「AI会話」の進歩を見る【後編】
IBMやGoogleのAI会話は「Siri」とは一味違う訳(2/2 ページ)
AIをどこから始めるか
AIの専門家と利用者は、企業が認知コンピューティングプロジェクトを進めるには小さなことから始めるべきだと助言する。明確に定義された領域を選び、その分野の専門家の力を借りて、実際の顧客が質問しそうなことや尋ね方などをシステムに教え込む。ビジネスゴールと求める結果を常に明確にしておくことも必要だ、とGartnerのオースティン氏はウェビナーで述べた。
「短い期間で評価できるアプリケーションを選ぶことだ。月に行くような壮大なものである必要はない。小さな魚が池を横断する程度のものでいい。ほんの少しスマートにするだけで十分だ。複雑なものよりシンプルなものから始める方がいい」(オースティン氏)
開発チームのない企業やIT予算の少ない企業の場合、SaaS(Software as a Service)アプリケーションも利用できる。Conversicaが提供する見込み客対応のためのAIチャットボットもその1つだ。
オンラインビジネスプレゼンテーションプラットフォームのベンダーであるKnowledgeVisionは、優先度の低い見込み客のフォローアップにConversicaのバーチャルアシスタントプラットフォームを利用している。このバーチャルアシスタントSaaSでは、趣旨を解読する技術、感情を認識する技術、ニューラルネットワークなど、さまざまなAI技術を併用している。KnowledgeVisionのバーチャルアシスタントは、インバウンドの見込み客をメールでフォローアップし、情報を収集するダイアログを作成する。その情報が最終的に人間のセールス担当者やマーケティング担当者に渡される。
Conversicaを利用するKnowledgeVisionマーケティング部門の責任者、スーザン・ゼイニー氏によると、バーチャルアシスタントはほとんどの場合に極めて適切に機能するが、間違えることもあるという。例えば、見込み客から返信として不在通知メールを受け取り、そこに出社予定日が含まれていた場合だ。バーチャルアシスタントはその日付を面会希望日と読み違える可能性がある。そこでKnowledgeVisionでは、顧客をフォローアップする前に自動応答をレビューする必要があるという。
それでもAIチャットボットの利点の方が欠点よりはるかに大きいとゼイニー氏はいう。同社ではこれによって全ての見込み客をフォローアップできるようになった。バーチャルアシスタントは24時間365日働くことができて病欠することもない。潜在顧客が午前1時にメールを開封して返信しても、バーチャルアシスタントは即座に応答できる。顧客はこの根気強くて疲れを知らないセールス担当者がチャットボットであるとは気付かないのだ。
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