「エッジコンピューティング」事例集【中編】
垂直農法の企業は「エッジコンピューティング」で植物栽培をどう改善したのか
AeroFarmsはエッジコンピューティングを園芸に取り入れることで、室内環境を細かに監視し、植物栽培の生産性を飛躍的に高めた。どう実現したのか。
「垂直農法」を営むJust Greens(以下、AeroFarms)は、“人類に役立つ植物栽培”を使命に、自然資源の保護にも配慮して事業を展開している。垂直農法とは、植物や農産物を垂直に何層にも積み上げて栽培する手法だ。園芸にデータサイエンスを組み合わせ、一般的に室内で栽培する。
2004年創立のAeroFarmsは、室内環境を厳しく管理し、通常の園芸で必要とする太陽光、土壌、農薬を用いることなく、茎の短い葉菜類やハーブを栽培している。同社の栽培方法は屋外で実施する従来型の農法よりも生産性が約390倍高く、水の消費量は約95%少ない。同社の共同創設者兼CMO(最高マーケティング責任者)を務めるマーク・オーシマ氏は「例えば、一般的に屋外ではベビーリーフが育つまでに30~45日かかる。だが、当社はこれを12~14日で育てている」と説明する。
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「エッジコンピューティング」をもっと詳しく
機械学習を取り入れる際に考慮すべきこと
植物の生育状態をセンサーで監視
米ニューアークにある7万平方フィートのAeroFarmsの農場では、床から天井まで積み上げた各植物にIoT(モノのインターネット)のセンサーを取り付けている。このセンサーは、水の消費量、栄養素の濃度、生育状況などを追跡する。これは、データが発生する場所の近くでデータ処理をする「エッジコンピューティング」により、従来型の産業を最新化(モダナイゼーション)する好例だ。
AeroFarmsのチームはセンサーによって、野菜の風味や栄養、新鮮さを最大限に高めるにはいつ収穫すべきかを正確に把握する。温度、水、照明の調整は自動化している。野菜を駄目にして廃棄することはない。
このシステムを導入するに当たってAeroFarmsが直面した最も大きな課題の一つは、取得したセンサーデータの整合性と適時性を確保することだった。同社は機械学習とDell TechnologiesのIoTゲートウェイ「Dell Edge Gateway」とセンサーを組み合わせることで、この課題を乗り越え、栽培環境を改善できた。
Dell Edge Gatewayを使用することで、指標とすべきデータを全て無線通信で監視し、さまざまな状況の変化を把握可能になった。その結果「環境要因と定性要因を結び付けて、栽培用のアルゴリズムを改善する方法を考えることができるようになった」とオーシマ氏は説明する。
他のユーザー企業がDell Edge Gatewayを使用する主な目的は、管理システムに接続して、そこで得たデータをクラウドに送信して分析することだ。これに対し、AeroFarmsはDell Edge Gatewayを照明システムや注水システムに接続した。これらのシステムからデータを収集して、ユーザー企業のバックエンドシステムにそのデータを送信している。
「Dell Edge GatewayはAeroFarmsの管理システムや工場内の全センサーの橋渡し役を果たしている」。Dell TechnologiesのIoTおよびエッジコンピューティング分野で最高技術責任者(CTO)を務めるジェイソン・シェパード氏はこう説明する。
後編は、エッジコンピューティングによってゲーム配信の遅延を解消した事例を紹介する。
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「エッジコンピューティング」事例集
データ分析の重要性が高まるに連れ、「エッジコンピューティング」が注目されるようになった。本連載は、企業の事例を基に、エッジコンピューティングが企業に何をもたらすのかを紹介する。
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