コラボレーションはチームメッセージングが主流に
「Skype for Business Online」は「Microsoft Teams」に切り替え、Microsoftが考えるコラボツールの近未来
Microsoftは今後数年間かけて「Skype for Business Online」を段階的に「Microsoft Teams」に移行し、「Office 365」用のコミュニケーションクライアントとする方針だという。
Microsoftは「Skype for Business Online」をコラボレーションサービスの「Microsoft Teams」に移行する。このビデオ会議ソフトウェアをオンプレミスまたはクラウドベースの電話用に使っている企業は、大きな影響を受ける見通しだ。
Skype for Businessのユーザーインタフェース(UI)はTeams UIに切り替わる一方で、Teamsの音声・ビデオ通信機能を支えるSkype通信インフラは継続する。Microsoftは、米国フロリダ州オーランドで開催したカンファレンス「Microsoft Ignite」で2017年9月25日にこの発表を行った。
変更のスケジュールについては「いずれ」と説明し、日程は明らかにしていない。だがアナリストは、2020年までにSkype for Business Onlineは姿を消すと予想する。
Teamsは、約6000万の有料会員をもつ同社のクラウド型オフィススイート「Office 365」の中核的な通信クライアントになる。だからこそ、この変更は重要だ。
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Skype for Business Serverの行方は
今回の移行により、Skype for Businessと公共電話網を結ぶクラウドベースPBXのオンプレミス版である「Skype for Business Server」の長期的な展望は不確実性が高まる。Microsoftがオンラインコミュニケーションにリソースを集中させる中、この製品がどのような影響を受けるかをアナリストは疑問視する。
「同製品は戦略的製品の方向性から外れており、どんなペースで機能強化が行われるのか分からない」。Gartnerのアナリスト、バーン・エリオット氏はそう解説する。
だが当面の間は通常通りの継続が予定されている。Microsoftは2018年下半期にSkype for Business Serverのアップグレード版をリリースし、音声・ビデオ会議やSkype for Business Onlineでは利用できないPBXサービスを提供する。
Teamsへの移行に伴い、電話システムをSkype for Businessのクラウドベース版と入れ替えた企業にとっても不確実性が生じる。Microsoftは全機能をTeamsに移行するとは約束していない。
エリオット氏は言う。「何をいつ提供するのかがはっきりしない。特に、電話のような一部の機能については。(Skype for Businessで)オンライン電話を計画していた企業は、不確実性を念頭に、その計画を見直す必要がある」(エリオット氏)
一方、MicrosoftはTeamsの電話機能の強化を図っている。Igniteで同社は、公共電話網を使って電話をかけたり受けたりできる機能を発表した。また、Teamsユーザーは通話を保留にしたり、別の相手に転送したり、留守番電話を送信したりできるオプションも利用できるようになる。
電話機能が強化されても、Skype for Business Onlineがなくなれば従業員にTeamsの使い方を教える必要があり、多くの企業にとって負担が生じる可能性はある。それでもAFR Furniture Rentalでは、機能が強化されるTeamsには、同社でSkype for Businessを使っているユーザー500人を移行させるだけの価値があると見る。
AFRの情報システム担当マネジャー、スティーブン・シンガー氏は、「Microsoftにとっては極めて簡単なインテグレーションになるだろう。研修を除けば実質的なデメリットがあるとは思えない。研修は一時的なものだ」と語った。
Skype for Business Onlineを追いやった市場トレンド
アナリストによると、Skype for Business Onlineを段階的に廃止するというMicrosoftの決定は、従業員の間で人気が上昇しているグループメッセージングアプリケーションのコミュニケーション機能強化を求める企業のニーズに応えた措置だった。Microsoftの最大のライバルであるCisco Systemsも同様に、競合製品の「Spark」に重点を絞っている。
Nemertes Researchによると、企業700社を対象にした調査ではチームチャットアプリを全社的に導入した、または導入を予定している企業はほぼ半数に上った。
Forrester Researchのアナリスト、アート・シェラー氏によれば、グループメッセージングサービスへと向かうトレンドは、メッセージングや限定的な文書共有機能も提供するSkype for Businessのようなソフトウェアベース電話の「死」を意味する。「そうした個々のクライアントエクスペリエンスは全て崩壊し、チームメッセージングインタフェースへとなだれ込む」
Skype for Business Onlineを打ち切りにすれば、Microsoftのコラボレーションアプリのポートフォリオは、Teams、「Office 365グループ」、そして企業向けSNS「Yammer」の3製品に減る。
「Teamsのインタフェースの方がグループの継続的なコラボレーションに適していて、Microsoftの一連のコラボレーションツールを巡って混乱していたこれまでの状態もすっきりする」。Nemertes Researchのアナリスト、アーウィン・レーザー氏はそう指摘した。
Igniteではまた、文書管理・コラボレーションツールの「SharePoint」とTeamsとの連携強化も発表された。SharePointで作成したページやコミュニケーションサイトはTeamsを通じてアクセスできるようになる。
YammerもSharePointとの連携強化が予定され、データの扱いは多くの企業のコンプライアンスニーズに応えた変更を予定している。
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