モバイル端末に無頓着は許されない
タブレット/スマホとPCを一体管理、ビジネスユースなら夢物語ではない
ここ数年で、モバイル端末とクライアントPCが対等になってきている。デスクトップアプリとモバイルアプリの管理を統合する時期がきているのかもしれない。
筆者は1995年5月にデスクトップのサポート担当者としてIT業界で働き始めた。そして、1997年には米Citrix Systemsのソフトウェアを使用して、米MicrosoftのWindowsアプリケーションとWindowsデスクトップをクライアントPCに一元的に配信および管理していた。
長い年月をかけて取り組んできたのは下記のテーマだ。
- Microsoft「Microsoft Systems Management Server」(現System Center Configuration Manager)
- リモートデスクトップセッションホスト(RDSH)
- 仮想デスクトップインフラ(VDI)
- デスクトップ仮想化
だが、こちらに取り組みながらもいつも重点をおいてきたのはWindowsアプリケーションとWindowsデスクトップだった。
米Appleが2007年に「iPhone」を世の中に送り出し、2010年に「iPad」が大流行したときも、このスタンスは変わらなかった。その時でさえ、モバイルアプリケーションは自分に関係ないことだと考えていた。Citrixや米VMwareは、モバイルアプリケーションとモバイル端末を管理するための製品を提供することでモバイルアプリケーション分野に進出した。だが、筆者は、モバイルアプリケーションはWindowsアプリケーションとは異色で別物だと考えていた。
だが、モバイルアプリケーションに対する姿勢を変える時がついに来たのだろうか。
Appleの「iOS」や米Googleの「Android」が搭載されたモバイル端末がビジネスで利用されるようになってからは、CitrixやVMwareのテクノロジーを使用して、これらの端末にWindowsアプリケーションやWindowsデスクトップを配信してきた。ただし、これは特殊なケースだといつも考えていた。モバイル端末で動作するデスクトップアプリケーションは、クライアントPCで動作するデスクトップアプリケーションほど便利でないからだ。
モバイル端末に対して無頓着であっても許されるのは、筆者が業界調査をなりわいとしているからである。実際にエンドユーザーをサポートしているIT担当者は、同じように悠長に構えているわけにはいかない。そして、IT担当者は「ユーザーはデスクトップアプリケーションのようなアプリケーションを必要としている。そして、それをモバイル端末で使用することを望んでいる。この状況を実現する方法を見つけなければならない」と考えている。それは、IT担当者が「デスクトップ管理者」ではなく「エンドユーザーのアプリケーション管理者」だといえるからだ。あらゆるエンドユーザーやビジネスのニーズをサポートする使命を担っている。
筆者は、2015年3月にアプリケーションの変換というテクノロジーについて記事を執筆した。アプリケーションの変換は、モバイル端末でデスクトップアプリケーションをモバイルアプリケーションのように利用できるテクノロジーだ。従来のRDSHやVDIに近いが、モバイル端末でWindowsアプリケーションを使用するためのものでもある。だが、モバイルデバイス管理(MDM)やモバイルアプリケーション管理(MAM)といった他のエンタープライズモビリティ管理(EMM)についてはどうだろうか。従来のデスクトップに対するアプローチをモバイル端末やモバイルアプリケーションに対するアプローチと統合する時がついに来たのだろうか。
そして、その時が来たのではないかと考え始めている。
CitrixとVMwareはどちらも、EMMの方向に進んでいる。Citrixは米Zenpriseを買収し、モバイル端末とネイティブモバイルアプリケーションを管理する「XenMobile」を保有している。また同社で、モバイル端末向けの「Citrix Receiver」というクライアントソフトウェアもある。一方、VMwareは米AirWatchを買収し、VMwareが保有する他のデスクトップ仮想化ソリューションにMDMソフトウェアである「AirWatch」を統合している。
一方、デスクトップ環境とモバイル環境の橋渡しを目的とした製品を提供する複数のスタートアップベンダーもモバイルアプリケーション市場に参入している。例えば、モバイルアプリだけに集中していた米Workspotは、デスクトップアプリケーションのサポート機能を最近リリースした。同社の顧客は、WindowsアプリケーションをデスクトップPCやモバイル端末に配信しながら、モバイル端末やモバイルアプリケーションを管理できるツールを購入できるようになった。
現時点では、このような考えは筆者にとって未知の世界だ。そのため、デスクトップアプリケーションとモバイルアプリケーションの管理に同じ製品を使用したいかどうかは分からない。それどころか、同じベンダーが提供する個別の製品をそれぞれの管理に使用したいかも分からない。だが1つ確かなことがある。それは、モバイル端末とクライアントPCが同じ土俵にあることについて考えたいと思い始めていることだ。
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