抑制、停止することで消費電力の最適化を実施する「AutoMAID」機能などを搭載している。このAutoMAID機能では最大87%の消費電力を削減できるという。
5秒間隔でデータを継続的に再配置する「CDS-SVN5000シリーズ」
コンピュータダイナミックスは、2012年12月に販売開始したリアルタイム自動階層型ストレージ「CDS-SVN5000シリーズ」を展示。CDS-SVN5000は、SSD/SAS HDD/NL-SAS(SATA)HDDなどを最大240基搭載でき、最大実行容量は224Tバイト(10筺体の場合)。
ファームウェアの「RealStor」機能によって、自動的にデータ使用量を測定してアクセス頻度の高いホットスポットを特定。適切なストレージ階層に5秒間隔でデータを継続的に再配置する。CDS-SVN5000シリーズは、8Gb FC対応「CDS-SVM5008-F」と10Gb iSCSI対応「CDS-SVM5010-I」の2種類のモデルがある。
ビッグデータ対応ストレージアプライアンス「SFA7700」
データダイレクト・ネットワークス・ジャパンは、2013年夏に国内販売を予定している「SFA7700」シリーズを展示。SFA7700は4Uサイズの筐体に3.5インチ HDDを60基搭載でき、最大5筺体まで拡張が可能。その最大実行容量は180Tバイトだ。SFA7700は、これまでハイエンド向けに展開していた「Storage Fusion Architecture」(SFA)シリーズのミッドレンジ向けアプライアンス製品に位置付けられるという。特にHPC(High Performance Computing)/メディア分野で展開してきた、大量の同時アクセスに対応できる並列処理技術のに実績を生かした「ビッグデータ対応ストレージ」だと説明する。
SFA7700は、SSD/HDD混在環境における処理性能を向上させる上位機種の「Storage Fusion Xcelerator」(SFX)技術を継承。SFXには「SFX Read」「SFX Write」「SFX Instant Commit」「SFX Context Commit」の4つのモードがあり、読み込み/書き込み処理の高速化やアプリケーションに連動するデータ処理機能などを備えている。SFA7700の提供と併せてファームウェアをバージョンアップし、SSDのキャッシュ機能を追加する。同社によると、米国では既にSASなどの分析系システムのストレージを統合する基盤として採用されているという。
その他にも、今回のイベントではストレージ関連の製品・ソリューションが多く展示されていた。本記事で紹介できなかった製品についても今後、取材して取り上げる予定だ。
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