全世界のデータの70%は「テープ」に保存されている
オールフラッシュ支持者が知らない「テープ」の優位性、SSD併用で利用拡大も(1/2 ページ)
長期的なデータ保持において比較的安価な方法がテープアーカイブだ。とはいえ、アクティブアーカイブなどのストレージ技術とテープシステムは、どのように組み合わせればよいのだろうか。
ストレージの記憶メディアとしてテープを採用する最大のメリットは、保有コストが低いことだ。ディスクアーカイビングとテープアーカイビングを比較した分析は、Information Storage Industry Consortium(INSIC)やClipper Groupなど複数の研究機関が実施している。
INSICによると、500TBのアーカイブを5年間保持するのに掛かる総所有コスト(取得コスト+電力コスト)は、ディスクの場合は約150万ドルで、テープを利用する場合は約25万ドルと試算している。
Clipper Groupはディスクリポジトリとテープリポジトリの電力コストを比較して、ディスク製品は同じ容量のテープ製品よりも約76倍のコストが掛かることが分かったという。
テープとディスクまたはフラッシュの併用
アーカイブしたデータの利便性を高めるために、ディスクまたはフラッシュメモリのバッファをテープアーカイブの前に配備している企業もある。例えば、エンドユーザーがアクセスできるテープアーカイブにデジタル化した映画フィルムを保管していて、リクエストがあったらすぐに映画を再生できるようにしたい場合は、ライブラリのテープから目的の映画を保存している場所を見つけ出し、テープをマウントし、映画の開始位置まで移動するのにかかる時間(最大で約2分間)をユーザーに認識できないようにしておき、直ちに映画を開始することが望ましい。
この遅延を回避する1つの方法が、テープライブラリにある全ての映画ごとに最初の2分間をファイルにしてディスクストレージあるいはフラッシュストレージに保存しておくことだ。映画のリクエストがあればすぐにディスクからストリーミングを開始する一方で、バックエンドのテープシステムは映画データを探し出してロードし、ファイルの再生準備を整える。こうすることで、テープはディスクバッファからシームレスに再生を引き継げる。
テープの最大の魅力は、一定の転送速度でジッター(信号の再生速度の変動で発生するノイズ)のない再生が可能なことだ。これは、メディアやエンターテインメントの分野で今でも、ストレージメディアとしてテープ技術を使っている理由の1つだ。
多くの関係者が注目するクラウド型テープ
富士フイルムの「Dternity」のように、アクティブアーカイブに置いたストレージバッファ(ディスクまたはフラッシュ)をオンプレミスに残し、テープストレージをクラウドに配備するという方式もある。Microsoftは自社のクラウド「Microsoft Azure」でアーカイビングテープを利用しようとしているようだ。
MicrosoftのAzureクラウド担当アーキテクトが2015年末に語ったところによると、2020年までにクラウドアーカイブに保存すると予想している全ての新規データのうち10~60Z(ゼタ)Bの保存については、テープが唯一の選択肢だという。HDD、フラッシュ、光学ドライブのメーカー各社が持つ生産能力を合わせても、このストレージ要求に対応するには不十分だとしている。
クラウドで利用するテープの役割に注目しているのはMicrosoft以外にもいる。業界のセミナーや専門メディアでの議論を見ると、大手クラウドプロバイダー各社がバックアップや大量データ転送(クラウドシーディング)、アーカイブなどの目的でテープ技術に注目していることが分かる。
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