失望から一転、喜びの声が上がる
「スタートボタン」以上に重要な「Windows Server 2012 R2」の復活機能
2013年10月に正式リリースされたサーバOS最新版「Windows Server 2012 R2」。多くのユーザーの関心が同日リリースの「Windows 8.1」のスタートメニューボタンの復活に集まる中、ある機能の再登板がひそかに話題を呼んでいる。
デスクトップ分野のITプロフェッショナルたちは、Windows 8に関してはあまり興奮しなかったが、Windows Server 2012 R2のアップデートでRemote Desktop Services(RDS)に加えられた変更には大きな関心を寄せている。
Windows 8.1に対する筆者の期待は、ユーザーが不満に思っている部分を修正するだけの閉鎖的なバージョンにすぎない、と聞いたときから急速に冷めた。なにしろ、われわれにアピールする最大の変更が、スタート画面ではなくデスクトップを直接ブートできる機能だというのだから、もはや注目に値するものではなくなった。中身は、相変わらずWindowsなのである。もちろん、なんらかのユースケースがあるというのであれば、どんどん使えばよい。しかし、そうでなければ、Windows 7 SP1のサポートが終了する2020年まで待ってもよい。
新しいバージョンにはなにがしかの価値はあるだろうが、Windows 8.1でなければならないものは何もない。Windows Server 2012 R2は2013年10月18日(日本では10月17日)に、InTune、TechNet、あるいはMSDNを通して一般提供が開始された。Windows Server 2012 R2では、RDSが機能強化されており、ここでチェックしておく価値が十分にある。
オンラインデータ複製
この機能はWindows Server 2012にも存在したが、今回、ノンパーシステントと同様、パーシステント仮想デスクトップにも対応できるように拡張された。オンラインデータ複製は、デスクトップイメージがServer Message Block(SMB)ファイルサーバをソースとしているときのみ機能する。ファイルサーバは使用済みの情報を頻繁にキャッシュするため、誰かが仮想デスクトップをブートするたびに毎回ディスクにアクセスすることはない。
SMBファイルサーバを仮想デスクトップインフラ(VDI)バックエンドストレージとして利用している企業の数は、恐らく、それほど多くないだろう。そのため、この機能は世界を変えるほどの機能というわけではない。しかし、ユーザーの環境が小さい場合は大いに役立つはずだ。
シームレスウィンドウの拡張
RemoteAppは、パフォーマンスの向上とシームレスウィンドウ表示をローカルアプリケーションと比べて遜色のないものとするために、大幅に変更された。シームレスウィンドウは、リモートアプリのルック&フィールをあたかもローカルアプリのようにする手法だ。シームレスウィンドウの品質は、常にRemoteAppの課題となってきた。
もしシームレスウィンドウがユーザーにとって重要なものであるとすれば、恐らく既にCitrix XenAppを選択しているだろう。しかし、MicrosoftはRDSの欠点を少しずつ解消しつつある。今回のアップデートで、透過性、ライブサムネイル、そして“ドラッグ中にウィンドウコンテンツを表示する”機能が追加された。
RemoteFXの改良
Microsoftは、リモートディスプレープロトコル技術の圧縮率を高め、帯域幅を有効利用するために、コーデックをさらに改良した。既にServer 2012では、Server 2008と比較してRemoteFXのWAN機能がかなり強化されていたが、明らかにMicrosoftはさらにその先を目指しているようだ。このまま進めば、クラウドからXboxのゲームを配信することも夢ではなくなる。
Server 2012 R2のRemoteFXに用いる仮想グラフィックス処理ユニット(GPU)が、DirectX 11.1をサポートするようになった(マシンにDX 11.1をサポートするGPUがインストールされている必要がある)。これまで同様、GPUの特殊な機能を求めない限り、RemoteFXにGPUは必要ない。
シャドーイングが復活!
最後に一番うれしい話。Windows Server 2012のRDSからシャドーイング機能が削除されたことは、多くの管理者を失望させた。シャドーイングはRDSセッションをリモートからコントロールできる機能で、ヘルプデスクなどに利用することができる。
Windows Server 2012からの削除は、ウィンドウマネージャやグラフィックスパイプラインのアーキテクチャの動作方法変更に関係があると見られていた(またもMetroが原因か?)。それは、Windows Server 2012環境を構築した管理者に、そこにあった機能はもはや存在しないということを悟らせただけのだまし討ちだった。Windows Server 2012 R2においてその状況は変更され、今回シャドーイングが復活した。
シャドーイングを別にすれば、今回のアップデートに天変地異はない。率直にいって、シャドーイングの再登板で、Microsoftが歓喜のハイタッチを受けることはないだろう。なぜなら、本来そんなことがあってはならなかったからだ。いずれにせよ、RemoteFXの強化とRemoteAppの改善により、Server 2012 R2 RDSはこれまで以上に多くのユースケースに適用することが可能になった。
Windows 8.1スタイルのスタートメニューボタン(右クリックで退化したスタートメニューが現れる)の追加と全体的なWindows Server管理のエクスペリエンスは、われわれが望んでいた方向へわずかではあるが前進したといえるだろう。
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