AWSが本気のクラウド型デスクトップ発表
「Amazon WorkSpaces」が実現する“夢のデスクトップサービス”
Amazon WorkSpaceは、自身のデスクトップ環境をさまざまなデバイスから利用でき、ハードウェア、ソフトウェア、インフラストラクチャ、そして長期的な契約が不要という夢のようなデスクトップサービスだ。
米Amazon.comの上席副社長で米Amazon Web Services(AWS) 統括責任者のアンディ・ジャシー氏は、「『Amazon Web Services(AWS)』が夢の仮想デスクトップをついに実現した」と強調する。
ジャシー氏は、米ラスベガスで開催された「AWS re: Invent 2013カンファレンス」の基調講演で「仮想デスクトップが誕生して久しいが、予想されていたほどの人気は出なかった」と述べた。この3日間にわたって行われたカンファレンスには、インド、香港、オーストラリアなどの遠方からの参加者も含め、9000人を超えるビジネスパーソンとIT担当者が参加した。
ジャシー氏は、カンファレンスで発表したクラウド型VDI(Virtual Desktop Infrastructure)サービス「Amazon WorkSpaces」の登場により、この状況が変化するという見方を示している。現在、Amazon WorkSpacesは機能限定版のプレビューにサインアップ可能。AWSによるこの取り組みは、より規模の大きいエンタープライズIT市場で注目を集めることを目的としているというのが大方の予想だ。
Amazon WorkSpacesを使用すると、IT部門はクラウド型のデスクトップをユーザーに提供して、ユーザーは自分のデスクトップPCやノートPC、スマートフォン、iPadやAndroidタブレット端末からはもちろん、AmazonのKindle Fireタブレットからもクラウド上のドキュメント、アプリケーション、イントラネットにアクセスできようになる。
Amazon WorkSpacesはクラウド上で同期されるため、使用するデバイスを切り替えても、ユーザーがドキュメントにアクセスできなくなることはない。「デスクトップを一元管理するという夢が現実のものとなる」とジャシー氏は言う。
同社の複数の社員は、DaaS(Desktop as a Service)に対するユーザーの需要を満たすためにAmazon WorkSpacesをリリースしたと繰り返し話している。「この2年間でユーザーから最も多くの要望が寄せられた新しいサービスは、クラウド型の仮想デスクトップサービスだった」とAmazon WorkSpacesのジェネラルマネージャー、ジーン・ファレル氏はプレスリリースで述べている。ファレル氏やその他の社員によれば、オンプレミスのVDI製品は管理が難しく、パフォーマンスが不安定で、ネットワークやストレージのインストラクチャへの投資が必要であるといった不満の声がユーザーから頻繁に寄せられていた。
ジャシー氏は次のように話す。「Amazon WorkSpacesでは、ハードウェア、ソフトウェア、インフラストラクチャ、長期的な契約が不要だ。これはユーザーにとって非常に魅力的な価値になる」
Amazon WorkSpacesは、現在急増している「Bring Your Own Device(BYOD)」を管理しやすくすることも視野に入れている。データは、各デバイスのローカルではなく「全てクラウドに格納される」とジャシー氏は言う。
AWSは、WorkSpacesの総所有コストが、従来のオンプレミス型VDIの総所有コストの半分以下になると推定している。AWSのチーフエバンジェリスト、ジェフ・バー氏は、ブログ記事で次のように述べている。「ユーザーが1000人いると仮定した場合、Amazon WorkSpacesに掛かるコストは月々4万3333ドルになると見積もっている。これは、同じ条件で使用したオンプレミス型VDIに対して見積もったコスト(10万6356ドル)よりも60%近く低い数字だ」
Amazon WorkSpacesの支払い体系は月額課金制だ。Standardライセンスでは、50Gバイトのストレージを備えたCPUが1つ提供され、ユーザー1人当たりのコストは月額35ドルである。Performanceライセンスでは、100Gバイトのストレージを備えた仮想CPUが2つ提供され、ユーザー1人当たりのコストは月額60ドルになる。追加でユーザー1人当たり月額15ドルを支払えば、AWSが用意する「Microsoft Office」とトレンドマイクロのウイルス対策ソフトを使用できる。
この価格が安価であるかどうかについては意見が分かれるところだ。Forrester Researchの主席アナリスト、デビッド・ジョンソン氏はThe Wall Street Journalの『CIO Journal』で「高価だ」という評価を下した。しかし、同氏は、BYOD関連の問題を管理するに当たって、このサービスの機能を高く評価する企業もあるだろうと付け加えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
AI時代の自律的なパートナー 「データエージェント」構築&活用ガイド -
製品資料
使用中のデータを保護して安全な共同開発へ、クラウド時代のデータセキュリティ -
製品資料
“AIによる高速な脆弱性検出”対策を行う、RHELの統合セキュリティ機能とは? -
製品資料
企業ITを支える定番Linuxの運用管理、手動の限界を乗り越える手法とは? -
製品資料
AIとクラウドネイティブの課題を解決する、シンプルで費用対効果に優れた方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
2
なぜ人はいるのにDXが進まない? ライオンも直面した“老害”レガシーシステム
-
3
IT人材の42%が転職予備軍 辞めさせない組織の4つの共通
-
4
イーロン・マスク氏が生成AI「Grok」をオープン化する“語られない狙い”
-
5
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
6
GitHubが指摘 AIが書いた「おそらく動くコード」が招くシステム崩壊
-
7
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
8
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
9
ライオンが脱レガシーシステムのパートナーに「Google Cloud」を採用した理由
-
10
Azure Red Hat OpenShiftは脱VMware問題の救世主になるか? 技術資料で解説
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
属人化や仕様バグはなぜ起きる? AI時代に必須のドキュメント文化の作り方
-
2
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
5分で分かる「AI駆動開発エージェント」 要件定義から設計・実装・テストまで
-
5
中小企業必見、Microsoft 365でゼロトラストセキュリティを実現する方法
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
コスト分析で見る「デバイス復旧」の代償 損失額から導きだされた投資戦略とは
-
8
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
9
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
10
オープンウェイトLLMの推論最適化事例:ローカル環境で応答速度を約15分の1へ
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー