Googleは一歩及ばず?
パブリッククラウド市場の勢力図はSAPで変わる、「SAP HANA」に対応するAWSとAzureの狙いとは(1/2 ページ)
「SAP HANA」のクラウド実行環境に「Amazon Web Services」と「Microsoft Azure」が認定された。企業が所有する大量のデータをこの2社のクラウドプラットフォームに移行する手段があるということだ。
2大大手パブリッククラウドベンダーであるMicrosoftとAmazon Web Servicesは顧客のデータを集める方法をさらに獲得した。
「Amazon Web Services」(以下、AWS)と「Microsoft Azure」(以下、Azure)は、2016年5月中旬に「SAP HANA」をサポートする機能を追加している。この追加により、I/Oを集中的に処理する何万ものアプリケーションが、AWSとAzureのクラウドインフラで使用することが認定されるようになる。このパートナーシップはSAPにとっても好都合と見なされている。というのも、このパートナーシップにより、SAPクラウドの範囲が広がり、ユーザーが既に利用中のプラットフォームでアプリケーションを実行するというユーザーの要求を満たせるからだ。
MicrosoftはSAPの「SAP S/4HANA」を含むSAP HANAインメモリデータベースをAzureで実行することを認定している。最大3TBのRAMを備えたインスタンスと12TBのストレージで利用できる。これに対抗するべく、AWSは2TBを搭載した「X1」インスタンスを「Amazon Elastic Compute Cloud」(EC2)で広く利用できるようにしている。また、AWSは同社のプラットフォームでSAP HANAを使用する有名顧客のリストも公開している。その中にはGE Oil&GasやKellogg Companyなどが名を連ねている。
Nortek Global HVACは、SAP HANAを早期に導入したユーザーの1社だ。現在は自社の全環境を仮想化することを目指している。その目的は、ビジネス部門全体で使用している各種システムをまとめることである。Nortek Global HVACは、自社の1TBのHANAアプリケーションをAzureに移行するために概念実証に取り組んでいるさなかだ。
SAP HANAほどの大きさのアプリケーションを使用するなら15年前には調達要件を提出しておく必要があるだろう。事前に購入しておく必要があるディスク容量がそれだけ多くなるためだ。Nortek Global HVACのIT部門の統括責任者を務めるトム・ホルツェム氏はそう話す。だが、今回SAP HANAをAzureに移行することでそのような課題は克服できる。また、必要に応じてリソースを追加できるようにもなる。
「インフラ部分に対応しなくて済むようにしようとしている。MicrosoftやAWSが自分たちに代わって適切に対応してくれることに、なぜ自分たちで対処し続ける必要があるのだろうか」とホルツェム氏は言う。
Microsoftの製品やサービスを数多く利用していることが今回の移行を後押しした。AWSで運用できるサイズの上限がニーズに合わなかったことが、Azureを移行先として選んだ理由だ。ただし、このAWSの上限は後に引き上げられている。Nortek Global HVACの移行はまだ品質保証の段階にあるが、2016年度の第4四半期までにはAzure環境での運用を実現することを目指している。
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