Webブラウザだけで大丈夫?
日本上陸前に確かめたい 低価格PC「Chromebook」の本当の使い勝手
日本上陸がうわさされる「Chrome OS」搭載の「Chromebook」。Webブラウザでクラウド上のアプリケーションを使うのが特徴で、価格の安さもあり注目を集める。使い勝手を探った。
筆者は過去に「Chromebook」の使用について疑問を投げ掛けたことがある。市場に出回っているChromebookの大半は力不足で、辛うじてネットサーフィンに対応しているのが現状だ。Chromebook市場では価格競争が激化している。メーカーは、できる限りの機能を搭載しながら、価格を300ドル以下に抑えている。一般消費者へのChromebookの売れ行きは好調だ。個人的にはタブレットを使用しているが、デスクトップWebブラウザの追加によりChromebookに可能性を感じている。
ユーザーが期待することとは
筆者の自宅にはChromebookがある。妻は四六時中Chromebookを使っているが、大きな問題はないようだ。時折、メール添付でWord文書を受け取ると、それにどう対応するかで悩んでいる。印刷する必要がある場合は、彼女が私にWord文書をメールで送り、私が彼女の代わりに印刷することが多い。もちろん「Googleクラウドプリント」を使用することはできる。だが、筆者は、この状況を実験の場として活用し、彼女がどのようなことで困るのかを観察している(当然のことながら、妻はこの状況を楽しんではいない)。
Chromebookに関しては、筆者が所有している他のデバイスほど、驚くべき発見はない。だが、もう少し高い処理能力があれば、Chromebookでできることは増えるだろう。筆者は非常に高速な「Chromebook Pixel」も所有しているが、問題はブラウザしかないことだ。
今でも「デスクトップ」には、必要な操作が全て行えることを期待する。これはアプリに限ったことではなく、ファイル、写真、Evernoteのノート、インスタントメッセージなどをまとめることも含まれる。正直なところ、ごく基本的な作業しか行わないユーザーを除けば、全てのユーザーが同じ気持ちではないかと思う。Chromebookに問題があるわけではないが、何かが適切ではない。例えば、「Google Apps」では十分な機能が提供されている。だが、少し面白みに欠けるところがある。また、筆者の妻にとってはストレスの元凶になっている。オフィスでChromebookを使用しているところを想像してみたが、あらゆるタスクにより適切に対応する他のデバイスを求める結果になった。
デスクトップWebブラウザの投入
米Stonewareは「WebTop」という名前のデスクトップWebブラウザを開発した。これ以外のデスクトップWebブラウザも市場に出回っている。デスクトップWebブラウザは、筆者が以前に紹介したHTML5デスクトップとは別物だ。デスクトップWebブラウザは、エンドユーザー向けのブラウザベースのコンピューティング環境で、さまざまなサービスへのアクセスを提供している。ポータルではあるが、2002年に誕生したおなじみのポータルとは異なる。
WebTopなどのデスクトップWebブラウザは、IT部門が管理しているアプリやサービスの集約ポイントとして使える。ユーザーが、デスクトップWebブラウザにサインインすると、IT部門がプロビジョニングしたデータセンターやクラウドリソースにアクセスできる。全てのアクセスはセキュリティが確保されたゲートウェイ経由で行われる。IT部門は、社内のWebアプリとクラウドのSaaS(Software as a Service)を配信したり、独自のHTML5クライアントを使用してRDSH(リモートデスクトップセッションホスト)アプリを配信することも可能だ。ユーザーがアクセスできるデータは、クラウドとデータセンターにあるデータだけでなく、端末のローカルにあるデータも含まれる。
ChromebookにWebTopのようなツールを追加したところを想像すると、次世代のITデスクトップコンピューティングをほうふつさせる。システムがデシジョンツリーを使用してユーザーに最適なエクスペリエンスを判断する。ユーザーがDocxファイルを開くときには、ユーザーがアクセスできてDocxファイルを処理できる全てのサービスをシステムが調査する。「Microsoft Word」がローカルにインストールされていれば、それを起動する。RDSH経由でWordにアクセスできる場合は、RDSH経由でWordを起動する。このどちらも使用できない場合は、「Zoho」や「Goolgeドキュメント」などでDocxファイルを開くという具合だ。この方法では、特定の状況において最適なエクスペリエンスがユーザーに提供され、全てのデータがバックエンドで同期される。また、クラウドアプリプロバイダーのアカウントも必要に応じて自動的に作成される。
WebTopのようなツールでは、一般的な検索インタフェースが用意されている。これが「デスクトップが欲しい」と記した理由の1つだ。デスクトップWebブラウザは、良い意味でデスクトップに近づいている。以前のデスクトップWebブラウザは、Windowsのデスクトップの外観に近づけることに注力していた。だが、デスクトップとは名ばかりで実際の機能はリンクアグリゲーターかポータルだった。現在、デスクトップWebブラウザは、「デスクトップ」という名前にふさわしい状態になっている。
ChromebookでデスクトップWebブラウザを使用すれば、企業でChromebookを使用する機会が生まれるかもしれない。他のデバイスと比べて安価なChromebookの機能が十分に成熟し、IT部門がChromebookを企業で使用することをサポートするためのサービスが十分に進化するという条件が整う日はそう遠くないだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー