Office文書も直接編集可能に
5分で分かる次期OS「Android L」のビジネスに役立つ機能
Googleの次期モバイルOS「Android L」では、企業向け管理機能が大幅に強化される。また、「Microsoft Office」文書の直接編集も可能となる。これにより、Androidの企業導入が加速するのだろうか。
米Appleや米Googleといったテクノロジー大手はこのところ、エンタープライズ市場の要求に応え、モバイルプラットフォーム向けのIT管理機能を追加している。
Googleは次期モバイルOS「Android L」で、新たな企業向けセキュリティ機能「Android for Work」を搭載する。この機能は、アプリケーションとデータをコンテナ技術で隔離し、単一のモバイル端末上で個人領域と仕事領域を共存させることができる。
Android Lのモバイル管理機能
既存のアプリケーションに修正を加える必要はない。また、企業はアプリケーションを一括購入し、配布することも可能となる。
Android for Workには、韓国Samsungが提供する企業向けモバイルセキュリティ機能「KNOX」の技術が使われている。Samsungは、2014年に入ってからKNOXのアップデート版をリリースし、iOSに対応した。
Android for Workは、「Android 4.0(Ice Cream Sandwich)」以降のバージョンで対応する予定。Googleは今秋からOEMパートナー各社とともに、同機能の端末対応を進めていく。
Samsungは声明で、KNOXの機能の一部がAndroid Lに統合されることを明らかにした。だが、その他の詳細には触れず、今後もKNOXの提供を続けると付け加えた。Samsungの広報担当者にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
Googleは先日、モバイルセキュリティ機能を提供する新興企業の米Divideを買収しており、同社の機能がどのようにして統合されるのかも分かっていない。
企業向け機能を強化するGoogle
Googleによる企業向けデバイス管理機能の強化は、Appleの取り組みに続くものだ。
米ITコンサルティング企業、J. Gold Associatesの首席アナリストであるジャック・E・ ゴールド氏によると、DivideやKNOXの機能を統合する動きは、Googleにとって賢い選択だという。
「企業のIT部門は、KNOXなどの独自仕様のセキュリティ技術を使いたくない。Androidに統合された技術であれば、台湾HTC製、Samsung製、韓国LG製だろうと同じ対応を取ることができる」(ゴールド氏)
Android for Workの登場によって、KNOXなどの単独製品が今後どうなるか定かではない。KNOXは現在、ユーザー1人当たり月額3.60ドルで利用可能である。Android for Workに関しては、追加の利用料金が発生するのかどうか明らかにされていない。
GoogleとOEMパートナー各社が協力し、またAndroid for Workが従来版のAndroidにも提供されることで、バージョン間で発生している断片化問題の緩和にも役立つだろう、とゴールド氏は説明する。Androidの断片化は、IT部門にとって解決が難しく、コストの掛かる問題となっている。
企業向けの新たなストレージサービス
Googleが提供する新たなストレージサービス「Google Drive for Work」は、企業向けの管理機能が搭載されている。デスクトップ同期クライアントのインストール許可、ファイルの移動や共有、削除などを監視する監査ツール、データ転送・保存時のファイル暗号化といった機能を備える。
利用料金はユーザー1人当たり月額10ドル、容量無制限となっている。オンラインストレージ市場はGoogleの他、米Dropboxや米Box、米Microsoft(OneDrive)など多くの競合がしのぎを削っている。
Androidの管理機能については、モバイル業界の専門家からその貧弱さが度々指摘されていた。米国ボストンで先日開催された「Tech in Motion」イベントにおいても、最高経営者(CEO)および最高技術責任者(CTO)の企業幹部らが、Googleとその競合企業のモバイル管理機能について議論した。
「AppleのiOSはAndroidより2年ほど先行している。だが、Androidは急速に追い上げている」とモバイルアプリケーション開発企業の米RaizLabsでCEOを務めるグレッグ・ライズ氏は話す。「Androidはバージョンを重ねるごとに、ますますモバイル管理機能を強調するようになるだろう」
Office文書の直接編集が可能に
Googleは2012年に買収した米Quickofficeの機能を統合し、Web版、モバイルアプリ版のオフィススイート「Google Docs」「Google Sheets」「Google Slides」で、「Microsoft Office」の文書を直接編集・保存可能にした。これまでと同様、必要に応じてOffice文書をGoogleドキュメント形式に変換することもできる。
モバイルアプリについては、2014年4月にリリースされたGoogle Docs、Google Sheetsに続き、6月にはGoogle Slidesが新たにリリースされた。Google Slidesは、「Microsoft PowerPoint」と同等の機能を備えたプレゼンテーションアプリである。
TECHnalysis Researchの創業者でチーフアナリストを務めるボブ・オドネル氏は「ファイルフォーマットの互換性を完全に維持するのは困難である。なぜなら、OfficeのファイルフォーマットはMicrosoftが所有し、みんなと共有するとは考えられないからだ」と説明する。
理論的には、Officeとの互換性を高めることで、Googleはオフィススイートで成功を収めることができるだろう。しかし、Microsoftもまた、iPad版Officeに続き、Android向けOfficeアプリのリリースを進めている。Microsoftのこうした動きは、Googleの取り組みに影を落とすことになるかもしれない、とオドネル氏は指摘する。
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