自社に適した端末の種類を知る
デスクトップ仮想化環境で使える4種のクライアントを比較する
デスクトップ仮想化(VDI)環境で利用できる端末はPCやシンクライアントだけではない。ゼロクライアントやタブレットPC、スマートクライアントといった選択肢もある。それぞれも長所/短所をまとめた。
VDI(仮想デスクトップインフラ)セッションを実行できる端末デバイスは、シンクライアントだけではない。もっと視野を広げ、ゼロクライアントやタブレットPC、スマートクライアントなども検討すべきだ。
VDI環境で利用可能な4種類の主要な端末の長所と短所を検討し、どのタイプがあなたの会社に向いているのかを判断していただきたい。
デスクトップ仮想化の端末に関する記事
懐かしのシンクライアント
シンクライアントはPCの機能縮小版と見なすことができる。プロセッサ、ストレージ、メモリ、OSなどの主要コンポーネントはPCで使われているものと同じだが、PCと比べると容量が小さく、処理能力も低い。シンクライアントは安価なVDIクライアント用として設計されているため、基本的にはユーザーインタフェースを表示するのに必要な処理能力しか備えない。
シンクライアント用OSとしては「Windows XP Embedded」が最も一般的だ。同OSに慣れているユーザーは多く、このOSでなければ動作しないレガシーアプリケーションもあるからだ。医療分野では同OSがよく使われている。他にも「Windows CE」「Windows 7 Embedded」、Linux系OS、メーカー独自のOSなどがシンクライアントで使われている。これらのシンクライアント用OSは通常、1Gバイト、2Gバイトまたは4Gバイトのフラッシュドライブ(SSD)にインストールされる。
長所
- デスクトップPCよりも安価
- 省電力
- セキュリティに優れる
- 一元管理が可能
短所
- バックエンドのコストが高い
- 周辺機器の対応が不十分
- バックエンドの構築と管理に高いITスキルが必要
- 追加ライセンスが必要とされる場合がある
- 高度なマルチメディアのサポートが不十分
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ゼロクライアントの中身
ゼロクライアントは、処理機能、ドライブおよび組み込み型OSを備えていない。これは外部電源を必要とする小型ボックスで、エンドユーザー用のキーボード、マウスおよびモニターが接続される。ゼロクライアント端末の中には、物理ケーブルでホストシステムに直接接続し、表示機能だけの文字通り「ダム端末」として機能するタイプもある。
ネットワーク機能を備え、標準のイーサネットネットワーク上でホストシステムと通信できるゼロクライアントもある。この構成では、追加ソフトウェアをホストシステムに組み込む必要があり、IT管理者はネットワーク要件に特に注意を払わなければならない。
最近のゼロクライアントの中には、Power over Ethernet(PoE)を実装し、イーサネットケーブルを通じて電源供給とデータのやりとりが行えるものもある。この方式では電源コンセントが不要になる。ローカルOSを実行し、アップデートが必要なソフトウェアやリモートプロトコルを利用するような製品は、本来シンクライアントと呼ぶべきなのだが、こういった製品にもゼロクライアントという名前が付けられているケースがある。
長所
- 端末が安価
- OSが組み込まれていないので、アップデート、メンテナンス、セキュリティ対策が不要
- 端末の管理と設定が不要
- 電力コストが非常に低い
- 可動部品がないので製品寿命が長い
短所
- ホストシステムにケーブルで直接接続するゼロクライアントは、距離と拡張性に制約がある
- ネットワークベースのゼロクライアントは、遅延とパケット損失が少ない高速なネットワークコネクションが必要であり、帯域を大きく消費する
- ベンダー独自仕様の方式を採用し、業界標準のプロトコルに対応していないものが多い
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タブレットPCはどうなのか
タブレットPCはタッチスクリーンで操作する薄いスレート型PCだ。非常に軽量で(600グラム以下のものが多い)、持ち運びが楽なのが特徴だ。これらの端末は、米Appleの「iOS」、米Googleの「Android」、米Microsoftの「Windows 7」など、タッチスクリーンに対応した軽量型OSで動作する(「Windows 8」もタブレット用に最適化されている)。タブレットPCには、企業間および顧客との通信や共同作業のためのアプリケーションが用意されている。標準的なアプリケーションとしては、電子メール、予定表、ワープロ、プレゼンテーションなどがある。
長所
- 標準的なデスクトップよりも安価
- ワイヤレスアクセスが可能なのでモバイル性に優れる(データ通信プランもある)
- 軽量(平均600グラム以下)
- バッテリー駆動時間が長い(平均8~10時間)
短所
- 他の端末と比べると堅牢性に劣る
- USBをサポートしていない
- 独自仕様の電子メール
BYOD(私物端末の業務利用)というのは、従業員が個人で所有する端末を業務で使用することを許可する制度だ。BYODの端末は個人のPCの場合もあるが、最近では個人で所有する携帯端末(タブレットPCを含む)を利用する従業員が増えている。アプリケーションとデスクトップ環境が仮想化され、セキュリティが確保されれば、VDIクライアント自体の重要性が低下する。IT部門はサーバ上でアプリケーションの配備、管理、サポートを行うことができるため、最新のソフトウェアを動作させるためだけに既存のハードウェアをアップグレードする必要がない。
スマートクライアントはスマート(賢い)か?
「スマートクライアント」という用語は特別なプログラムが組み込まれたデバイスを指すこともあるが、IT専門家の間では、物理的な端末よりもアプリケーション環境を意味する場合が多い。スマートクライアントアプリケーションはインストールする必要がない。Web上で配布され、ユーザーの手を煩わすことなく自動的にアップデートされる。
スマートクライアントは、Webとデスクトップアプリケーションとの間のギャップを埋めるといわれている。HTTPの機能を利用して動作する標準的なWebアプリケーションよりも堅牢なのが特徴だ。スマートクライアントは、デスクトップアプリケーション並みのパフォーマンスを提供する。しかもハイエンドのデスクトップで実行する必要はない。スマートクライアントアプリケーションを構築するためのプラットフォームとしては、「Flex」「JavaFX」「Silverlight」「DataSnap」などがある。
長所
- ローカルリソースを使用する
- オフラインで動作する
- インストールとアップデートの作業が不要
- 各種のクライアントデバイスに対応
短所
- アプリケーションの種類が少ない
- コードを書き直す必要がある
- 配備が比較的困難
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