企業利用を推し進める「Google Container Registry」
DockerとGoogleのコンテナがクラウドの将来にもたらす意味とは?
「Google Container Registry」では「Docker」のプライベートリポジトリが利用できる。これによって、プライベートコンテナのイメージをセキュアに保護することができる。
米Googleは、「Docker」対応サービスの成熟に向けて、ほんの小さな一歩だが重要な一歩を踏み出した。同社は、コンテナテクノロジーの導入に意欲的なIT担当者の注目を集めようと試みている。
Googleは同社の「Google Container Registry」でDockerのプライベートリポジトリを提供している。2014年、あらゆる規模のクラウドサービスベンダーがこぞってDockerのサポートを追加した。だが、コンテナをベースにサービスを構築するGoogleは、同社の「Google Container Engine」とオープンソースのオーケストレーションツール「Kubernetes」に、Dockerのエコシステムを組み込むことを熱心に取り組んでいた筆頭ベンダーの1つだった。
「Google Container Registryを使用すると、顧客は『Google Cloud Storage』でプライベートなイメージをホストして格納し、プロジェクトのメンバーだけにアクセス許可を与えることができる」とGoogleはいう。イメージも暗号化されてからディスクに書き込まれる。
「Dockerには優れたパブリックリポジトリが用意されているが、パブリックリポジトリはDockerのコンテナサービスを提供するベンダーが対象だ。物事を社内に留めておきたいソフトウェア開発者にはプライベートリポジトリが適している」と米マサチューセッツ州ケンブリッジを拠点とするForrester Researchでプリンシパルアナリストを務めるデイブ・バルトレッティ氏は指摘する。
「これはGoogleが他社を一歩リードしていて、業界に革新をもたらし続けることができる分野の1つだ」(バルトレッティ氏)
このサービスの利用対象ユーザーの条件は、Dockerと「Google Cloud SDK」をインストールしていて、使用料を請求できる「Google Cloud Platform」のユーザーであることだ。β版では、この機能は無料で利用できる。だが、一般公開時に有料になるかどうかは定かでない。
「Dockerプロジェクトに関連するテクノロジーは優れている。だが、クラスタ、セキュリティ、高度なストレージ、プライベートリポジトリには、信頼に足る管理機能が依然として必要だ。目新しいのは、プライベートリポジトリという概念ではない。Googleが、Dockerのサービスを別のサービスに付属する形で提供して、セットアップ作業の手間を省けるようにしていることだ」とバルトレッティ氏は語る。
オンライン販売会社の米zulilyでプリンシパルエンジニアを務めるスティーブ・リードは次のように話す。「当社では、2014年後半に、Docker環境を中心に据えたインフラの構築に着手した。だが、共有したくないイメージの問題に直面した」
zulilyは、自社のプライベートレジストリを使用してみたが、証明書の構成とプライベートレジストリに格納したデータのバックアップ方法に関する問題を抱えることになった。また、プライベートレジストリとKubernetesに関連付けられているホスト名が異なるという問題もあった。
「Google Container Registryについて聞いたとき、当社が抱えていたほぼ全ての問題が基本的に解決した」(リード氏)
DockerとGoogleのコンテナがクラウドの将来にもたらす意味
金融リポートソフトウェア開発会社の米Workivaは、Dockerを開発プロセスのスピードアップと向上に役立つクラウド導入の未来だと見なしている。そう語るのは、同社のプラットフォーム開発部門のシニアディレクターを務めるデイブ・タッカー氏だ。
Workivaは、迅速な改良がなされているGoogleと米Amazon Web Services(Amazon)のサービスについて調査を続けているが、コンテナレジストリは興味深い進歩だと考えている。コンテナレジストリを使用することで、セキュリティが欠如していると同氏が指摘するDockerのパブリックリポジトリから移行できるようになる。
「注目すべきは、Google Container Engineとコンテナの管理機能だ。多くのタスクの進捗を早めることができるため、これは心強い機能である」(タッカー氏)
この追加機能により、Googleがコンテナ分野でさらに一歩前進したことは誰の目にも明らかだろう。そう語るのは、コンサルティング会社の米Cloud Technology Partnersで上級副社長を務めるデイビッド・リンティカム氏だ。
「プライバシーが保護され、部外者が侵入してワークロードを操作することはないという保証がなされない限り、ユーザーはGoogleのコンテナに何かを配置して実際に運用することはないだろう」とリンティカム氏は自身の見解を示している。
「Googleは、Dockerのサービスをパブリッククラウドにおける差別化要素と見なしているため、Dockerのサービス改良を続けるだろう。これはコンテナに関する2015年最初の発表だが、2015年は多くのコンテナに関する発表がなされるだろう。Googleは、Dockerテクノロジーに関して各方面から注目を集めているように見える。これはGoogleにとって大きなチャンスだ。既存の市場シェアを奪って、簡単にシェアを拡大することができる」(リンティカム氏)
「現時点では、コンテナレジストリは差別化要素となっているが、AmazonはすぐにGoogleのプランをまねるだろう。そして、Googleはサービスを改良し続けなければならない状況に追い込まれるだろう。Googleは、Docker関連サービスのさらなる充実や機能向上に目がないソフトウェア開発者に追随しようとしている」(バルトレッティ氏)
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